職場のハイヒール「必要」な場合も 根本厚労相、強制規定を容認
仕事場で女性にハイヒールを義務づける服装規定の撤廃を求める運動が日本国内で支持を集めるなか、根本匠厚生労働相は5日、そうした規定は「必要」な場合もあるとの考えを示した。
共同通信などの報道によると、この日の衆議院厚労委員会で、企業が女性従業員にハイヒール着用を強いる服装規定の問題が取り上げられた。
尾辻かな子委員が「時代に合わない」と指摘。根本氏の考えをただした。
これを受け根本氏は、「社会通念に照らして、業務上必要かつ相当な範囲」であれば、そうした服装規定は受け入れられると答えた。
1万8800人の署名を提出
ハイヒール強制の服装規定をめぐっては、女優の石川優実さんが始めた抗議活動に、ソーシャルメディアなどで多くの支持が集まっている。
この活動は、#MeTooになぞらえて#KuToo(クーツー)と呼ばれている。「靴」と「苦痛」をもじったもので、ツイッターのハッシュタグとして使われている。
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Twitter の投稿の終わり, 1
インターネットでは1万8800人の署名が集まり、石川さんが4日、厚労省に提出した。
石川さんは、「このキャンペーンで社会の規範を変え、女性が男性のようにかかとの平らな靴を履いても無作法だと思われないようにしたい」と話す。
しかし、現在も国内の就職活動では、かかとの高い靴を履くことはほぼ「義務」と考えられているとされる。
イギリスやカナダでも問題に
イギリスでは2015年、職場でハイヒールを履くことを拒否したニコラ・ソープさんが帰宅を命じられ、社会問題となった。
ソープさんは人材派遣会社ポーティコに臨時採用され、ロンドンの金融会社PwC(プライスウォーターハウスクーパース)に受付職員として出社したところ、ハイヒールを履くよう指示された。ソープさんがこれを断ったところ、給与なしの帰宅を命じられたという。
これがメディアで報じられると、ポーティコ社は女性従業員たちが「平らな靴を履く」ことを直ちに認める声明を発表。ソープさんは、女性が職場でハイヒールの着用を強制されないよう法改正を求めるオンライン請願を始め、1万人以上の署名を集めた。
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2017年にはカナダ・ブリティッシュコロンビア州が、女性従業員にハイヒールを履くよう求める服装規定を廃止した。
同州政府は廃止の理由について、ハイヒールを履いた女性は滑ったり転んだりする危険性が高く、足や背中に悪影響が及ぶ恐れもあると説明した。