2024.04.24

タクシー運転手はきついと言われる理由!タクシードライバーに対する6つのイメージの実態を解説

タクシー運転手はきついと言われる理由!6つのイメージの実態を解説

「長時間運転し続けなければならない」「休みが取れにくい」「深夜まで働く」など、なんとなくきついイメージを持たれることがあるタクシー運転手の仕事。運転が好きで、タクシー運転手として働いてみたいと思っても、そのイメージに不安を感じている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、タクシー運転手に抱きがちなイメージの実態を解説していきます。また、タクシー運転手に向いている人、あまり向いていない人の特徴もご紹介しますので、タクシー運転手になるか迷っている人は是非参考にしてください。

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目次

タクシー運転手の仕事内容

タクシー運転手の基本的な仕事は、お客さまをタクシーに乗せて目的地まで送り届けることです。お客さまを安全に送り届けるために、運転技術や地理の知識を身に着ける必要があります。

運転のほかにも、ガソリンの給油や車両の点検、車内清掃、常務記録などを行うのも仕事の一環です。さらに、タクシー運転手は接客業のため、お客さまとの適切なコミュニケーションもタクシー運転手の大切な仕事です。お客さまに快適に過ごしてもらうために、会話力や気遣い力が欠かせません。

タクシー運転手の仕事、「きつい」というイメージがありませんか?

タクシー運転手の仕事に対して、漠然と「きつい」というイメージを持っている人も多いかもしれません。具体的によく持たれるイメージとしては、以下の6点が挙げられます。

タクシー運転手の仕事への「きつい」というイメージ6つ 図

これはあくまでもイメージであり、事実とは異なる部分もあります。実際のところはどうなのか、ここからはタクシー運転手に関する6つのイメージの実態について解説していきます!

【イメージ1】タクシー運転手はドライバー経験がないときつそう

運転は好きだけど、ドライバーとしての経験がなければタクシー運転手になることは難しいのでは?というイメージを持っている人や、お客さまを乗せて送り届けるタクシー運転手の仕事が未経験からでも務まるのか不安といった気持ちがある人も多いかもしれません。

実際、タクシー運転手はドライバー経験がないと厳しいのでしょうか?

タクシー運転手の70%がドライバー未経験からスタートしている!

タクシー運転手の70%がドライバー未経験からスタートしている!タクシー運転手は未経験からでもスタートしやすい!

実は、現在タクシー運転手として働いている人の70%が未経験からスタートしています。ほとんどの人が未経験から活躍していることを考えると、タクシー運転手はドライバー経験がなくてもスタートできる仕事です。

初めのうちは効率よくお客さまをひろって送り届ける流れや、道選びに迷ったりすることがあるかもしれませんが、経験を積んでいくうちに慣れていくでしょう。

研修制度・サポートが充実しているタクシー会社を選ぶとよい

どうしても未経験で働くことに不安を感じる場合は、入社後のバックアップがしっかりしている会社を選ぶと良いでしょう。地理に関する勉強や路上での運転教習、無線の使い方など、基本的なタクシー運転手に必要な技術は一通り研修で身に付けることができます。

なかには、タクシー運転手になるために必要な普通自動車第二種運転免許取得の取得費用や知識のインプットを支援してくれる会社もあるため、未経験からタクシー運転手を目指す場合には、はじめのタクシー会社選びが重要です。

【イメージ2】タクシー運転手は労働時間が長くて心身共にきつそう

タクシー運転手は、長時間労働がきつそうというイメージも多く持たれます。「狭い運転席に座りっぱなし」「運転し続けて腰が痛そう」「深夜の運転は眠くなりそう」など、労働時間や働く時間帯について心配に感じる人も多いでしょう。

タクシー運転手の労働時間は本当に長いのか?きついのか?について解説します。

タクシー運転手は働き方によって1回の労働時間が異なる

タクシー運転手の働き方は、基本的に以下の3つに分けられます。

  • ●昼日勤:朝から夕方までの8時間勤務
  • ●夜日勤:夕方から翌深夜までの8時間勤務
  • ●隔日(かくじつ)日勤:朝から翌深夜までの17時間勤務

タクシー運転手の働き方は3パターン 昼日勤 夜日勤 隔日勤務

それぞれの働き方で、一回の労働時間、もしくは働く時間帯に違いがあります。働き方は務めるタクシー会社によって選べる場合もあれば、求人募集時にすでに決まっている場合もあります。

「隔日(かくじつ)勤務」は1回の拘束時間が17時間程度と長い

「タクシー運転手は労働時間が長くて心身共にきつそう」というイメージは、おもにこの隔日勤務に向けたイメージだと考えられます。隔日勤務は、早朝から翌深夜までの17時間ほどを1回の勤務とする働き方です。

働く時間が長く懸念されがちな勤務ですが、隔日勤務は「1日おきに働く」ため、しっかり休みを確保できるのが特徴です。1か月単位で見ると、実は月の半分以上が実質休日です。

最近では、働き方改革で終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル」の導入努力義務が決定したり、一定時刻以降の残業を禁止したりするなどのルールも動き始めています。たしかに1回の勤務時間が長いため「きつい」と感じることもあるかもしれませんが、制度改正により徐々に働きやすい勤務スタイルになってきています。

参考:タクシー・ハイヤー運転手の労働時間等の改善基準のポイント

隔日勤務は勤務時間が長すぎてきつそう…と感じるなら「昼日勤」がおすすめ

「深夜帯に働くと体を壊すかもしれない」「家庭との両立ができない…」という人は、昼日勤がおすすめです。昼日勤と夜日勤は1回の勤務時間は8時間と同じですが、働く時間帯に違いがあります。

昼日勤なら、一般的な会社員と同じ勤務時間なので、心身への負担を軽減することで、長く働き続けられるでしょう。家族との時間を優先したい、心身にあまり負担をかけたくないなら、昼日勤で勤務できるタクシー会社を選ぶようにしましょう。

長時間座りっぱなしなので体力的に・精神的にきついと感じる人も…

働く時間を調整できたとしても、狭い運転席に座りっぱなしという状況は変えられません。3つの勤務スタイルのなかでも比較的負担の少ない昼勤務でも、休憩1時間以外は長時間座ったままです。そのため、自身で負担を軽減する工夫を施すことが必要です。

体力的にきついと感じるポイント

基本座っている仕事のため、首や腰が痛くなることがあるかもしれません。シートの角度や座り方に注意したり、こまめな休憩で体への負担を軽減したり、日頃から身体を労わることが大切です。

精神的にきついと感じるポイント

タクシー運転手は、大切なお客さまを乗せて運転します。そのため、事故を起こしてはいけないというプレッシャーから、精神的にきついと感じてしまうことがあるかもしれません。

常に気を張っていると疲れてしまいますが、お客さまが乗っていない間の車内はプライベートな空間です。お客さまを乗せていないときは、自分の好きな音楽やラジオを流して、少しでもリラックスできるようにすると良いでしょう。

【イメージ3】タクシー運転手は休みが取りにくそう

タクシー運転手は休みが取りにくそう、というのもよく抱かれるイメージのひとつです。これは、労働時間の長さと同じく、深夜まで働く姿から感じるイメージかもしれません。しかし、タクシー運転手の拘束時間は決まっており、実態はイメージと異なる部分があります。

タクシー運転手は1か月の拘束時間が決まっているからしっかり休める

働き方改革関連法にあわせ、過重労働を防止するためにタクシー運転手の1か月の拘束時間は決められています。拘束時間とは、労働時間と休憩時間の合計時間、つまりは始業時刻から終業時刻までのすべての時間のことです。

日勤は288時間以内、隔日勤務は262時間以内と、それぞれの働き方によって定められた時間を超えないように調整するため、十分な休みの時間が取れない…ということはあまりないと言えます。

参考:タクシー・ハイヤー運転手の労働時間等の改善基準のポイント

タクシー運転手はほかのドライバーの仕事よりも残業時間が少なめ

政府統計によると、タクシー運転手の残業は21時間(企業規模100~999人の場合)です。同分野の営業用バス運転者の残業は39時間、営業用大型貨物自動車運転者は45時間で、タクシー運転手の残業時間はほかのドライバーより少なくなっています。

また、時間外労働の上限規制の導入が始まるため、これからより一層休める時間が増えることが期待できます。

参考:厚生労働省 ハイヤー・タクシー業における働き方改革について

隔日勤務の場合は明け番+有給取得で2日連続休める

1回の勤務時間が長い代わりに、勤務終了後は9~11時間の「明け番」という休息日に入ります。そこでほぼ1日休むことができますが、さらに次の日に公休(有給)を当てれば2日連続で休めることになります。

1か月で考えると月の半分以上が休みになる計算になるので、「休みが取りにくい」というイメージとは大きく異なり、思ったよりも休みが多いのがタクシー運転手の特徴です。

【イメージ4】タクシー運転手は給与が低くそう

「タクシー運転手は給料が低そう」というイメージを持つ人も多いようです。タクシー運転手は歩合制であることが多く、慣れないうちは稼ぎにくいと考える人もいるのかもしれません。

タクシー運転手の平均収入はほかの業種と比べて低いのでしょうか?

タクシー運転手の平均収入とほかのドライバーとの差

全国ハイヤー・タクシー連合会によると、令和3年のタクシー運転手の平均収入は約280万円です。同分類のドライバーとの収入差は以下のとおりです。

  • ●営業用大型貨物自動車運転者(男)…約464万円/収入差約184万円
  • ●営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)(男)…約433万/収入差約153万円
  • ●バス運転者(男)…約405万/収入差約125万円

たしかに、タクシー運転手の収入は高いとは言えないようです。ですが、東京都は約347万円、大阪府約364万円であることから、働く地域によってはほかの業種と同じくらいの収入が得られるでしょう。

安定して稼ぎたいなら「固定給」、頑張った分だけ給与に反映されたいなら「歩合制」、ある程度の収入を保証してもらいつつやりがいを感じたいなら「基本給+歩合制」など、自分に合った働き方を選びましょう。

なかには年収1,000万ドライバーも!コツをつかむと稼ぎやすい

歩合制の場合は、平均収入を大きく超えて稼ぐドライバーも。なかには年収1000万円の強者もおり、タクシー運転手は努力が反映される夢のある仕事といえます。お客さまを絶え間なく乗車させ、空車の時間を減らすことが収入アップのカギで、コツをつかむと稼ぎやすくなるかもしれません。

  • ●渋滞情報を網羅しムダな時間を省く
  • ●お客さまを降ろした場所のすぐ近くで次のお客さまを乗せる
  • ●タクシーを探している人が多い通りを把握する
  • ●心地よい接客で常連客を確保する

接待や出張で頻繁にタクシーを使用するサラリーマンなど、顧客をつけることも収入アップにつながります。

【イメージ5】タクシー運転手はお客さまとのトラブルが多そう

タクシー運転手を目指す人が懸念しがちなのが、お客さまとのトラブルです。とくに深夜帯に働くとお酒を飲んでいるお客さまを送り届けることも多いため、不安に感じる人も多いかもしれません。

しかし、タクシー会社では万が一のトラブルに備え、さまざまな対策をしています。

最近では防犯対策がしっかりとられていることが多い

企業にもよりますが、最近のタクシーにはドライブレコーダー・防犯仕切版・防犯カメラ・GPS機能などが搭載されています。事故の瞬間やお客さまとの会話を記録することで、万が一トラブルに巻き込まれてしまった際には、事故の瞬間やお客さまとのやりとりを後で確認することができます。

防犯対策の徹底が女性ドライバーの働きやすさにもつながっている!

男性のイメージが強いタクシー運転手の仕事ですが、女性乗務員が増加傾向にあります。平成の最初と比べると、その数は約2倍に!

女性ドライバーが増えた理由はさまざまですが、一つの理由として防犯対策の徹底が進んでいることが挙げられます。働く時間帯を選ぶことで、お酒に酔っていて対応が難しいお客さまを極力避けることも可能です。

【イメージ6】タクシー運転手の需要が今後なくなりそう

タクシー運転手になることを検討している人のなかには、今から入社・転職したとしても将来タクシー運転手の需要はあるのかが気になる人もいるのではないでしょうか。

実際、タクシー運転手は今後も需要が継続する仕事なのでしょうか。

タクシー運転手の需要は増加している!

タクシー運転手の需要増加の要因のひとつは、超高齢化社会です。免許返納に伴い、移動手段にタクシーを利用するお客さまが増えることが考えられます。

また、新型コロナウイルスの流行が少し落ち着いたことから、外国人観光客の増加でタクシー利用者が増えたり、飲み会が開かれることが増えて深夜帯に自宅までタクシーを使う人が増えたりすることもタクシー需要に影響しているといえるでしょう。

観光タクシーや介護タクシーなどの専門タクシーも需要が増えている

最近は、多くの専門タクシーが普及しています。たとえば、高齢者や障がい者の送迎を行う「介護タクシー」、観光客に付き添いながら観光名所を案内する「観光タクシー」、乳幼児の子育てに便利な「育児支援タクシー」など、その種類はさまざまです。

まずは一般的なタクシー運転手を経験して、第二のキャリアとして専門タクシーに移行するパターンもあるようです。自身の強みを活かせるのであれば、やりがいも大きくなりますね。

タクシー運転手に向いている人・向いていない人の特徴

ここからは、タクシ―運転手への就職・転職を考えている人に向けて「タクシー運転手に向いている人」「あまり向いていない人」の特徴をご紹介します。

タクシー運転手に向いている人

  • ●運転が好きな人・うまい人
  • ●集中力・忍耐力のある人
  • ●相手の気持ちを深く読み取れる人
  • ●コミュニケーション能力の高い人
  • ●気配り上手な人
  • ●しっかり自己管理ができる人

タクシー運転手には、運転に対する高いモチベーションや、お客さまへ快適な空間を提供するスキルが求められます。また、基本的に一人で業務を遂行するため、自己管理ができる人に向いている仕事といえるでしょう。

タクシー運転手にあまり向いていない人

  • ●運転があまり好きではない人
  • ●注意力散漫な人
  • ●一人で過ごすことに苦痛を感じる人
  • ●極度に人に気を遣いすぎてしまう人
  • ●ひどく怒りっぽい人

タクシー運転手は、安全運転が1番の仕事です。注意力散漫で怒りっぽい人は、運転に悪影響が出る恐れがあります。また、基本的には1対1での関わりが多いため、お客さまの言動に気を遣いすぎてしまうメンタルの弱い人はストレスが溜まるかもしれません。

しかし、上記の項目に当てはまる部分があるからといって、タクシー運転手になれないわけではありません。運転、接客に関しては、手厚い研修を設けている企業も多くあるため安心してくださいね。

タクシー運転手のやりがいは?楽しいと感じる瞬間!

長時間の運転など、きつい仕事と思われるタクシー運転手の仕事ですが、その分やりがいもたくさんあります。慣れるまでは大変かもしれませんが、働くうちに運転技術の向上や歩合での給料アップも期待できます。

また、お客さまとの出会いもタクシー運転手ならではのやりがいです。降車時の感謝の言葉や、常連客としてのリピート依頼…。たくさんの人との出会いは、タクシー運転手としての活力になるはずです。

同じ地区を運転しているうちに、周辺のお店に詳しくなるのもうれしいポイント!お客さまとお気に入りのお店の情報を交換するのも良いですね。休憩時間に「今日はどこのお店でご飯を食べようか?」「新しく見つけたお店に寄ってみよう」などと考える楽しみも。大変さと比例して、やりがいもいっぱいのタクシー運転手です。

まとめ

「きつい」「大変」といったイメージが持たれがちなタクシー運転手ですが、ご紹介したように実態とは異なる部分もあり、働きやすい仕事である一面も見られました。とくに勤務時間や休息については、働き方改革の影響もあり、働くことへの負担は軽減されつつあるようです。

タクシー運転手として長く働き続けられるよう、うまく休憩を挟んだり、気分転換したりしながら続けていく必要があります。タクシー運転手はやりがいも多く、高収入をゲットできる可能性もある夢のある仕事です。気になる人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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