拡大する自民党安倍派の裏金疑惑を受け、岸田文雄首相は安倍派の議員を政務三役から一掃する方針だ。目の前の政権運営から同派を切り離し、当座をしのぎたい考え。だが、「数の力」と「保守派」への影響力を誇る安倍派との決別は、首相の足もとを大きく揺るがす両刃の剣となる。
「各政策集団の政治資金パーティーについてさまざまな報道がなされ、国民の間に疑義が広がっている。党として強い危機感を持って一致結束して対応しなければいけない」。首相は11日午後の党役員会で、萩生田光一政調会長や高木毅国会対策委員長ら安倍派幹部を前に、こう強調した。
政権発足以来、最大の危機ともいえる安倍派の裏金疑惑。NHKが11日に発表した世論調査によれば、内閣支持率は自民党が政権復帰した2012年12月以降最低の23%(前回11月より6ポイント減)。さらに、安定していたはずの自民党支持率も29・5%(同8・2ポイント減)に落ち込んだ。
裏金精査「業務に支障」 新たな「非主流」生み出すリスクも
強い危機意識を見せた首相だ…
【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら
- 【視点】
政権維持のために何かに頼り、都合が悪くなると切り捨てる。議院内閣制の日本の最大与党として、最大派閥を内閣から排除しないと政権維持ができないところまで、自民党は追い込まれました。しかし、この記事にあらわな自民党のその場しのぎのための政治は、国
…続きを読む