冥王星より向こうの「惑星X」を見つける日は近い?

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    冥王星より向こうの「惑星X」を見つける日は近い?

    ご近所付き合いもしないとね。

    私が小さい頃は、太陽から「水・金・地・火・木・土・天・海・冥……」とリズム良く順番に覚えていました。しかし2006年、一番最後だった冥王星は「惑星」から格下げ。惑星とは認められない「準惑星(dwarf planet)」となってしまい、惑星の数は8個に。でも、本当に惑星は8個だけなのでしょうか?

    実は太陽系には、まだ発見されていない惑星があるという説があります。その惑星は「惑星X」と呼ばれていて、いかにもアメコミの敵キャラクターが住んでそう。惑星XはすでにNASAが発見しているのに、いつか地球を滅ぼす可能性があるから隠蔽されているだけだという陰謀論を唱える人までいるんですって。

    NASAの「WISE」と呼ばれる赤外線を感知する宇宙望遠鏡を使えば、木星や土星サイズのものは簡単に発見できますが、それより小さくて冷たい星の場合は、これまでの技術では不可能でした。

    そう思われていた時の2014年、カーネギー研究所の天文学者・Scott Sheppardさんらは、チリにある巨大な望遠鏡を使って、冥王星より離れたところにある「Biden」と名付けられた準惑星を発見しました。Sheppardさんは、「冥王星の向こうにはもっと多くの物体が存在するでしょう。(中略)太陽系の中にはまだ、火星や地球ぐらいの物体があるかもしれないんです」と言っています。

    そんな惑星X発見の期待を込めて、今チリの山頂に新しい望遠鏡「大型シノプティック・サーベイ望遠鏡」(通称:LSST)の建設が始まっています。2020年初頭に操業開始予定で、太陽系にあるまだ見つかっていない星をピンポイントで発見できるようになるそうです。

    太陽系外惑星の発見や彗星から宇宙の起源を知るのもロマンがありますが、もっと近くの同じ太陽の下にいる星に挨拶するのも悪くないですよね。

    source: NPR

    (徳永智大)