お金は道具であって、タスクではない(写真はイメージ)。
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- 筆者はこれまでほぼ4年間に渡り、Business Insiderにパーソナルファイナンスに関する記事を書いてきた。
- それによって、経済的に成功する秘訣をたくさん学ぶことができた。
- なかでも、次の4点が特に重要だと思っている:お金の扱いに正しいも間違いもない、富を築くにはリスクはつきもの、お金は道具であってタスクではない、棚ぼた的な成功はありえない。
私はおよそ4年前にお金に関する記事を書き始めた。
そのころすでに、たとえば緊急事態に備えて貯金しておくことが重要な理由や、高金利の借金を避ける方法など、基本的な知識はあった。そして去年、認定ファイナンシャルプランナーの資格を取得する準備として、かなり集中的に勉強した。
お金は誰にとっても重要なこと。だからこそ、私はお金について書くのが楽しいと感じる。一生克服できないと思えた経済的な苦境を乗り越えた人々を見ると心が明るくなるし、将来の目標について人々と話すと刺激になる。それに、女性やマイノリティが追いつくためにどれほど努力をしなければならないかを理解するのは、つらいことではあるが、大切でもある。
数百の取材を通じて私が(これまでに)学んだ最高の教訓を4つ、ここで紹介しよう。
1. 「絶対に正しい」や「必ず間違い」は存在しない
確かに、「収入の範囲内で暮らす」など誰にでも有効なアドバイスは存在するが、経済的な問題では、自分の置かれた個人的な状況に応じて決断を下すべきだ。
生涯ずっと借家に住むのは間違いではない。すべての人にとって家の購入が正しい選択なわけでも、要検討項目であるわけでもない。同じように、クレジットカードを通じた借金は一般的に「悪」のレッテルが貼られているが、医療費を支払ったり、家族を支援したりするときにクレジットカードが唯一の方法であるのなら、コストよりも利点のほうが上回る場合もあるだろう。
支出、節約、あるいは投資に関して、正しいやり方や間違った方法はほとんど存在しない。多くの人に有効であることが証明された戦略は確かに存在するが、それがあなたという個人にとっても最善であるとは限らない。
ファイナンシャルアドバイザーやファイナンシャルプランナーでさえ、お金を管理する方法がひとつしかないなどとは決して言わないだろう。
2. 経済的な成功は(大概)転がり込んでこない
経済的に成功するには努力が欠かせない。
借金生活から抜け出したり、夢の自宅を購入したり、億万長者になってリタイアしたり、お金に関する間違った考えを克服したりした人々の話を読めば、ひとつの共通点が見つかる。そうしたことを実現するには、努力と計画が欠かせないのだ。
残念ながら、一部の人々はほかの人よりもかなり多くの努力が必要になる。アメリカでは2018年に所得格差が過去最高に達した。その理由のひとつとして、世代を通じて富を継承できる家族(そのほとんどは白人家族)を挙げることができる。実際、有色人種の人々は、低賃金や制度上の差別など、不利な立場からのスタートを強いられる。
目標が何であれ、それを達成してしっかり前進するためには、知識を広げ、根拠にもとづく決断を下し、計画を立てることに前向きでなければならない。
3. 富を築くにはリスクが欠かせない
私は早い段階で富の構築に成功するかどうかは、自分にとって最適な「リスク・報酬レベル」を見つけられるかどうかで決まると学んだ。いちばんわかりやすい例は株式市場だろう。努力して稼いだお金を増やしたければ、その一部を賭けに出す必要がある。
今の私には、そのような賭けに勝つ自信がないので、インデックスファンド、そして退職金口座のターゲット・デート・ファンドを利用している。それらはもとから分散されていて、資産が自動的に再配分されるからだ。それでも残高は上がったり下がったりするが、極端な変動はないので安心できる。
4. お金は道具であって、タスクではない
私の経験では、経済的に本当に前進している人々は、お金を面倒なタスク(処理しなくてはならない作業)ではなく、むしろ道具と理解している。予算管理や投資ポートフォリオの再配分などは楽しいことではないかもしれないが、前進するには欠かせないことだ。
たとえば、節約するのを義務とみなすのではなく、それを次の休暇旅行への入口、あるいはFIRE生活へのチケットと考えてみよう。生活費を支払い終えたら、余ったお金はあなた自身の目標のために役立てるべきだ。それができていないのなら、やりくりを調整し直す必要がある。
私たちの多くは「もっとよく」そして「もっと多く」を望む。もっと健康になりたい、もっと時間がほしい、もっと知識がほしい、選択の自由をもっと多く手に入れたいと願う。意図的に活用することで、お金はその道のりを簡単にしてくれる。