議会襲撃犯に敬礼 トランプ氏の行動が物議【米大統領選2024】

 【ワシントン共同】11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領が集会で、2021年の議会襲撃事件で有罪となり服役している支持者を「愛国者だ」とたたえ、敬礼したことが物議を醸している。自身も起訴された議会襲撃事件の史実を都合よく書き換えようとする試みだとして、AP通信が20日までに批判的に報じた。

集会に出席したトランプ前大統領=16日、米オハイオ州(ゲッティ=共同)
集会に出席したトランプ前大統領=16日、米オハイオ州(ゲッティ=共同)

 トランプ氏は自身が敗北した20年大統領選で不正があったとする陰謀論を信じる共和党保守派の票固めを狙うが、事件を問題視する共和党穏健派や無党派の支持離れが進む可能性がありそうだ。
 中西部オハイオ州で16日に開かれた集会で「議会襲撃でひどく不当に扱われた人質のために、ご起立ください」とナレーションが流れ、「米国を再び偉大に」のスローガンが書かれた赤い帽子をかぶったトランプ氏は右手で敬礼した。
 トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「次期大統領として私が最初にすることは議会襲撃で不当に収監された人質を解放することだ」と表明。政権に復帰すれば服役している支持者に恩赦を与える考えを示唆した。
 議会襲撃事件は21年1月6日に発生。トランプ氏の支持者らが20年11月の大統領選でのバイデン氏当選を認定する議事を妨害しようとして、ワシントンの連邦議会議事堂に乱入し、警察官1人を含む5人が死亡した。「トランプの軍隊」を自負する極右組織プラウド・ボーイズの幹部ら1300人以上が訴追された。

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