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最低賃金、2023年度は全国平均1004円に 初の1000円超、引き上げ額43円は過去最高

最低賃金、2023年度は全国平均1004円に 初の1000円超、引き上げ額43円は過去最高
2023年度の都道府県別の最低賃金額(厚生労働省の資料をもとに編集部作成)
編集部

2023年度の都道府県別の最低賃金額が8月18日に出そろい、厚生労働省がとりまとめて発表した。各都道府県で39~47円引き上げられ、全国の加重平均額は前年比43円増の1004円となる。物価高を背景に初めて1000円を超え、引き上げ額も過去最高となった。新しい最低賃金は10月1日以降、順次適用される。(副編集長・竹山栄太郎)

最低賃金はどう決まる?

最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額。都道府県ごとに決まる地域別最低賃金と、特定の産業について設定される特定最低賃金がある。

今回決まったのは2023年度の地域別最低賃金。7月28日に、労使の代表などでつくる厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」が提示した引き上げ額の目安を参考に、各都道府県の労働局に置かれている「地方最低賃金審議会」が議論し、答申した。

中央最低賃金審議会は、目安額として前年比41円増の1002円(全国加重平均)を示した。都道府県を経済実態に応じてA、B、Cの3ランクに分け、Aは41円、Bは40円、Cは39円を引き上げ額の目安とした。これにもとづいて、各都道府県労働局の審議会で議論され、8月18日までにそれぞれの引き上げ額が決まった。

新しい最低賃金は10月1日から14日にかけて順次適用される。

都道府県別の最低賃金額は?

2023年度の都道府県別の最低賃金額は以下の通り(かっこ内は前年の最低賃金額)。

北海道 960(920)
青森  898(853)
岩手 893(854)
宮城 923(883)
秋田 897(853)
山形 900(854)
福島 900(858)
茨城 953(911)
栃木 954(913)
群馬 935(895)
埼玉 1028(987)
千葉 1026(984)
東京 1113(1072)
神奈川 1112(1071)
新潟 931(890)
富山 948(908)
石川 933(891)
福井 931(888)
山梨 938(898)
長野 948(908)
岐阜 950(910)
静岡 984(944)
愛知 1027(986)
三重 973(933)
滋賀 967(927)
京都 1008(968)
大阪 1064(1023)
兵庫 1001(960)
奈良 936(896)
和歌山 929(889)
鳥取 900(854)
島根 904(857)
岡山 932(892)
広島 970(930)
山口 928(888)
徳島 896(855)
香川 918(878)
愛媛 897(853)
高知 897(853)
福岡 941(900)
佐賀 900(853)
長崎 898(853)
熊本 898(853)
大分 899(854)
宮崎 897(853)
鹿児島 897(853)
沖縄 896(853)
全国加重平均 1004(961)

最低賃金が最も高かったのは東京の1113円で、神奈川が1112円、大阪が1064円と続いた。1000円を超えたのは前年の3都府県から8都府県(東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉、京都、兵庫)に増えた。最も低かったのは岩手の893円だった。最高額と最低額の差は220円で、前年(219円)から1円広がったが、最高額に対する最低額の比率でみると80.2%となり、前年(79.6%)より改善した。

前年からの引き上げ額が最も高かったのは島根、佐賀の47円で、目安を7~8円上回った。山形と鳥取が46円、青森、長崎、熊本、大分が45円だった。最も低かったのは岩手の39円。地方を中心に24県で目安額を上回り、目安を下回った都道府県はなかった。

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