南太平洋の島国ナウルが15日、中国が敵視する民進党の頼清徳(ライチントー)副総統が新総統に決まった台湾と断交し、中国と国交を結んだと発表した。ナウルとは、どのような国なのか。
ナウルはオーストラリアの北東約3千キロの南太平洋に浮かぶ島国の一つ。首都はヤレン。日本外務省などによると、人口は約1万3千人、面積は約21平方キロメートルで東京都品川区ほどの大きさという。
第2次大戦中の1942年に日本に占領され、豪州などによる国連からの信託統治を経て、1968年に独立した。オーストラリアとの関係が深く、国内ではオーストラリアドルが使用されている。
日本とは国交があり、2021年の援助額では、近隣のオーストラリア、ニュージーランドに次いで日本が3位に入っている。2021年の輸入元でもオーストラリア、中国に続いて日本が上位に入っている。
経済はリン鉱石の輸出に大きく依存してきた。1990年代以降、リンの枯渇が問題となり、経済状況は悪化した。2005年からは採掘が再開されたものの、食料や生活用品の大半を海外からの輸入に依存している状況という。近年は石油価格高騰の影響から、物価も上昇。世界銀行の21年のデータでは、上昇率は2・8%に上った。
こうした状況を背景に、観光業にも力を入れている。日本でも、観光情報や現地の写真などを日本語で投稿するナウル政府観光局の公式X(旧ツイッター)アカウントが話題で、フォロワーは48万6千人を超えている。(バンコク=大部俊哉)
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