メチル水銀が「におい」分からなくするしくみ解明 水俣病の症状

有料記事

杉浦奈実
[PR]

 水俣病の原因物質・メチル水銀が、においを感じるのに関連する神経を傷つけることを岡山大などのチームがマウスの実験で明らかにした。水俣病の症状の一つに嗅覚(きゅうかく)障害があるが、これまでしくみはわかっていなかった。今後、水俣病などの診断や検査に役立つ可能性がある。

 チームは、メチル水銀を混ぜた水を飲ませたマウスを解剖し、においを感じるのに関連する脳や鼻の奥の組織を詳しく調べた。すると、鼻の感覚細胞からの信号を受け取る脳の「嗅球」や、大脳の嗅覚に関わる場所の神経細胞が死んでいることがわかった。鼻の奥にある、においを受け取る細胞も減っていた。

 岡山大の上原孝教授は「嗅覚に関連する回路全体が広く傷つけられていた。神経が死ぬことによって、においが認識できなくなっているとみられる」と話す。

 上原教授によると、これまで…

この記事は有料記事です。残り478文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら