作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞は『オッペンハイマー』に!
3月10日(米現地時間)、第96回アカデミー賞のレッドカーペットに続き、授賞式が行われた。司会のジミー・キンメルの「バービーのグレタ・ガーウィグ監督は、監督賞にノミネートされるべきでしたよね。皆さん、拍手されていますが、投票しなかったのは皆さんですからね」というシニカルなコメントで幕を開けた。
まず『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞受賞。そして国際長編映画賞にノミネートされていた『PERFECT DAYS』は惜しくも受賞を逃したが(受賞したのは『関心領域』)、『ゴジラ -1.0』が日本で初めて視覚効果賞を受賞した。作品賞には『オッペンハイマー』が輝き、クリストファー・ノーランは本作で初の監督賞を受賞した。そのほかキリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞で初のオスカーを受賞した。
そのほか『哀れなるものたち』が、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞、そしてエマ・ストーンが主演女優賞を受賞し4部門制覇。歌曲賞(主題歌賞)は、『バービー』の主題歌「What Was I Made for?」ビリー・アイリッシュ&フィニアス・オコネルが受賞。第94回アカデミー賞『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌「No Time To Die」で歌曲賞を受賞したのに続き、キャリア2度目のオスカーに輝いた。
クリストファー・ノーラン監督、キリアン・マーフィーが主演を務める『オッペンハイマー』は、作品賞をはじめ、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞など13部門で最多ノミネートされていたが、うち7部門制覇。ヨルゴス・ランティモス監督作『哀れなるものたち』は11部門ノミネート中4部門を受賞した。マーティン・スコセッシ監督作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は10部門でのノミネートだったが、惜しくも受賞を逃した。
1月23日にノミネーションが発表されるやいなや話題に上ったのは、昨年世界中で大ヒットを飛ばした『バービー』の監督であるグレタ・ガーウィグと主演のマーゴット・ロビーが、それぞれ監督賞と主演女優賞にノミネートされなかったこと。ケン役のライアン・ゴズリングは、「この2人なくしては『バービー』は存在しませんでした。(中略)彼女たちがそれぞれのカテゴリーにノミネートされていないことに“失望している”、というのは控えめな表現です」と声明を出している。授賞式では、ライアン・ゴズリングによる『I’m Just Ken』のパフォーマンスのほか(なんとギタリストにはスラッシュが出演!)、ビリー・アイリッシュによる「What Was I Made for?」のパフォーマンスもあり、受賞こそならなかったが『バービー』のパワーを感じさせるショーとなった。
授賞式は3月11日(日本時間)、ハリウッドのドルビー・シアターで開催され、昨年と同じく、人気テレビホストのジミー・キンメルが司会を務めた。
以下、受賞作品の一覧をチェックしよう!
作品賞
『American Fiction』(原題)
『落下の解剖学』
『バービー』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『パスト ライブス/再会』
『哀れなるものたち』
『関心領域』
監督賞
ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』
マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』
主演女優賞
アネット・ベニング『ナイアド 〜その決意は海を越える』
リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
サンドラ・ヒュラー『落下の解剖学』
キャリー・マリガン『マエストロ:その音楽と愛と』
主演男優賞
ブラッドリー・クーパー『マエストロ その音楽と愛と』
コールマン・ドミンゴ『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』
ポール・ジアマッティ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ジェフリー・ライト『アメリカン・フィクション』
助演女優賞
アメリカ・フェレーラ『バービー』
ダニエル・ブルックス『カラーパープル』
ジョディ・フォスター『ナイアド 〜その決意は海を越える』
エミリー・ブラント『オッペンハイマー』
助演男優賞
スターリング・K・ブラウン『アメリカン・フィクション』
ライアン・ゴズリング『バービー』
ロバート・デ・ニーロ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マーク・ラファロ『哀れなるものたち』
脚色賞
グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック『バービー』
クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
トニー・マクナマラ『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』
脚本賞
デビッド・ヘミングソン『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ブラッドリー・クーパー、ジョシュ・シンガー『マエストロ:その音楽と愛と』
サミー・バーチ/原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク『May December』(原題)
セリーヌ・ソン『パスト ライブス/再会』
撮影賞
エドワード・ラックマン『伯爵』
ロドリゴ・プリエト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マシュー・リバティーク『マエストロ:その音楽と愛と』
ロビー・ライアン『哀れなるものたち』
衣装デザイン賞
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『Golda』(原題)
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『雪山の絆』
美術賞
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』
音響賞
『ザ・クリエイター/創造者』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
『オッペンハイマー』
編集賞
ロラン・セネシャル『落下の解剖学』
ケヴィン・テント『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
セルマ・スクーンメイカー『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・モブロプサリディス『哀れなるものたち』
歌曲賞(主題歌賞)
「The Fire Inside」『フレーミングホット!チートス物語』
「I’m Just Ken」『バービー』
「It Never Went Away」『ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー』
「Wahzhazhe (A Song For My People)」『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
作曲賞
ローラ・カープマン『American Fiction』(原題)
ジョン・ウィリアムズ『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ロビー・ロバートソン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジャースキン・フェンドリックス『哀れなるものたち』
視覚効果賞
『ザ・クリエイター/創造者』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
『ナポレオン』
国際長編映画賞
『Io Capitano』(原題)(イタリア)
『PERFECT DAYS』(日本)
『雪山の絆』(スペイン)
『The Teachers' Lounge』(英題)(ドイツ)
短編実写映画賞
『彼方に』
『Invincible』(原題)
『Knight of Fortune』(原題)
『Red, White and Blue』(原題)
長編アニメーション賞
『マイ・エレメント』
『ニモーナ』
『ロボット・ドリームズ』
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
短編アニメーション賞
『Letter to a Pig』(原題)
『Ninety-Five Senses』(原題)
『Our Uniform』(原題)
『Pachyderme』(原題)
長編ドキュメンタリー賞
『ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント』
『The Eternal Memory』(原題)
『Four Daughters』(原題)
『To Kill a Tiger』(原題)
短編ドキュメンタリー賞
『The ABCs of Book Banning』(原題)
『The Barber of Little Rock』(原題)
『Island in Between』(原題)
『Nǎi Nai and Wài Pó』(原題)