第816条【離縁による復氏等】
① 養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。
② 縁組の日から7年を経過した後に前項の規定により縁組前の氏に復した者は、離縁の日から3箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる。
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【解釈・判例】
1.夫婦共同で養子となった場合、その夫婦が同時に離縁するときは、婚姻によって氏を改めなかった養子(夫婦の一方)の縁組前の氏に復する(昭24.2.4-200号、810条参照)。
2.夫婦共同で養子となった場合、その夫婦が各別に離縁するときは、婚姻によって氏を改めなかった養子が離縁すれば、養子は縁組前の氏に復し、他方もこれに従って復氏するが、婚姻によって氏を改めた養子が離縁しても、婚姻が継続する限り養子は復氏しない(昭23.5.6-652号)。
3.離婚の場合に、離婚の日から3か月以内に届け出ることによって離婚の際に称していた氏を称することができる(767条)のと同様に、離縁の場合にも、離縁の際に称していた氏を称することができるが、これは縁組の日から7年経過してからでなければできない。縁組が氏の変更をするために利用されることを防止するためである。