フツーじゃない普通科

普通科だけど普通科じゃない!?  2022年度、高校の普通科が変わる!

2021.12.16

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笹原 風花
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文部科学省が推進する高校改革の一つが、「普通科改革」です。高校設置基準と学習指導要領の一部が改正され、2022年度から「普通科」の中に普通教育を行う新しい学科が設置できるようになります。「普通科信仰」が根強いなか、どのような背景から改革が行われたのか、新学科はどのような教育内容なのか、文科省初等中等教育局参事官(高校担当)の田中義恭さんに聞きました。

田中義恭

話を聞いた人

田中義恭さん

文部科学省初等中等教育局参事官(高校担当)

(たなか・よしやす)1975年、千葉県生まれ。98年、文部省(現文部科学省)入省。スポーツ振興や教職員制度、政策評価などに携わったのち、2008年に福島県教育庁へ。福島では東日本大震災を経験。在フランス日本国大使館勤務、文科省教育制度改革室長などを経て、21年10月から現職。

普通科の枠組みのなかで新学科を設置

――高校の普通科改革により、何がどう変わるのでしょうか?

文科省「学校基本調査」から
文科省「学校基本調査」から

2022年度から、従来の普通科の枠組みのなかで新たに学科を設置できるよう制度が変わります。そもそも高校には、「普通教育を主とする学科(普通科)」「専門教育を主とする学科(専門学科)」「総合学科」の三つがあります。専門学科には、商業、工業、福祉、看護、水産、情報などの多様な学科がある一方、全高校生の7割強が通う普通科には、「普通科」しかありませんでした。この普通科をより特色・魅力あるものにするために、学校設置者の判断により、普通教育を主とする学科の中に、「普通科」以外の学科の設置を可能にするというのが、今回の普通科改革の柱です。新学科の設置枠は次の三つになります。

・学際的な学びに重点的に取り組む学科
・地域社会に関する学びに重点的に取り組む学科
・その他特色・魅力ある学びに重点的に取り組む学科

――改革の背景にはどのような課題があったのでしょうか?

普通科改革は高校改革の一環であり、その背景には、高校生の学びへの意欲の二極化、自己肯定感や社会参画の意識の低下などがあります。

調査対象者が高1相当だった2017年に行った第16回21世紀出生児縦断調査から
調査対象者が高1相当だった2017年に行った第16回21世紀出生児縦断調査から
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