【 INDEX 】

トレーニングの中には、驚くようなものもあります。信じられないほどのバランス感覚、集中力、それに力強さ、物理学の法則を曲げ重力に逆らうように見える動きなどなど、皆さんもそういったものをいままで目にしたことがあるはずです。

このような動きは、「ヒーロームーヴ(Hero moves=英雄の動き)」と「メンズヘルス」US編集部が呼んでいるもので、Instagramに投稿されたハイレベルな動きを見て、いささか「自慢かよ!」と呆れながらも、驚きと感動までもが入り混じった複雑な思いを抱く結果になったことは皆さんも経験があるはずです。

そして、「絶対に自分じゃできるわけはないよ…」とすぐにあきらめ、次なるPOSTへとスクロールするわけです…。しかしながら…はいここで、朗報というわけです。正しいプランがあれば、このような「ヒーロームーヴ(英雄の動き)」をマスターすることは可能です。

「逆立ち(倒立)」 の正しいやり方を解説

CrossFit」の指導者であり、かつての米国体操選手権チャンピオンであるデイビット・デュランテが、正確に体を制止させる卓越した体力とバランス感覚、そしてコントロールが必要となる体操競技の基本的な演目「逆立ち(倒立)」を習得するコツをこのたび教えてくれました。

「体力、安定性、そして姿勢、そのすべてがそれぞれ特定のニーズに応じて機能している…この三位一体のようなバランスのとれた『逆立ち(倒立)』という演目が大好きなのです。このことを考えているだけで幸せな気分です」と、デュランテは語ります。

彼のプランに沿ってじっくりとトレーニングを行っていけば、その3要素の連携も動きの支配力も見せつけることができるようになるでしょう。きっと…。

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【注意点】「逆立ち(倒立)」習得の準備運動

この運動の習得へ入る前にデュランテは、適切なセットアップ(各部位の適切な準備・運動・注意点)ができているか確かめるべきだと言っています。

・手と指の位置の確認

…肩幅で、両手の平は扇状に広げ、指先は前向きへ

・目線

…親指の側の固定位置を見ながら、肩に沿ってその中心部に首を配置するように

・肩の位置

…腰の位置を制限することなく、180度(もしくはそれ以上)に可動できる状態の角度

・腰の位置

…お尻の位置がへこむように動かす

次から、一つひとつの動きを写真や動画と一緒に細かく確認していきましょう。

基礎となる必要な体力:逆立ち(倒立)取得すべき運動

どのように身体の位置を置くかを学んだら、次はきちんとした「逆立ち(倒立)」を成功させるために、十分な体力が備わっているか確認する必要があります。これは「やみくもに蹴り上げ逆さまになり、手で身体を支えてみるべきである」ということではもちろんありません。

「もう少し、目的を持って緊張した時間を過ごすよう考えて欲しい」と、デュランテは言います。そのためにも、次の訓練を試してみてください。

逆立ち:基礎挑戦その1

まずは、7.5秒間くらい逆立ちで止まっていられるかトライしてみましょう。そして、同じ時間休憩します。それがクリアできたら、15秒間逆立ちで止まっていられるかトライして、また15秒間休憩します。

次に30秒間やって、30秒間休憩。1分間やって、1分休憩を繰り返します。そう、イメージが湧きましたね。この各行程の逆立ちで止まっていられるかが、すべてをできるようになるまでは次の時間枠の工程には絶対に進まないでください。全くできない場合は、逆さまになることに慣れるため、壁に向かってやってください。

逆立ち:基礎挑戦その2

逆さまの状態になっているときに、その状態で同じ呼吸パターンを練習できるポジションを探してください。

プランク」のポジション(身体を1枚の厚い板に見立てて、フラットな状態をできるだけ長く保つ)で呼吸して、それから壁にもたれかかり、そして逆さまの状態に集中するようにしてください。

基礎となる姿勢:正しいポジションを確認

こちらの訓練は、完全な「逆立ち(倒立)」への準備のものとなります。けれど、全部の動作が逆さまにひっくり返させるものではありません。

アームス・ディレクトリー・オーバーヘッド

How to Master the Handstand
Courtesy of Men's Health US
「アームス・ディレクトリー・オーバーヘッド」

…10秒間のホールドを6回繰り返す

グランド・ホロー・ボディライン

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「グランド・ホロー・ボディライン(Ground Hollow Body Line)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

…10秒間のホールドを6回繰り返す

取得すべき5つの運動・ポジション編

第一の取得すべき運動 - アングル・ウォール・ホールド

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「アングル・ウォール・ホールド(Angled Wall Hold)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

…20秒間のホールドを6回繰り返す

第二の取得すべき運動 - セブン・ポジション

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「セブン・ポジション(7 Position)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

…アングル・ウォール・ホールドのホールドを10秒間、セブン・ポジションのホールドを7秒間。これを6セット

第三の取得すべき運動 - ワン・レッグ・エクステンション

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「ワン・レッグ・エクステンション(1-Leg Extension)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

…アングル・ウォール・ホールドのホールドを5秒間、セブン・ポジションのホールドを5秒間、ワン・レッグ・エクステンションのホールドを両足それぞれで5秒間。これを6セット

脇の下や胸椎の軟組織を動かす、アクセサリードリル(棒を利用しての動き)をやってみてください。

第四の取得すべき運動 - プローン・レイズ

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「プローン・レイズ(Prone Raise)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

第五の取得すべき運動 - アンダーハンド・グリップ・ショルダー・ストレッチ

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「アンダーハンド・グリップ・ショルダー・ストレッチ(Underhand Grip Shoulder Stretch)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

基礎となる安定性

デュランテは「逆立ち(倒立)」の安定性の部分について、「しばし、忘れがちになる」と言っています。これは2つの要因で対処できます。

  • 安定性に必要な基礎その1: 地面に対して接する指先の能力(指の強さ・腕力)
  • 安定性に必要な基礎その2:肩が身体を支え、安定させるためにしていること(肩の強さ)

逆立ちの安定性を保つための筋トレ4種目

下記の筋トレメニューで、安定性を磨いてください。

▶シングルプレート・オーバーヘッド・スタビリティー・ドリル

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「シングルプレート・オーバーヘッド・スタビリティー・ドリル(Single-Plate Overhead Stability Drill)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

▶ダブルプレート・オーバーヘッド・スタビリティー・ドリル

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「ダブルプレート・オーバーヘッド・スタビリティー・ドリル(Double-Plate Overhead Stability Drill)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

▶バックトゥーウオール・フローター・ドリル

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「バックトゥーウオール・フローター・ドリル(Back-to-Wall Floater Drill)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

▶ストマックトゥーウオール・フローター・ドリル

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「ストマックトゥーウオール・フローター・ドリル(Stomach-to-Wall Floater Drill)」。 Courtesy of MENS HEALTH US

ここまでの動きをマスターできてはじめて…、ついに現実の「正しい逆立ち(倒立)」の準備ができたということになります。

まとめ:動画で一連の流れを解説

preview for The Handstand | Hero Moves

一連のトレーニングの動きは動画にてご紹介します。デュランテは完全な「逆立ち(倒立)」に取り組むのであれば、毎日このプログレッションに取り組むことが必要だと述べています。

つまり彼が言いたいことは、「逆立ち(倒立)」を行うだけに集中するべきではないということでしょう。デュランテは10分~15分の練習でさえも、役立つだろうと言っています。すべてのドリルの動きと基本的な動きをマスターすれば、必ずしも毎回逆さまになる必要はないそうです。

Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida 
※この翻訳は抄訳です。