2024.02.19

「お心遣い」の意味とは?ビジネスメールやお礼状で使える感謝の気持ちを伝える例文を紹介

「お心遣い」の意味とは?ビジネスメールやお礼状で使える感謝の気持ちを伝える例文を紹介

「お心遣いありがとうございます」「お心遣いに感謝申し上げます」といったお礼の定型文は、ビジネスメールや普段の会話の中でよく使われますが、「お心遣い」とは何でしょうか。

相手に感謝の気持ちを伝えたいときや、お礼のビジネスメールを送るときに「お心遣い」の意味と使い方を知っておくと便利です。この記事では「お心遣い」の意味と正しい使い方を例文付きでご紹介します。

「お心遣い」は目上の人に使える表現なのか、どんなシーンで使うのかなどについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「お心遣い」とは?

「お心遣いありがとうございます」というフレーズは、誰かにお礼を言うときに日常生活やビジネスシーンでよく使われますよね。

まずは「お心遣い」の意味と、似ている表現「お気遣い」との違いを解説します。

「お心遣い」の意味

「心遣い(こころづかい)」とは「あれこれと気を配ること」です。

相手の気持ちを思いやり、細かいことまで気を配り、対応する態度や行動を指します。

「お心遣い」は「心遣い」に「お」をつけた尊敬語です。自分に対して何かしらの配慮をしてくれた相手に敬意を払う表現なので、目上の人にも使えますよ。

ビジネスシーンで職場の上司から何かしらの配慮をしてもらったときに「お心遣いありがとうございます」と一言伝えるとよいでしょう。

「お心遣い」と「お気遣い」の違い

「お心遣い」と似た表現で「お気遣い」という言葉があります。どちらも同じ意味として捉えられがちですが、漢字から読み取れるそれぞれの意味を読み解くと違いがよくわかります。

お心遣い
(おこころづかい)
「心」をつかうこと
⇒思いやりをもって相手に心を配る
お気遣い
(おきづかい)
「気」をつかうこと
⇒意識的に神経を使って相手に気を配る

「お心遣い」は、相手に対して行う心からの配慮や気配りを指します。

相手の立場や感情を深く考慮し、その人が本当に必要としているものや、喜ぶであろう行動を心から行う態度を強調しています。

一方で「お気遣い」は、相手に対する配慮や気配りの行動を示しつつも、必ずしも個人の深い感情からではなく、社会的なマナーや礼儀としての側面が強いことがあります。

相手を不快にさせないため、または社交的な場面で良好な関係を保つために行われる行動を指すことが多いです。

「お心遣い」と「お気遣い」の違いがわかる例文

<お心遣い>
友人が風邪を引いていることを知り、自宅に手作りのスープを届ける。

⇒友人の体調不良を心配し、少しでも早くよくなってほしいという気持ちによる行動

<お気遣い>
友人が風邪をひいていることを知り「お大事に」とチャットで連絡する。

⇒一般的なマナーの範囲で相手に気を配る行動

「お心遣い」は、気遣いを超えた相手への思いやりの気持ちが込められている行動です。

微妙な違いを理解しておくと、そのときの状況にマッチした表現を使いこなせますよ。

「お心遣い」を使った感謝の気持ちを述べるフレーズ

普段のコミュニケーションやビジネスメールで使える「お心遣い」を使ったフレーズをいくつかご紹介します。

「お心遣いありがとうございます」
「お心遣いをいただきありがとうございます」

相手が自分に対して思いやりを持って何かしら行動してくれたり、態度を示してくれたりしたときのお礼として、よく使われるフレーズです。

「お心遣い感謝いたします」
「お心遣いに感謝申し上げます」

「お心遣いありがとうございます」と同様の意味で使います。「感謝いたします」「感謝申し上げます」は相手を立てる尊敬語なので、目上の人に使うときや、ビジネスメールでも使いやすいフレーズです。

「お心遣い痛み入ります」

「痛み入ります」とは、相手に対して敬意を示して深い感謝や謙虚な気持ちを表すときに使う言葉です。「心が痛むほど/苦しいほど深く感謝している」という強い思いを伝えるときに使います。

【関連】「痛み入ります」の意味とは?例文や言い換え表現、返答など、ビジネスにも活かせる使い方を解説!

「お心遣い」の正しい使い方を例文でご紹介!

「お心遣い」という言葉を使った例文を、いくつかのシチュエーションに分けてご紹介します。

メールでお礼を伝える際に使える例文付きなので、誰かに感謝の気持ちを伝えたいときにぜひ活用してみてくださいね。

プレゼントをもらったときのお礼

お中元・お歳暮を贈られたとき

上司や親戚など目上の人からお中元やお歳暮が届いたときは、以下のようにお礼を伝えましょう。

<例文>
このたびはご丁寧にお中元(お歳暮)の品をいただきまして、誠にありがとうございます。いつも細やかなお心遣いに感謝申し上げます。

上記の例文に加え、メールでお礼を伝える時期に合わせて相手の体調を気遣う一言を添えるとさらによいですよ。

手土産をもらったとき

取引先から手土産を受け取ったときにも「お心遣い」を使って感謝の気持ちを伝えられます。

<例文>
本日はお忙しいところ弊社までご足労いただきありがとうございました。また、お土産まで頂戴しまして、〇〇様のお心遣いに大変感謝しております。

早速ながら、社内のスタッフでおいしくいただきました。

手土産のお礼は、受け取った当日か翌日までに伝えるようにしましょう。

また、相手の心遣いに対する感謝の気持ちに加え、いただいたお土産への感想を一言述べると温かみのあるメールになりますよ。

引っ越し祝いをもらったとき

引っ越し祝いや新築祝いが自宅に届いたときは、以下のようにお礼を伝えるとよいでしょう。

<例文>
このたびは、引っ越し祝いとしてすてきな贈り物をいただき、ありがとうございます。いただいた[贈り物の具体的な内容]は新居にぴったりで、早速使わせていただいております。

改めて、心温まるお祝いとお心遣いに深く感謝申し上げます。
近いうちに、新居にてお礼の気持ちを直接お伝えできる日を楽しみにしております。

いただいた贈り物に対する感想を添えたり、自宅に招いて改めて感謝の気持ちを伝えたいということをメールに書いたりすると相手に寄り添った文章になります。

お祝儀やお香典などお金をもらったときのお礼

「心遣い」は、お祝儀やお香典などの「お金」を間接的に表現するときにも使えます。

メールで「お金」と直接的に書きたくないけれど、お礼を伝えたいときに便利な言葉です。お礼状を書く時の参考にしてください。

結婚式のお祝儀に対するお礼

<例文>
この度は、私たちの結婚式に際し、過分なお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。

お忙しい中、私たちのために特別な時間を作っていただき、さらにはご厚意を示していただき、心から感謝しております。

「過分なお心遣い」は、相手がしてくれた配慮に対して深く感謝しているときに使えるフレーズです。自分にはもったいないくらいの配慮をいただいたという謙遜の気持ちが背景に含まれています。

葬儀のお香典に対するお礼

<例文>
先日はお忙しい中[続柄+故人名]の葬儀にご参列いただき 誠にありがとうございました

また 過分なお心遣いを賜り 心より御礼申し上げます

お香典のお礼メールには「句読点」を使わないのが一般的です。メールで送るときはお香典のメールのマナーに沿って、相手に失礼のないように注意しましょう。

目上の人から受けた配慮に対するお礼

職場の上司が自分に対して励ましの言葉をかけてくれたときや、取引先が自社に対して配慮してくれたときに使える「お心遣い」を使ったお礼の例文をご紹介します。

上司からの配慮に対するお礼

仕事の相談に乗ってもらったときや、上司から励ましの言葉をもらったときは、以下のように「お心遣い」を使って感謝の気持ちを述べましょう。

<例文>
励ましのお言葉を賜り、誠にありがとうございました。〇〇さんのお心遣いに深く感謝しております。

これからもご指導のほど、よろしくお願いいたします。

取引先からの配慮に対するお礼

急な対応や申し出を依頼してしまったにもかかわらず、快く対応してもらったときには、以下のように深い感謝の気持ちを伝えましょう。

「お心遣い痛み入ります」は「お心遣いありがとうございます」よりももっとていねいで形式的な表現なので、ビジネスメール向けです。

<例文>
この度は急な申し出にも関わらず引き受けていただき、お心遣い痛み入ります。

相手からの申し出や誘いをお断りするとき

取引先からの申し出や誘いを断るときは、少し心が痛みますよね。

こんなときにも「お心遣い」を使うことで、相手の申し出や誘いに対する感謝の気持ちを伝えつつも、ていねいに断ることができますよ。

取引先からの申し出を断るとき

<例文>
この度は、[具体的な申し出内容]につきまして、ご提案いただきありがとうございます。貴社からのお心遣い、大変ありがたく思っております。

しかし、残念ながら今回は[断る理由]のため、ご提案をお受けすることが難しい状況です。ご理解いただけますと幸いです。

今後とも変わらぬご協力とお付き合いをお願い申し上げます。

申し出や提案に対する感謝の気持ちを伝えたうえで、断る理由も伝えると相手が納得できる断りのメールを送ることができるでしょう。

お金の受け取りを断るとき

<例文>
せっかくのお心遣いですが、お気持ちだけありがたく頂戴させていただきます。

上記でも解説した通り「お金」を「お心遣い」という表現に言い換えられます。
「お気持ちだけありがたく頂戴させていただきます」は「ありがとうございます、ですが受け取れません」というニュアンスで使えるフレーズです。

「お心遣いありがとうございます」への返信で使えるフレーズ

「お心遣いありがとうございます」と言われたときは、以下のように返信・返答するとよいですよ。「恐れ多い」「恐縮です」といった意味合いで使います。

「とんでもございません。」
「とんでもないことでございます。」
「滅相もございません。」
「滅相もないことでございます。」

「滅相」の読み方は「めっそう」です。

【関連】「恐縮」の使い方完全ガイド!意味・使い方・言い換え表現を例文と併せて丁寧に解説

「お心遣い」を言い換えた類語表現

「お心遣い」と同じ意味で使える類語をいくつかご紹介します。それぞれの言葉の意味のニュアンスや使い方を理解して、正しく使い分けられるようにしましょう。

「心配り(こころくばり)」

「心配り」とは、相手の立場や感情を考えて細やかな配慮をすることです。「気配り」よりも相手の心に寄り添った行動のときに使われる言葉です。

<例文>
新入社員の私に対して、細かい業務の流れや社内のルールをていねいに教えてくださる〇〇さんの心配りに、深く感謝しています。

「ご配慮(ごはいりょ)」

「ご配慮いただきありがとうございます」は、「お心遣いありがとうございます」と同じように、相手が自分に対して何かしらの心配りをしてくれたことに感謝を伝えるフレーズです。

「お心遣い」よりも形式ばった表現になります。

<例文>
私の家庭の事情を考慮し、勤務時間にご配慮いただきありがとうございます。

ちなみに「ご深慮」という言葉もあります。「深慮」には、漢字の通り「深く考えをめぐらす」という意味があります。

相手の考えや思いを敬う言葉なので、併せて覚えておきましょう。

「ご厚情(ごこうじょう)」「ご芳情(ごほうじょう)」

「ご厚情」は、深い思いやりの心のことです。「ご芳情」も同じ意味を持っていますが「ご厚情」の方が一般的に使われています。

<例文>

  • 格別のご厚情を賜わり厚く御礼申し上げます。
  • 日頃からのご芳情に感謝いたします。

「ご厚意(ごこうい)」「ご厚志(ごこうし)」

「ご厚意」も「ご厚志」も「心遣い」と同様に、思いやりや親切心を表す言葉です。

「ご厚意」は、相手の気持ちや行為、金品を受け取ったときなど、幅広い思いやりの形に対して使えます。

一方で「ご厚志」は、金品を受け取ったときのみに感謝の気持ちを伝えるときに使える言葉なので、違いを覚えておきましょう。

<例文>

  • ご厚意に甘えさせていただき、明日から休職させていただくことになりました。
  • このたびは、ご厚志を賜りありがとうございました。

まとめ

「お心遣い」の意味と正しい使い方をご紹介しました。相手の思いやりや配慮に感謝する気持ちを伝えたいとき、何か物やお金をもらったときのお礼をするときなどに使える言葉として覚えておくとよいでしょう。

相手を敬う敬語表現なので、目上の人へのお礼や取引先へのビジネスメールにも使えますよ。言い換えの表現とセットで覚えて、さまざまなバリエーションで感謝の気持ちを伝えてみましょう!

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