町長選立候補の決意を語る南氏=志賀町文化ホール

 志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で逮捕された小泉勝容疑者(57)の町長辞職に伴う町長選は、選挙戦が濃厚になってきた。9日、町議の南政夫氏(59)が一番乗りで出馬を正式表明。周囲に意欲を語る前町議の稲岡健太郎氏(46)も立候補へ調整を進め、近く最終判断する見通しだ。12月19日告示、24日の投開票に向け、互いを意識した発言も目立ち始めた。

 この日の出馬会見で南氏は「入札制度の改革が最も注目されている。建設業者ではない自分こそが中立的な立場で取り組める」とアピールした。念頭にあるのは、建設業に従事する稲岡氏だ。

 報道陣から小泉町政を支えてきた点を指摘されると「言うことは言ってきた。町長に近いという感覚はない」と反論。会見に議員は同席せず「町長派」のイメージ払拭(ふっしょく)に躍起となった。

 南氏の会見を受け、稲岡氏は北國新聞社の取材に対し「2代続けて町政トップの不正が発覚した。町長派からの出馬はあり得ない」と批判。「志賀町は今生まれ変わらなければ本当に駄目になる」と改革への思いを口にした。

 入札制度の見直しだけでなく、経済の閉塞(へいそく)感の打破を望む声が多く寄せられているとし「地元の意見を全て聞き、近いうちに態度を決める」とした。

 町長選を巡っては、町出身で前金沢市議の高岩勝人氏(56)の名前も取りざたされている。

  ●南氏「入札改革が第一」

 南氏は9日、志賀町文化ホールで開いた出馬会見で「町民の笑顔を取り戻すために力いっぱい頑張る」と意欲を示した。町長が入札の最低制限価格を決める方法の改革に第一に取り組むとした。無所属で出馬し、政党からの推薦なども受けない方針だ。

 町議辞職の時期によっては町長選と同時に町議補選が行われるが、現時点で「具体的なタイミングは決めていない」と述べた。4月の県議選で推した石田章県議らには今後支援を求めるとした。

 南氏は羽咋高卒。2003年に町議に初当選し、議長などを歴任した。現在6期目。

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