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オリーブ栽培 柴垣の力に 地元の有志 休耕地活用、地域おこし

2022年9月9日 05時05分 (9月9日 10時29分更新)
昨年植えたオリーブと、まちおこしを目指す伊藤幸雄会長=羽咋市柴垣町で

昨年植えたオリーブと、まちおこしを目指す伊藤幸雄会長=羽咋市柴垣町で

大雪で全滅も… 福井・三里浜視察で自信

 羽咋市柴垣町の活性化を目指し、地元有志グループ「柴垣オリーブの里」が休耕地を活用しオリーブ栽培に乗り出した。収穫までにはあと三年以上かかるが、オリーブオイルなど食品や化粧品に加工し付加価値を高めて販売する計画。市内では鹿島路町がサツマイモで地域おこしをしており、伊藤幸雄会長(73)は「柴垣と言えばオリーブといわれるようにしたい」と対抗心を燃やす。 (松村裕子)
 伊藤会長が知り合いの県立大教員からヒートパイプの実験を兼ねて、地中海地方が主産地のオリーブ栽培を提案されたのがきっかけ。二〇二〇年に伊藤会長の使っていなかった砂地の畑に二十本の苗を植えた。大雪で全滅し、二一年五月に二十本を植え直した。支柱を増やし、こもをかけて冬を越し、多くが高さ約八十センチに育った。一部は風の被害を受け、本年度から三年間、市から市民提案型まちづくり支援の補助を受け、今秋、五十本を追加で植え、防風ネットを設置する。
 三年ものの苗で、数メートルの高さに成長し実が収穫できるのは四年後。計画では、周辺にある休耕地も借りて徐々に栽培地を増やす。当初は委託する加工も、いずれは加工場を造って自ら手がける。市の補助終了後はクラウドファンディングで資金を調達する。
 伊藤会長は昨年、オリーブ栽培に取り組む福井市の三里浜を視察。加工場を持って地域おこしにつなげるのを見て「自分たちにもできると自信がついた。なんとしてもやりたい」と思いを強めた。水やりや草取りは数人でできるが、収穫が始まるとメンバー五人では足りないため、近く町内で会員を募り、新しい仲間も含め、さらに勉強するため三里浜を再度見学する。
 柴垣町は昭和二十〜四十年代、海水浴客が多く民宿で栄えたが、北陸鉄道能登線の廃線などで民宿は激減。近年はサーフィン客が増え、冬の海を見に来る若い女性も現れた。伊藤会長は「おしゃれなイメージで地域おこしができれば楽しい。地元のマーケットで加工品を売るなど他団体とも連携して活動の幅を広げたい。収益も出して地域の福祉に活用したい」と夢を膨らませる。
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