速報! アカデミー賞2024受賞作品発表! 『君たちはどう生きるか』長編アニメーション賞受賞に続き、『ゴジラ -1.0』が視覚効果賞受賞し、『オッペンハイマー』は作品賞など7部門制覇

アカデミー賞を主催する米国映画芸術科学アカデミーが、3月10日(米現地時間)、第96回アカデミー賞の受賞作品を発表した。『君たちはどう生きるか』が長編アニメ賞を受賞し、『ゴジラ -1.0』は視覚効果賞を受賞! 作品賞は『オッペンハイマー』が受賞し、『哀れなるものたち』は4部門受賞した。
Masaki Takahashi Takashi Yamazaki Kiyoko Shibuya and Tatsuji Nojima win Best Visual Effects for Godzilla Minus One at...
Masaki Takahashi, Takashi Yamazaki, Kiyoko Shibuya and Tatsuji Nojima win Best Visual Effects for "Godzilla Minus One" at the 96th Annual Oscars held at Dolby Theatre on March 10, 2024 in Los Angeles, California. (Photo by Rich Polk/Variety via Getty Images)Rich Polk/Getty Images

作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞は『オッペンハイマー』に!

3月10日(米現地時間)、第96回アカデミー賞レッドカーペットに続き、授賞式が行われた。司会のジミー・キンメルの「バービーのグレタ・ガーウィグ監督は、監督賞にノミネートされるべきでしたよね。皆さん、拍手されていますが、投票しなかったのは皆さんですからね」というシニカルなコメントで幕を開けた。

まず『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞受賞。そして国際長編映画賞にノミネートされていた『PERFECT DAYS』は惜しくも受賞を逃したが(受賞したのは『関心領域』)、『ゴジラ -1.0』が日本で初めて視覚効果賞を受賞した。作品賞には『オッペンハイマー』が輝き、クリストファー・ノーランは本作で初の監督賞を受賞した。そのほかキリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞で初のオスカーを受賞した。

そのほか『哀れなるものたち』が、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞、そしてエマ・ストーンが主演女優賞を受賞し4部門制覇。歌曲賞(主題歌賞)は、『バービー』の主題歌「What Was I Made for?」ビリー・アイリッシュ&フィニアス・オコネルが受賞。第94回アカデミー賞『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌「No Time To Die」で歌曲賞を受賞したのに続き、キャリア2度目のオスカーに輝いた。

Hollywood, CA - March 10: The visual effects team behind "Godzilla Minus One", Takashi Yamazaki, Kiyoko Shibuya, Masaki Takahashi and Tatsuji Nojima back stage during the the 96th Annual Academy Awards in Dolby Theatre at Hollywood & Highland Center in Hollywood, CA, Sunday, March 10, 2024. (Robert Gauthier / Los Angeles Times via Getty Images)Robert Gauthier/Getty Images

クリストファー・ノーラン監督、キリアン・マーフィーが主演を務める『オッペンハイマー』は、作品賞をはじめ、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞など13部門で最多ノミネートされていたが、うち7部門制覇。ヨルゴス・ランティモス監督作『哀れなるものたち』は11部門ノミネート中4部門を受賞した。マーティン・スコセッシ監督作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は10部門でのノミネートだったが、惜しくも受賞を逃した。

HOLLYWOOD, CALIFORNIA - MARCH 10: (L-R) Christopher Nolan, Emma Thomas, and Charles Roven, winners of the Best Picture award for “Oppenheimerâ€, pose in the press room during the 96th Annual Academy Awards at Ovation Hollywood on March 10, 2024 in Hollywood, California. (Photo by John Shearer/WireImage)John Shearer

1月23日にノミネーションが発表されるやいなや話題に上ったのは、昨年世界中で大ヒットを飛ばした『バービー』の監督であるグレタ・ガーウィグと主演のマーゴット・ロビーが、それぞれ監督賞と主演女優賞にノミネートされなかったこと。ケン役のライアン・ゴズリングは、「この2人なくしては『バービー』は存在しませんでした。(中略)彼女たちがそれぞれのカテゴリーにノミネートされていないことに“失望している”、というのは控えめな表現です」と声明を出している。授賞式では、ライアン・ゴズリングによる『I’m Just Ken』のパフォーマンスのほか(なんとギタリストにはスラッシュが出演!)、ビリー・アイリッシュによる「What Was I Made for?」のパフォーマンスもあり、受賞こそならなかったが『バービー』のパワーを感じさせるショーとなった。

HOLLYWOOD, CALIFORNIA - MARCH 10: (L-R) Ryan Gosling and Slash perform 'I'm Just Ken' from "Barbie" onstage during the 96th Annual Academy Awards at Dolby Theatre on March 10, 2024 in Hollywood, California. (Photo by Kevin Winter/Getty Images)Kevin Winter/Getty Images

授賞式は3月11日(日本時間)、ハリウッドのドルビー・シアターで開催され、昨年と同じく、人気テレビホストのジミー・キンメルが司会を務めた。

以下、受賞作品の一覧をチェックしよう!

作品賞

★『オッペンハイマー』

『American Fiction』(原題)
『落下の解剖学』
『バービー』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ:その音楽と愛と』
『パスト ライブス/再会』
『哀れなるものたち』
『関心領域』

監督賞

★クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』

ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』
マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』より

主演女優賞

アネット・ベニング『ナイアド 〜その決意は海を越える』
リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
サンドラ・ヒュラー『落下の解剖学』
キャリー・マリガン『マエストロ:その音楽と愛と』

主演男優賞

★キリアン・マーフィ『オッペンハイマー』

ブラッドリー・クーパー『マエストロ その音楽と愛と』
コールマン・ドミンゴ『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』
ポール・ジアマッティ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ジェフリー・ライト『アメリカン・フィクション』

『哀れなるものたち』より

Atsushi Nishijima

助演女優賞

★ダバイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

アメリカ・フェレーラ『バービー』
ダニエル・ブルックス『カラーパープル』
ジョディ・フォスター『ナイアド 〜その決意は海を越える』
エミリー・ブラント『オッペンハイマー』

助演男優賞

ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』

スターリング・K・ブラウン『アメリカン・フィクション』
ライアン・ゴズリング『バービー』
ロバート・デ・ニーロ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マーク・ラファロ『哀れなるものたち』

脚色賞

★コード・ジェファーソン『アメリカン・フィクション

グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック『バービー』
クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
トニー・マクナマラ『哀れなるものたち』
ジョナサン・グレイザー『関心領域』

脚本賞

★ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ『落下の解剖学

デビッド・ヘミングソン『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
ブラッドリー・クーパー、ジョシュ・シンガー『マエストロ:その音楽と愛と』
サミー・バーチ/原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク『May December』(原題)
セリーヌ・ソン『パスト ライブス/再会』

撮影賞

★ホイテ・バン・ホイテマ『オッペンハイマー』

エドワード・ラックマン『伯爵』
ロドリゴ・プリエト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マシュー・リバティーク『マエストロ:その音楽と愛と』
ロビー・ライアン『哀れなるものたち』

『マエストロ』より

© 2023 Netflix, Inc.

衣装デザイン賞

『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

『Golda』(原題)
『マエストロ:その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『雪山の絆』

美術賞

『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』

『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』より

© 2023 Paramount Pictures.

音響賞

★『関心領域』

『ザ・クリエイター/創造者』
『マエストロ:その音楽と愛と』
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
『オッペンハイマー』

編集賞

★ジェニファー・レイム『オッペンハイマー』

ロラン・セネシャル『落下の解剖学』
ケヴィン・テント『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
セルマ・スクーンメイカー『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ヨルゴス・モブロプサリディス『哀れなるものたち』

『バービー』より

Courtesy Warner Bros. Pictures

歌曲賞(主題歌賞)

★ビリー・アイリッシュ&フィニアス・オコネル「What Was I Made for?」『バービー』

「The Fire Inside」『フレーミングホット!チートス物語』
「I’m Just Ken」『バービー』
「It Never Went Away」『ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー』
「Wahzhazhe (A Song For My People)」『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』より

Lucasfilm Ltd.

作曲賞

★ルドウィグ・ゴランソン『オッペンハイマー』

ローラ・カープマン『American Fiction』(原題)
ジョン・ウィリアムズインディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ロビー・ロバートソン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジャースキン・フェンドリックス『哀れなるものたち』

視覚効果賞

『ザ・クリエイター/創造者』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
『ナポレオン』

『PERFECT DAYS』より

国際長編映画賞

★『関心領域』(イギリス)

『Io Capitano』(原題)(イタリア)
『PERFECT DAYS』(日本)
『雪山の絆』(スペイン)
『The Teachers' Lounge』(英題)(ドイツ)

短編実写映画賞

★『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』

『彼方に』
『Invincible』(原題)
『Knight of Fortune』(原題)
『Red, White and Blue』(原題)

長編アニメーション賞

『マイ・エレメント』
『ニモーナ』
『ロボット・ドリームズ』
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

短編アニメーション賞

★『War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko』(原題)

『Letter to a Pig』(原題)
『Ninety-Five Senses』(原題)
『Our Uniform』(原題)
『Pachyderme』(原題)

長編ドキュメンタリー賞

★『実録 マリウポリの20日間』

『ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント』
『The Eternal Memory』(原題)
『Four Daughters』(原題)
『To Kill a Tiger』(原題)

短編ドキュメンタリー賞

★『The Last Repair Shop』(原題)

『The ABCs of Book Banning』(原題)
『The Barber of Little Rock』(原題)
『Island in Between』(原題)
『Nǎi Nai and Wài Pó』(原題)


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