2023.10.19

トラック運転手はきつい?就職・転職時のイメージと実態のギャップを徹底調査!

トラック運転手はきつい?イメージと実態のギャップを徹底調査!

トラック運転手は「きつい」という漠然としたイメージを持っていませんか?そのようなイメージから、運送業への転職を考えているけれど応募に踏み切れずにいる人もいるかもしれません。

この記事では、トラック運転手に対して持たれている「きつい」というイメージが実際はどうなのかについて解説していきます。

気になる労働時間の長さや休みの取りやすさ、年収などについて取り上げていくので、トラック運転手になることを検討している方はぜひ参考にしてください!

トラック運転手の仕事は「きつい」というイメージを持たれがち

トラック運転手の仕事は漠然と「きつい」というイメージを持たれることの多い仕事です。よく挙げられるイメージをピックアップして紹介します。

  • 【イメージ1】長時間の運転がきつそう
  • 【イメージ2】深夜・早朝の勤務がきつそう
  • 【イメージ3】残業(時間外労働)が多くてきつそう
  • 【イメージ4】休み(休日)が取りづらくてきつそう
  • 【イメージ5】給料が低くてきつそう
  • 【イメージ6】荷物の積み下ろしが体力的にきつそう
  • 【イメージ7】配送のノルマがあってきつそう

これらのイメージについて、実態はどうなのか以降のセクションで解説していきます。

【イメージ1】長時間の運転がきつそう

トラック運転手は運転する時間が勤務中のほとんどを占めるため、長時間運転席に座りっぱなしの姿勢は腰に負担をかけやすく、肉体的にきついと感じることがあります。

また、長い時間集中して運転する必要があるため、事故のリスクや渋滞のストレスにより精神的にもつらいと感じる人がいるようです。

【イメージ2】深夜・早朝の勤務がきつそう

トラック運転手は「昼夜問わずトラックを運転している」というイメージがある方もいるかもしれません。実際はどうなのか見ていきましょう。

夜勤の働き方は人によってはきつい

運送会社や輸送する荷物の種類によっては、深夜や早朝に貨物を輸送する夜勤を担当する場合があります。

夜勤の場合は、睡眠時間が不規則になり生活リズムが崩れやすく、働き方のスタイルが合わない場合には身体を壊してしまう可能性もあります。

また、夜勤だと家族と一緒に過ごせる時間が少なくなることもあるため、生活のバランスを取るのが難しいのも「きつい」と言われる要因でしょう。

実は夜勤にはこんなメリットがある

夜勤という働き方はデメリットばかりではなく、人によってはメリットに感じられるポイントもあります。

例えば、夜22時から翌朝5時まで勤務した場合、一般的に25%増しの深夜労働手当が支給されるケースが多いため、日勤よりも稼ぎやすいといわれています。

退勤後は、昼間の時間を自由に使うことも出来るので、有休を使わずに日中を有意義に過ごせるのも人によってはメリットと感じる点でしょう。

また、夜間は交通量が少なくストレスフリーで運転できることが多いです。ただし、夜間は視界が悪く、運転が難しくなることもあるため高い集中力は必要です。

【イメージ3】残業(時間外労働)が多くてきつそう

経済産業省によると、令和3年の全産業とトラック運転手の年間労働時間は以下の通りです。

全産業の年間労働時間 2,112時間
大型トラック運転手の年間労働時間 2,544時間(全産業との差は+432時間
中小型トラック運転手の年間労働時間 2,484時間(全産業との差は+372時間

全産業と比較してトラック運転手は年間の労働時間が確かに長めなので、実際に働いてみたら「きつい」と感じることがあるかもしれません。

特に、今まで運送業には残業時間の上限がなかったため、宿泊を伴う長距離ドライバーは特に残業時間が長くなりがちで「きつい」というイメージを持たれていました。

しかし、2024年4月からは運送業における残業時間は年間960時間まで上限が設けられることになりました。違反企業には罰則が科されるため、この残業規制は強制力を持つものとなり、残業が減少する見込みです。

※参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/002_03_00.pdf

【イメージ4】休み(休日)が取りづらくてきつそう

トラック運転手は忙しく、休日が取りにくいというイメージがあるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。

トラック運転手の休日の決まり

トラック運転手の休日には以下の規則があります。

  • 休日は「休息期間+24時間の連続した時間」
  • 休息期間は原則8時間以上

つまり、休日は「 8時間+24時間=32時間以上」の連続した時間が必要

トラック運転手の休日のルール 終業後~次の勤務開始まで32時間以上空ける

トラック運転手の休日パターンは運送会社によって異なりますが、以下の3パターンを採用している場合があります。

  • 週休1日制...1週間に1日休日がある
  • 週休2日制...1週間に2回休日がある(土日とは限らない)
  • 完全週休2日制...毎週土曜日・日曜日の2日が休日

※参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000510277.pdf

トラック運転手は週2回休める?

運送業界は物流の需要増加や人手不足も影響し、「週休1日制」を取り入れている運送会社もあります。

運転するトラックの種類が大型になるほど輸送距離も長くなる傾向にあり、特に大型トラックの長距離ドライバーの場合は休みが取りにくいと言われています。一度出発すると1週間くらい自宅に帰れないこともあるため、不規則な休みの取り方になってしまい、きついと感じる人もいるかもしれません。

厚生労働省令和4年の運輸業・郵便業の週休制の状況によると、

週休1日制または1日半制を取り入れている 28.2%
週休2日制を取り入れている 48.1%
完全週休2日制を取り入れている 20.5%

となっているので、7割近くが週に2回休むことはできる状態ですが、土日に連続して休めている人は2割と少ないようです。

勤務時間・勤務曜日が固定されていない「シフト制」の場合は、休日の取得も不規則になるため、土日に休めるとは限りません。

特に、コンビニや食料品・スーパーなど、消費者の生活に関連する貨物の輸送を担当する場合に土日連続で休みを取るのは難しいかもしれません。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/indexyr_d.html

トラック運転手は年末年始休みが取れる?

年末年始休暇に関しても、運送会社によって異なります。

企業向けの運送会社であれば、年末に貨物の受付を締め切り、お正月も休業していることがあります。この場合は、比較的年末年始は休みを取りやすいでしょう。

一方、スーパーやコンビニなど一般消費者向けの貨物を担当している運送会社では、元旦からの営業や年中無休のサービスを提供している場合が多く、年末年始も通常通りの配送が求められるため、年末年始に休日を取得することが難しいこともあります。

このように、トラック運転手の休日は多岐にわたります。「土日に休みたい」「年末年始に休みたい」という希望がある場合には、その条件に合った運送会社を探してみることをおすすめします。

【イメージ5】給料が低くてきつそう

運送業界におけるトラックドライバーの給与は、一般的には全産業平均よりも低い傾向にあります。

令和3年時点でのトラック運転手の平均年収は以下の通りです。

小・中型トラック 約431万円
大型トラック 約463万円

※参考:https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/work

これを全産業平均の489万円と比較すると、確かに低い水準であることがわかります。

しかし、物流業界は今、大きな変化の最中にあります。2024年に改正されるトラック運転手の改善基準告示により、物流の労働力不足が深刻化すると予測されています。

この問題を解決するために、業界全体で新しい働き手を確保し、現場で活躍するトラック運転手が業界から離れないようにする取り組みが進められています。

人手不足の解消と、運転手がより働きやすい環境を実現するために、企業は給与の改善や待遇の向上に取り組む方針を打ち出している場合が多く、今後は給与が上昇する可能性があるかもしれません。

【イメージ6】荷物の積み下ろしがきつそう

トラック運転手は、貨物を輸送する前後に貨物をトラックに積み込んだり、輸送した貨物を積み下ろしたりする作業も仕事内容の一つです。

大型トラック運転手の場合は、輸送する貨物が人の手では持てないほどの重さであることが多いため、フォークリフトやクレーンなどの機械を使って貨物の積み込み・積み下ろしを行うのが基本です。

一方で、小型~中型トラック運転手の場合、人の手で運べる程度の大きさ・重さの貨物を輸送することが多いです。この場合は、トラック運転手が一つずつ貨物を積み込み・積み下ろしする必要があるため、かなり体力を使う作業となります。

1日に複数回の積み込み・積み下ろし作業が発生することもあるので、予想以上に体力を消耗し「きつい」と感じる人も多いようです。そのため、トラック運転手は体力に自信のある人に向いています。

【イメージ7】配送のノルマがあってきつそう

トラック運転手の仕事は「貨物を目的地まで輸送すること」ですが、「決められた時間までに貨物を輸送する」必要があります。

決められたルートを回って貨物を輸送する「ルート配送」の場合は、配送個数のノルマがあるわけではありませんが、指定の時間までに貨物を届けることができるように計画を立ててトラックを運転しなければなりません。

事故や天気の状況による渋滞によって貨物の到着時間が遅れた、という理由があっても、荷主の都合にとって遅延は問題になります。先を見越した輸送スケジュールをこなすために、状況を判断し、法定速度を守りながらも時間通りに輸送しなければならない点が「きつい」と感じる人もいるでしょう。

運転するトラックの大きさできつさが変わる?

トラックの種類による違い

トラックは、小型・中型・大型の3種類に分けられ、大きさによって貨物の量や輸送する距離が変わります。

大型トラック運転手は、一般的に長距離の輸送を担当することが多くなり、500km以上の距離を一度に運転することも珍しくありません。これにより、家に帰れない日が続く場合があり、車中での宿泊が必要となることもあります。

さらに、大型トラックの長距離ドライバーの場合は、輸送距離が長い分残業時間も伸びやすい傾向にあります。

このように、大型トラック運転手の方が比較的労働時間が長く、小型・中型よりも長時間運転することになるため、生活も不規則になり「きつい」と感じることが多いです。

きつくても大型トラックの運転手を選ぶメリット

大型トラックは確かに小型・中型トラックよりも「きつい」と感じる点が多いかもしれませんが、その代わり年収は高くなります。

上記でも解説した通り、小型・中型トラック運転手と大型トラック運転手とでは、平均年収に約30万円ほどの違いがあります。少しでも多く稼ぎたい人は、大型トラック運転手の道も検討してみてください。

また、大型トラックを運転するには「大型免許」の取得が必要になります。人手不足の中、大量の貨物を長距離運転できる大型トラック運転手は特に重宝されるため、小・中型ドライバー経験者のNEXTステップとして、大型トラック運転手になることを考えてみるのも良いでしょう。

きつそう…と思った人は軽貨物配送・小型トラック運転手からスタート

大型トラック運転手はきつそうと感じた方や、ドライバー未経験の方は、まずは輸送距離が短く、大型免許を取得している必要がない軽貨物配送・小型トラック運転手から挑戦してみるのがおすすめです。

軽貨物配送・小型トラック運転手は、大型トラックよりも短距離で輸送するのが基本で、毎日家に帰ることができます。

また、大型トラックの運転は車体が大きく、高度な運転技術が求められるため、ドライバー未経験の初心者には難しいかもしれません。軽貨物配送や小型トラック運転手としてスタートすることでトラックの運転に少しずつ慣れていけるでしょう。

いきなり頑張って大型免許を取っても、もし環境的に合わないと感じてすぐやめてしまうのはもったいないため、まずは軽貨物配送や小型トラック運転手として働くことで物流業界や運送会社の職場環境を把握し、自分に続けられそうか判断してから大型トラック運転手の道を検討してみると良いです。

運転好きには楽な仕事?1人の時間を十分に楽しめるトラック運転手の魅力

確かに「きつい」と言われるトラック運転手ですが、運転が好きな人や、一人の時間を大切にしたい人にとって、魅力的な職種の一つです。

トラック運転手は貨物を輸送するのが主な仕事内容なので、車内では基本1人の時間を過ごすことができます。仕事での人付き合いや人間関係にあまり悩みたくない、という人にとってはぴったりの仕事と言えるでしょう。

音楽やラジオを聴いたり、考え事をしたり、輸送途中の休憩でご当地のグルメを楽しんだり、各々の時間を楽しむことができるのは、人によっては働きやすい環境です。

まとめ

トラック運転手の仕事は、確かに長時間の運転や厳しいスケジュールなどにおいて「きつい」と言われている点があります。

しかし、トラック運転手の仕事は、一人で集中して仕事をしたい人や、人間関係のストレスから解放されたい人にとって非常に魅力的な職種です。

輸送する貨物の種類や輸送距離によって、休み方や働く時間帯、給与が変わってくる場合があるので、自分が希望する条件に合った運送会社を選んでみましょう。

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