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ロシア、ウクライナ4州併合へ「投票」開始-G7や国連は非難

  • G7、「偽装の住民投票」を糾弾-国連憲章と国際法違反と事務総長
  • ウクライナ4州、ロシア軍が完全に支配する地域なし-戦闘は継続
A Russian T-80 battle tank.
A Russian T-80 battle tank. Photographer: KIRILL KUDRYAVTSEV/AFP

ロシアはウクライナ国土の約2割に相当する地域の併合に向け、国連で非難を浴びた「住民投票」を開始した。プーチン大統領と米同盟国との対立はエスカレートし、新たな段階に入る。

  この編入投票について、主要7カ国(G7)首脳は「偽装の住民投票を強く糾弾する。ロシアはウクライナが主権を持つ領土の地位変更を画策し、その前提をでっち上げようとしている」との声明を発表。国連のグテレス事務総長は「国連憲章と国際法の違反」だと非難していた。

  投票は23日に始まり、ロシア占領当局によると5日間続く。結果に波乱はない見通しで、国営メディアは早くも、編入支持が約90%から100%近くに上ると伝えた。

  投票が行われているウクライナのヘルソン、ザポリージャ、ドネツク、ルハンシク4州のいずれもロシアは完全に支配しておらず、戦闘が継続している。

Assessed Control of Terrain in Ukraine

Sources: Institute for the Study of War and the American Enterprise Institute’s Critical Threats Project

Note: Map shows control areas as of September 22, 2022.

  ロシア政府当局者らは編入手続きを速やかに完了させる意向を示している。ロシアでは多数が招集令状を受け取り、戦争がいっそう身近になっているが、地方当局は各地で併合への熱狂を演出しようと市民集会を仕立て上げた。

  キーウ国際社会学研究所は戦争前の2021年から22年に行われた調査結果を引用し、ウクライナ東部と南部の諸州でロシア編入を希望する割合は約2割に過ぎなかったとウェブサイトで指摘。「投票に基づいてこれらの地域を併合する方法はただ一つ、結果を改ざんすることだ」と主張した。

原題:

Putin Readies 43% Defense Spending Hike Amid Plan for Longer War(抜粋)

G-7 Leaders Condemn Russia ‘Sham Referenda’ in Occupied Areas(抜粋)

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