第6回なぜ女性は回復しづらいのか アルコール依存症を背負う記者の思い
A-stories「依存症 女性とアルコール」
「なんて大変なんだ」
アルコール依存症からの回復の道を歩む女性をみるたび、つくづくそう思う。
私自身も依存症となり、自助会とつながりながら、断酒を続けて6年目に入った。その過程と回復の道のりを昨年3月、記事にした。
断酒している女性の仲間をみると、依存症の背景にある「生きづらさ」をひしひしと感じる。今回の取材では、その生きづらさに生育環境があることに気づいた。ただ、これは男性の当事者にも共通する、病のきっかけに過ぎない。
やはり、大きいのは女性の社会的地位、家庭での役割分業といった問題だ。
依存症は脳の病気
まず、強調したいのはアルコール依存症は脳の病気だ、ということ。飲酒をコントロールできなくなった状態だ。「意志が弱い」とか「自己管理ができない」といった問題ではない。
女性の特徴として、体質的に依存症になりやすく、摂食障害などほかの病気を併発することが多い。このことは、専門医の岩原千絵さんがインタビューで指摘している。
同じ「回復」の道を歩む立場から、私が思うのは、「女性の回復しづらさ」だ。
私の場合、肝臓などの治療を経て、回復プログラムを学ぶために精神科の依存症病棟に2週間入院した。
30人ぐらいの入院患者がい…
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