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岐阜和傘、県内6品目の伝統的工芸品に 後継者不足解決に期待 

2022年3月19日 05時05分 (3月19日 12時35分更新)
伝統的工芸品に指定された岐阜和傘を手に、今後に期待する平野代表=中部経済産業局で

伝統的工芸品に指定された岐阜和傘を手に、今後に期待する平野代表=中部経済産業局で

 岐阜市の伝統工芸品「岐阜和傘」が十八日、経済産業省の「伝統的工芸品」に指定された。県内では、飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯(ぢょうちん)に続いて六品目。後継者不足など課題もあるが、これを機に職人と岐阜市が一体となったPRに乗り出す。
 一六三九年に技法が確立され、原材料も当時と同じく和紙や竹、柿渋など天然素材を使用している。雨傘や日よけのほか、寺社の祭礼で使う舞踊用としても全国で需要がある。全国十カ所の和傘生産拠点のうち、三分の二が岐阜市加納地区に集まる。
 近年は職人の高齢化や後継者不足で出荷本数が大きく減少。国の統計によると、一九三九(昭和十四)年の年間四百八十五万本がピーク。洋傘の普及に伴い、六六年からは統計を取っていない。市によると現在の出荷本数は二千数百本程度だという。
 伝統的工芸品は、生産技法が百年以上続くことや、日用品であることなどが指定の条件。「伝統マーク」を貼ってブランド化でき、国からの補助金がある。岐阜和傘協会は今後、傘骨やろくろ作りなど部位ごとの後継者育成を図る。販路拡大のために、岐阜市とともにPRにも力を入れる。
 十八日に中部経済産業局で記者会見があり、協会の平野明宏代表(74)=加納北広江町=は「後継者育成はもちろん、これが岐阜の和傘だと全国にアピールしたい」と語った。
 伝統的工芸品は全国で二百三十七品目ある。 (都沙羅)

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