モラハラ夫は目つきでわかる!?弁護士が特徴を解説

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人の内面は目に現れやすいといわれているため、モラハラをする夫(モラハラ夫)の目つきには特徴がある場合もあります。

しかし、モラハラ夫かどうか、目つきだけで見分けるのは、一般的には難しいといえます。

モラハラ夫かどうかは、目つきだけではなく、他の特徴もあわせて、総合的に判断するべきです。

そこで、ここでは、モラハラ夫の目つきの特徴と、その他の特徴について解説していきます。

また、夫がモラハラ夫であるという場合に、妻が知っておくべきポイントや、対処法についても解説していきます。

夫がモラハラ夫なのではないかと悩まれている方や、実際にモラハラの被害に悩まれている方は、是非参考になさってください。

 

モラハラ夫は目つきでわかる?

人の人柄や心理などは、目に現れやすいといわれています。

そのため、モラハラ夫の目つきは特徴的である場合もあります。

しかし、目つきだけでモラハラ夫かどうかを見分けるのは難しいと考えられます。

目つきの印象は感覚的なものであり、見る側の心情によっても捉え方が変わります。

モラハラの被害を受けて初めて目つきの特徴に気づくことができることもありますし、モラハラの被害を受けている妻と、家庭外の人では感じ方が違う場合もあります。

また、目つきは、目の形や白目と黒目のバランス、視力(目を細めるクセなど)といった、人の内面とは関係のない要素によっても印象が変わります。

そのため、目つきだけでモラハラ夫かどうかを判断するのは難しいでしょう。

モラハラ夫かどうかは、言動や態度など、目つき以外の特徴も合わせて、総合的に判断するべきといえます。

 

モラハラ夫の目つきの特徴

上記のとおり、目つきだけでモラハラ夫かどうかを見分けるのは困難ですが、モラハラ夫の目つきの特徴を参考までに挙げると、次のようなものになります

①目に表情がない

モラハラ夫は、一般的に自己中心的であり、共感性に乏しい傾向にあります。

そのため、人と会話をしている際も、自分がどう見られているかばかり気にして、人の話に感情を動かされたりすることが少ないため、目に表情がないことがあります。

人から「いい人」と見られたいとは思っているため、笑顔でいることもありますが、「目が笑っていない」という状態のことも多いです。

 

②監視・威圧するような目つき

モラハラ夫は、モラハラのターゲットである妻を支配下に置き、思い通りにしようとします。

そのため、妻が自分の意に反することをしないよう、じっと見つめたり、恐怖を植え付けて自分に従うよう、にらみつけたりしていることもあります。

それにより、監視したり、威圧したりするような目つきになっていることがあります。

 

③人を見下すような目つき

モラハラ夫は、自分が人よりも優れた、特別な存在であると思っているため、人を見下したり、軽蔑したりするような目つきをしていることがあります。

 

④家の内外で目つきが違う

モラハラ夫は、世間体や人目を気にしていることが多いです。

家の中では妻を追い詰める言動をしていても、家庭外では「いい夫」を演じている場合もあります。

このように、家の中と外で言動や態度が変わるので、それに伴い目つきも変わることがあります。

 

⑤スイッチが入ると攻撃的な目つきになる

モラハラ夫は、自分に不都合なことや、不利なことが起こった場合は、「スイッチ」が入ったように相手を怒ったり、説教を始めたりすることがあります。

モラハラ夫は、勝ち負けにこだわることも多いため、自分に不利な状況だと察すると、相手を負かそうと徹底的に攻撃しようとするのです。

そのため、「スイッチ」が入ったときは、目を見開いて威嚇するような目つきになったり、鋭い攻撃的な目つきになることがあります。

 

 

モラハラ夫のその他の特徴


モラハラ夫の主な特徴としては、次のようなものが挙げられます。

①自己中心的

モラハラ夫は、自己中心的であることが多いです。

一般的に共感性に乏しく、他人の気持ちよりも自分の都合などを優先する傾向があります。

そのため、妻の体調が悪くてもおかまいなしに家事をこなすことを要求したり、妻の気持ちにかかわらず性交渉を強要することなどもあります。

また、自分には甘く、他人には厳しい傾向にもあります。

例えば、自分の衣服や趣味にはお金をかけていても、妻には必要な生活費を渡さず、質素な暮らしを強要し、妻が服や化粧品を買うと説教をすることもあります。

さらに、自分に都合の悪いことが起こった場合は、他人のせいにしたり、事実を捻じ曲げたりして、自分を正当化しようとすることも多いです。

 

②支配的

モラハラ夫は、自分は特別な存在だという意識を持っており、自分には妻をコントロールする権利がある、または、妻を支配して当然だと考えている場合もあります。

そのため、モラハラ夫は、無視をしたり、侮辱をしたりすることによって妻の自尊心を奪い、恐怖心を植え付け、支配下に置いておこうとします。

あるいは、妻が思い通りに動かない場合は不機嫌になったり、否定的なことを言い続けて妻を疲弊させ、思い通りに動くように仕向けていきます。

また、モラハラ夫は、妻を社会から孤立させて自分の支配力を強めるため、妻の外出を妨害するなどして束縛したり、妻のスマホをチェックして監視をしたりすることもあります。

 

③世間体・人目を気にする

モラハラ夫は、他人から自分がどう見られているのかを気にしていることが多いです。

そのため、家庭の外では「いい人」と思われるようにふるまっていることがあり、周囲の人からは「いい夫」「いいお父さん」と思われていることも少なくありません。

以上、モラハラ夫の特徴を挙げましたが、モラハラ夫かどうか判断するのが難しいケースは多くあります。

以下のページでは、モラハラのチェックリストをご紹介していますので、ご自身のケースに当てはまるかご確認ください。

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モラハラチェックリスト

 

モラハラ夫をもつ妻が知っておきたいポイント

モラハラは深刻な被害であること


モラハラの被害は深刻で重大なものです。

モラハラによってストレスを受け続けると、心身に様々な症状が現れ、最悪の場合は命にかかわることもあります。

しかし、モラハラによる心の傷は、目には見えません。

また、一つ一つのモラハラ行為だけを切り取ってみると、殴る・蹴るといった身体的な暴力よりも酷くないように見えることも多いです。

そのため、モラハラの被害は、身体的な暴力がある場合に比べて軽視されがちです。

被害者が周囲に相談をしても、「そのくらい我慢したら?」「あなたの方に落ち度があったのでは?」などと言われ、理解を得られないことも多いです。

また、被害者自身も被害を自覚していないことがあります。

モラハラ夫から「お前がオレを怒らせるのが悪い」と言い続けられたり、周囲からの理解が得られなかったりすることで、「私が悪いんだ」「私さえ我慢すればいい」と思い込んでしまうのです。

そのため、モラハラの被害は、被害者も気づかないうちに、どんどん深刻化していってしまう場合もあります。

 

モラハラは治らないことが多い

モラハラは、治らないことが多いのが実情です。

モラハラを治すためには、夫本人が自分の問題を自覚し、専門家のサポートを得るなどして誠実に改善に取り組む必要があります。

しかし、モラハラ夫の特徴から、自分に非があることを認めて改善に取り組むのは困難である場合が多いです。

また、モラハラ夫は、妻を支配することで快感を得ており、それに依存しているため、その状態から抜け出すことが困難になってしまっています。

モラハラがなくなることを願い、夫との生活を我慢して続けることは、被害の深刻化につながる上、加害者(モラハラ夫)の立ち直りの点からもプラスに働くことはありません。

そのため、モラハラが治るのを待つのではなく、早期に、こちらから物理的な距離を置く(別居する)ことが必要になります。

 

モラハラを理由とする離婚は難しい

モラハラ夫が妻の求めに応じて離婚に合意するケースは多くはありません。

離婚の合意ができない場合は、裁判で離婚判決をもらわなければ離婚することができません。

離婚判決をもらうためには、離婚原因(離婚が認められる条件として法律で定められているもの)が必要です。

この点、モラハラによって夫婦関係が破綻し、回復できない状態になった場合は、離婚原因のうち、「婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当すると認められる可能性があります。

引用元:民法|電子政府の窓口

したがって、モラハラを理由に裁判で離婚をすることはできます。

ただ、モラハラがあったと認めてもらうためには、モラハラを立証する(証拠によって裏付ける)必要があります。

モラハラの証拠としては、暴言などの録音・録画や夫から送られてきたメール・LINEなどがあります。

しかし、録音等が難しい状況もありますし、過去のメール等は見たくないので消してしまっているというケースもあるでしょう。

また、「無視」や「不機嫌な態度」という形でのモラハラは、証拠に残すことが困難です。

このように、立証が難しい傾向にあるという点からは、モラハラを理由とする離婚は難しいことが多いといえます。

ワンポイント

モラハラを理由に離婚するためには、着実に証拠を集めることが重要になります。

どのような証拠を、どのように集めるべきかは、事案により異なりますので、モラハラに詳しい弁護士に相談し、具体的なアドバイスをもらうことをおすすめいたします。

 

モラハラ夫から解放されるためには

モラハラ夫と物理的な距離をとる

モラハラ夫から解放されるためには、モラハラ夫と別居し、物理的な距離をとる必要があります。

今後の生活や子どものことを考えると離婚の決心がつかないという場合もあるかもしれませんが、必ずしも離婚を前提に別居する必要はありません。

まずはモラハラ夫の支配から抜け出し、自分を取り戻すことが重要です。

別居に当たっては、持ち出す荷物の選定や、当日の段取りなど、気を付けるべき点がいくつかありますので、モラハラに精通した専門家のサポートを受けることをおすすめいたします。

 

離婚が認められやすくなる

先に解説したように、モラハラを理由に離婚することは、立証の点から難しい場合もあります。

しかし、モラハラに当たる行為を立証することができない場合でも、別居期間が長期(大体3年〜5年程度の場合が多い)に及んでいる場合は、離婚が認められる可能性があります。

別居が長期間続いているという事実が「婚姻を継続しがたい重大な事由」として考慮されるためです。

したがって、離婚が認められやすくなるという点からも、早期に別居することは重要になります。

 

弁護士に間に入ってもらう

モラハラの被害を受けている方にとっては、別居の決断や実行はとても勇気が要ることです。

夫が怖い、別居後の生活が不安、子どもが心配という理由から、苦しい思いをしながらも、なかなか別居に踏み切れない方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合、まずは専門の弁護士に相談し、別居の準備や別居後の見通しについてアドバイスを受けると、一歩を踏み出しやすくなります。

そして、別居を実行した場合は、弁護士にサポートを依頼し、代理人として間に入ってもらうことをおすすめします。

依頼を受けた弁護士は、別居と同時に、夫に対し、今後の連絡は全て弁護士宛にすることや、妻やその親族に直接接触しないことを申し入れます。

その後は弁護士がモラハラ夫との窓口となるので、ご自身で夫と直接やり取りをしなくても済むようになります。

そのため、精神的・肉体的な負担を大幅に軽減することができます。

さらに、別居後、離婚するまでの間は、婚姻費用(生活費のこと)を請求する必要があります。

この婚姻費用についても、弁護士に請求や交渉をしてもらうとよいでしょう。

このように、弁護士のサポートを受けながらモラハラ夫と物理的な距離をとり、安全を確保することで、解決に向けて進めて行くことができるようになります。

 

モラハラの相談窓口

モラハラの相談窓口には、主に次のようなものがあります。

相談窓口 支援内容等
配偶者暴力相談支援センター 公的な相談窓口で、相談・相談機関の紹介、カウンセリング、一時保護、自立のための情報提供などを行っています。

※都道府県が設置する婦人相談所が支援センターの機能を担う施設の1つとして位置づけられています。

その他、女性センター、福祉事務所などの公的施設が支援センターの機能を果たしている自治体もあります。

詳しくは各自治体やホームページ等でご確認ください。

参考:内閣府男女共同参画局|相談機関一覧

DV相談ナビダイヤル 全国共通の電話番号・#8008に電話をかけると、最寄りの配偶者相談支援センターに自動転送され、電話相談、面談等をすることができます。
DV相談+(プラス) 24時間電話相談・メール相談・SNS相談等をすることができます。

利用方法等については、ホームページでご確認ください。

参考:内閣府|DV相談+

警察署(生活安全課) 「殺してやる」と脅された場合など、危害が及ぶ恐れがある場合、保護などを受けることができます。
民間の相談機関 支援内容は団体により異なりますが、相談・一時保護・自立に向けた支援などを受けることができます。
弁護士 法律相談や、離婚成立までの全面的なサポートを受けることができます。

【参考】

各弁護士会の法律相談センターや法テラスでは、地域や条件によっては無料で法律相談を実施しています。
ただし、担当の弁護士を自分で選ぶことはできません。

参考
日弁連|全国の弁護士会の法律相談センター
法テラス|DV等被害者法律相談援助制度

 

モラハラに理解がある男女問題を扱う弁護士

上記にご紹介した相談窓口は、地域や団体などによって対応にばらつきがある場合もあります。

そのため、まずは男女問題(離婚問題)に詳しく、モラハラに理解のある弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

このとき、弁護士であれば誰に相談・依頼しても同じというわけではないので注意が必要です。

弁護士と一口にいっても、取り扱い分野は様々であり、必ずしもモラハラに詳しいとは限りません。

モラハラの問題を適切に解決するためには、モラハラ問題への理解と高度な専門性が不可欠です。

そのため、離婚問題に専門特化し、かつ、モラハラに理解のある弁護士を選ぶことが重要になります。

 

 

まとめ

以上、モラハラ夫の目つきの特徴や、その他の特徴、妻が知っておくべきポイント、対処法などについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。

目つきだけでモラハラ夫かどうかを見分けるのは困難ですが、モラハラ夫にはいくつかの特徴があります。

ご自身の夫に当てはまるという場合は、早めに対処をする必要があります。

まずは、モラハラに理解のある弁護士に相談し、状況を踏まえた具体的な助言をもらうようにされてください。

当事務所には、男女問題に注力する弁護士のみで構成された離婚事件チームがあり、モラハラ問題を強力にサポートしています。

LINE、Zoomなどを活用したオンライン相談も行っておりますので、モラハラにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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