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兵士目線の従軍記(1) 原稿用紙550枚、詳細に 小松田健一(前橋支局)

2023年8月6日 05時05分 (8月7日 07時55分更新)

郷里で見送りを受ける故・山口武夫さん(中)=1938年1月撮影、中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」提供

 「父が、このようなものを書き残しているのです。ご覧になりますか?」
 昨年八月、群馬県中之条町の「町歴史と民俗の博物館『ミュゼ』」館長の山口通喜さん(67)が、こう切り出した。太平洋戦争に関する取材を終え、雑談していたときのことだ。

故郷の群馬で入隊

 筆者は通喜さんの父で、二〇〇六年十二月に八十九歳で亡くなった山口武夫さん。一九三八年に陸軍に入隊し、中国などの戦地を渡り歩く。四二年にいったん除隊したが、四三年に再び召集され、旧満州(現・中国東北部)と沖縄・宮古島や伊良部島で任務に就き、四五年十二月に復員した。
 手書きの原稿用紙約五百五十枚を厚紙表紙で綴(と)じた四冊の冊子にまとめてあり、戦地での...

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