岐阜赤十字病院
なぜ?なに?甲状腺

甲状腺の手術

甲状腺の外科治療

甲状腺腫瘍は、近年の画像検査の発達により小さいうちに偶然発見されることが多くなっています。たとえば、頸部違和感や痛み等でかかりつけ医に受診した時に、超音波検査やMRI検査によって偶然甲状腺に腫瘍が発見されることがあります。また、高血圧で内科医院を受診した際に、頸動脈エコー検査で発見されることもあります。そのなかには、良性・悪性の両方を同時に発症している場合もあります。
一般的に、甲状腺腫瘍は経過が非常に長く、自覚症状に乏しいことが多い病気です。このためせっかく見つかったのに放置する患者様が見受けられますが、それは良くありません。悪性腫瘍の場合もありますので、甲状腺に異常を指摘された場合には、甲状腺専門病院を受診されることをお勧めします。

手術対象疾患

甲状腺機能亢進症の外科治療

甲状腺機能亢進症には、薬物治療でのコントロールが不良な場合や副作用で薬を処方できない場合には、放射線治療や外科的切除が必要になります。
当院では、再発の可能性が少なく、効果が確実な甲状腺全摘術を行っています。
その場合は終生甲状腺ホルモンの服用が必要となりますが、日常生活に支障をきたすことはありません。また、副作用がなく、妊娠中・授乳中でも安心して服用できます。

甲状腺腫瘍の外科治療

甲状腺腫瘍には良性と悪性があり、95%は良性の腫瘍と言われています。全てというわけではありませんが、大きい良性腫瘍や悪性の可能性が否定できない場合には手術が必要になります。
悪性腫瘍の場合は小さい腫瘍は経過観察の可能性もありますが、基本的には甲状腺の切除とリンパ節郭清(転移の危険性のあるリンパ節も一緒に取ってしまうこと)を行います。
当院では、良性腫瘍に対しては過不足ない術式を選択し、悪性腫瘍に対してはガイドラインを遵守し手術適応・術式を決定しています。
令和元年6月より甲状腺がんに対する内視鏡下甲状腺手術の施設基準を満たし、保険診療が可能となりました。内視鏡下での手術は出来る範囲が限られますが、患者様の希望等を考慮して術式を選択しています。

内視鏡下甲状腺摘出術

内視鏡下で行う手術はできる範囲が限定されますが、当院では以前より整容性に優れた内視鏡補助下甲状腺片葉切除術を行ってきました。鎖骨の下側を3cm程度切除し内視鏡下で甲状腺を摘出するため、頸部を切開せず人目に付きやすい首に手術の痕が残ることはありません。 また、甲状腺機能亢進症や良性甲状腺腫瘍に対しては、さらに切開創を小さく分散させ、整容性に優れた完全内視鏡下甲状腺切除術を導入しました。

甲状腺疾患に対する手術後の頸部の状態

甲状腺疾患に対する手術後の頸部の状態

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