春分と秋分では、太陽光線が地軸に対して垂直に当たる。
Shayanne Gal/Business Insider
- 2021年の秋分の瞬間は、日本時間で9月23日の午前4時21分だ。
- 秋分の日には、昼と夜の長さがほぼ等しくなる。
- JAXAの惑星科学者が作成したアニメーションでは、分点(春分、秋分)や至点(夏至、冬至)における地球の傾きが示されている。
2021年の秋分の瞬間は、日本時間で9月23日の午前4時21分だ。地球の人口の約9割が住む北半球では、この時を境に秋が始まる。南半球では、逆に春の始まりとなる。
天球上の赤道と黄道(太陽の見かけ上の通り道)が交わる点を分点といい、太陽はこの分点を年に2回通過する。それが春分と秋分だ。この日、太陽光線の進む角度が地軸に対して垂直となり、昼夜の長さがほぼ等しくなる。
もしあなたが分点の瞬間に赤道直下に立つと、太陽は真上に現れ、あなたの影はほぼ消えるだろう。ただし、地球は太陽の周りを時速約10万7000kmで回っているので、影が消えるのは一瞬のことだ。
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)に所属する惑星科学者のジェームス・オドノヒュー(James O'Donoghue)は2020年、分点について説明するアニメーションを作成した。天球上の赤道と黄道が最も離れる至点(夏至と冬至)についても合わせて説明している。
太陽を公転する地球の傾きを示したアニメーション。上が秋分、左が冬至、下が春分、右が夏至を示している。
James O'Donoghue
地軸が傾いているから、分点と至点がある
秋分や春分があるのは、黄道面に対して地軸が垂直ではなく、約23.4度傾いているからだ。そのため、地球が太陽を公転すると、地球上で太陽光線を多く受けるところとそうでないところが出てくる。それが地球に四季がある理由だ。
また、北半球と南半球で季節が逆になるのも同じ理由だ。北半球が冬の間、南半球は太陽光線をより多く受けて夏になり、北半球の夏はその逆になる。
一方で地球は常に回転しているため、太陽からの熱を均一に受ける。巨大なロティサリーチキンが焼かれているようなものだ。
地球と地軸の傾き、太陽の関係がどのように四季を作り出すのかを示した図。夏至は左、冬至は右。
Shayanne Gal/Business Insider
至点では地軸の傾きの影響が最も顕著に表れる。地軸の北極側が太陽に最も近づくのが夏至、遠ざかるのが冬至だ。
2021年の夏至(日本では6月21日)の日照時間は、北半球で16時間近くあったのに対し、南半球では9時間にも満たなかった。
秋分点は夏至と冬至の中間に位置し、北半球の夏の間、太陽に向かって傾いていた地軸の北極側は、この地点を過ぎると太陽から遠ざかるようになる。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)