【米中間選挙】 共和党、下院は僅差で過半数獲得 4年ぶり多数党に
米中間選挙の連邦議会下院選で、野党・共和党が過半数の218議席を獲得し、4年ぶりに多数派に返り咲いた。米CBSニュースが16日夜、伝えた。
BBCがアメリカで提携する米CBSニュースによると、共和党は下院(定数435)で過半数の218議席~223議席を獲得する見通し。
与党・民主党に対して僅差での勝利となるが、今後2年間、ジョー・バイデン大統領の政策を阻止するには十分なものとなる。
一方、民主党は上院での過半数維持を確実としており、上下両院で支配党が異なる「ねじれ」が生じることとなる。
上下両院での主導権の奪還を目指していた共和党にとって、予想を下回る結果に終わった。
次の下院議長になる見通しの共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務はツイッターで、「共和党が正式に、国民の家(の過半数)をひっくり返した! アメリカ人は新しい方向へ向かう用意ができているし、下院の共和党はそれを実現する用意ができている」と、下院奪還を喜んだ。
15日には共和党の下院議員団が、次期下院議長選の共和党候補に下院トップのマカーシー院内総務を選出した。現在は民主党のナンシー・ペロシ氏が下院議長を務める。
下院議長選で正式に勝利するには、全議員435人の過半数218人の支持が必要。
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バイデン氏は16日夜、マカーシー氏に対し、共和党が下院で過半数を獲得したことについてエールを送った。
「先週申し上げたように、政治的な争いに終始するには、今後できることはあまりにたくさんある。アメリカ国民は、自分たちのために政治家が成果を出すことを期待している」と、バイデン氏は述べた。
「政治家が、自分たち国民にとって重要な問題に注力し、自分たち国民の生活を改善してくれることを望んでいる」
「そして私は共和党員だろうが民主党員だろうが、国民のための結果を出すために私と一緒に働いてくれる人となら、誰とでも働くつもりでいる」
連邦議会の上院(定数100)は、これまでに民主党が50議席、共和党が49議席を獲得。上院議長を兼ねるカマラ・ハリス副大統領(民主党)が1票を持つため、民主党の多数維持が確定している。民主党と共和党の上院候補の結果が伯仲したジョージア州では、12月6日に決選投票が行われる。
新議会は来年1月3日に始動する。
共和党内の対立
中間選挙については、共和党が圧勝するとの事前予想もあったが、実際には両院とも僅差で、上下両院の多数党がねじれるという伯仲した結果となった。
共和党の不振をめぐっては、主にドナルド・トランプ前大統領と共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務の責任を問う声が上がっている。
こうした中、トランプ前大統領は2024年の大統領選への立候補を表明した。
トランプ氏は15日夜、南部フロリダ州の私邸兼リゾート施設「マール・ア・ラーゴ」で、次期大統領選への立候補を表明。有権者は「この国が直面している痛みの全容と重大さにまだ気づいていない」として、自分はこの先状況が悪化すると予想しており、有権者は今後2年間で考えを変えるはずだと語った。
ワシントンでは16日、共和党の上院トップとなる院内総務を選ぶ投票が行われ、現職のマコネル氏が37票で再選された。中間選挙の結果を受けて院内総務に立候補したリック・スコット上院議員は、10票だった。
2007年から15年間にわたり院内総務を務めるマコネル氏は、今回初めて挑戦を受けた。
2人は中間選挙へ向けて頻繁に衝突してきた。スコット氏は「現状に満足していない」としている。