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オープンAI、マスク氏による提訴に反論-同氏の過去メールを根拠に

  • マスク氏はオープンAIが営利事業になることを承認ーブログ投稿
  • マスク氏はオープンAIをテスラの一部門にしようとして失敗-投稿

対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛ける米オープンAIは、資産家イーロン・マスク氏から提訴されたことに対し、5日のブログ投稿で反論した。

  オープンAIはマスク氏本人からの電子メールを引用。それには、営利事業になるというオープンAIの決断を同氏は承認しており、グーグルと比較して重要な存在になるためには「数十億ドル」規模の資金調達を行うべきだと同氏が主張していたことが記されている。

  マスク氏は先週、オープンAIならびに同社のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)、グレッグ・ブロックマン社長に対して訴訟を起こし、同社が責任あるAIを構築するという使命から逸脱し、最大の出資者であるマイクロソフトの「事実上の子会社」になっていると主張した。これに対し、オープンAIは投稿で、マスク氏は同社をテスラの一部門にしようとして失敗したため、同社を非難しているとの見方を示した。

Telsa Inc. Chief Executive Officer Elon Musk At Atreju 2023
イーロン・マスク氏
Photographer: Alessia Pierdomenico/Bloomberg

  アルトマン氏、ブロックマン氏を含むオープンAI創業者は投稿で「われわれが深く尊敬してきた人物とこのような事態になったのは悲しいことだ」とし、マスク氏が「より高みを目指すようわれわれを鼓舞した後で、われわれが失敗すると通告し、競合他社を立ち上げた。そして、われわれが同氏なしでオープンAIの使命に向けて重要な前進を始めた時に、われわれを提訴した」と主張した。

  また、マスク氏は訴訟で、オープンAIがマイクロソフトと緊密な関係を持ったことで、企業から過度の影響を受けずにオープンソースの技術を創出するという本来の使命が損なわれていると主張。しかし、今回の投稿で引用された電子メールによれば、同社がオープンソースの汎用(はんよう)AIソフトウエアを構築する方針ではなく、その技術的進歩を支える科学を必ずしも共有するわけではないと考えていたことについても、マスク氏は承諾していたという。

  テスラにコメントを要請したが、これまで返答は得られていない。

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原題:OpenAI Fires Back at Musk Allegations With Trove of Emails (1) (抜粋)

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