小さな拠点づくりについて

更新日:2023年03月27日

本市における小さな拠点づくりの取組み

 全国的に、少子高齢化や人口減少に伴い、集落での自助を行うことが難しくなったり、身近にあった生活サービスが受けられなくなってきている地域が多数あり、今後、労働人口の減少により税収も減り、行政による公助も行き届かなくなることが予想されます。
 このことから本市では、地域内の中山間地域等の住み慣れた地域に希望をもって安心して暮らし続けられるように、「小さな拠点づくり」を推進しています。

小さな拠点づくりとは

 中山間地域等の集落生活圏(複数の集落を含む生活圏)において、安心して暮らしていく上で必要な生活サービスを受け続けられる環境を維持していくために、地域住民が、自治体や事業者、各種団体と協力・役割分担をしながら、各種生活支援機能を集約・確保したり、地域の資源を活用し、しごと・収入を確保する取組を「小さな拠点」づくりといいます。(内閣府地方創生推進室資料から抜粋)

「小さな拠点」づくりの取組イメージ

小さな拠点づくりの活動範囲と組織

 活動範囲としては、小学校区(旧小学校区)を単位とし、本市では、地区コミュニティ区域が活動区域にあたり、地区コミュニティ協議会が地域運営組織として取り組むこととしています。

小さな拠点づくりモデル地区の取組みについて

 本市では、市内に48ある地区コミュニティ区域の中から、樋脇町藤本地区と東郷町藤川地区をモデル地区に選定し、平成30・31年度の2年間、地区内で必要な取組みなどの話し合いの場をもち、その仕組みづくりを支援いたしました。モデル地区での取組みを紹介します。

1 藤本地区の小さな拠点づくりの取組み

1-1)地区の特徴

 藤本地区は樋脇町の南に位置し、鹿児島市に隣接しています。地区内には、本市の景観重要資産第1号に選定されている藤本滝があり、その滝のある公園内には、住民の手により植えられた藤棚があります。他にも、岩下の棚田や、農産物直売を行っている藤本ふれあい店などもあり、地区内を活性化するために日頃から精力的に活動している地区です。

1-2)モデル地区としての取組み

 藤本地区では、地域での話し合いの結果、地区における小さな拠点は、「藤本ふれあい店」であり、「買物の場」としてだけでなく、「交流の場」や「共助の場」とするための仕組みづくりに取組まれました。
 多機能型の小さな拠点にするために藤本ふれあい店のあり方について話し合われ、ある程度の施設改修が必要となり、地区住民が一丸となり施設の一部改修を行われました。

男性たちが木造の家の中を解体して下に瓦礫が積み上げられている、改装途中の藤本ふれあい店内の写真
柱や段差のある座敷など木がふんだんに使われ広々とした照明が明るい、改修された藤本ふれあい店内の写真

1-3)小さな拠点づくりの成果

 藤本ふれあい店内で利用しづらかった空間の壁などを部分的に撤去し、使い勝手のいい利用空間を確保し、テーブルや流し台などを設置されるなど地区住民が憩える地域のお茶の間としての側面を持った「拠り所ふじもと」を完成されました。
 今後は、地区内交流から地区外との交流や地区リーダーの後継者育成、拠り所ふじもとを活用した活動と雇用を生む仕組みづくりに取組むとしているところです。

室内に集まった子どもたちが床に座りながらお椀に入った汁物を食べている、改修を祝い地域の皆さんへお披露目している写真

2 藤川地区の小さな拠点づくりの取組み

2-1)地区の特徴

 藤川地区は東郷町の北部に位置し、阿久根市に隣接しています。地区内には、菅原道真公が祀られている藤川天神があり、その敷地には国の天然記念物「臥竜梅」があります。藤川天神の祭や清掃などには地区住民が積極的に参加し、また、同地区ではゆべしやこんにゃくを製造・販売するなど、地域を支える活動に日頃から取組まれている地区です。

2-2)モデル地区としての取組み

 藤川地区では、サロンやお茶飲み会などが何箇所にも分かれて開催されており、場所と住民をつなぐことで地区内の交流を広げていくことが、地区に必要な小さな拠点づくりであることがわかり、助け合いによる自主送迎に取組まれています。この取組みにあたり、地区では、民間の補助制度を活用され、令和元年度と令和2年度の2年間取組まれているところです。
令和元年度は、その仕組みづくりの協議を重ね、令和元年8月5日に出発式を経て、「藤川おでかけ号(車の愛称)」による地区内運行を開始しました。

室内でテーブルの上にたくさんの資料を並べながら取組みについてお互いの意見を出し合う参加者の写真

2-3)小さな拠点づくりの成果

 藤川地区では、ボランティアの送迎によって藤川おでかけ号を運行しており、各自治会の方々がサロンへ行ったり、出かけたりする「地域の足」となっています。
 地区では、定期的に運行部会を開き、利用しやすい仕組みについて話し合いながら、地域に密着したものとなるよう取組んでいるところです。

杖を持った女性が付き添いの女性に支えられながら、サロン等に藤川おでかけ号を利用する利用者の写真
コの字に並べた机に座り、プロジェクターで映しだされた資料を見ながら、運行における安全確認等について話し合われる皆さんの写真

今後の小さな拠点づくりの取組み

 このように、2つのモデル地区では、2年間で小さな拠点づくりの準備を行ってきました。
 どちらも、今、まさにスタートを切ったばかり。これから、本格的な取り組みへと発展していくことになりますが、どのように活用していくのか、いかにして継続していくのかが、両地区の課題とも言えそうです。
 また、市ではその経過を確認しながら、比較的緊急性の高い他の地区でも、小さな拠点づくりを進めていく予定です。
 皆さんも、これを機会に、住み慣れた地区に住み続けるために、これから何の取組みが必要か、何ができるかをぜひ話し合ってみられませんか。

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