春の園遊会で俳優の北大路欣也さん(前列右から3人目)らと歓談される天皇、皇后両陛下=23日午後、東京・元赤坂の赤坂御苑

園遊会に出席された愛子さま

  ●県内出席者にお言葉

 天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会は23日、東京・元赤坂の赤坂御苑で約1400人を招いて開かれた。皇族方とともに会場を回られた両陛下は、能登半島地震の被災地を心配し、石川県の出席者に対して「復興が順調に進みますことを心から願っております」と声を掛けられた。

 出席した善田善彦県議会議長が、約5千人が避難生活を余儀なくされている能登の現状について説明したところ、天皇陛下は「まだまだこれからが大変であり、お体を大切にしてください」と言葉を掛けられた。

  ●皇后さまも能登の生活気遣う

 皇后さまは「能登の皆さんの生活が少しずつでも落ち着いていかれれば」と話し、園遊会に初めて出席した愛子さまも被災者の状況を気に掛けていたという。両陛下は被災地での犬や猫などペットの保護に関する話にも耳を傾けられた。

 石川からは善田氏のほか、安藤敏夫金大名誉教授、門村和永元県森林組合連合会代表理事会長、砂塚隆広北國新聞社社長が招待された。

 天皇陛下は、俳優の北大路欣也さんと歓談し、「長年にわたり芸術に大変尽力されていますね」とねぎらわれた。美術家の横尾忠則さんとは飼い猫の話題で盛り上がり、皇后さまが猫の写真を取り出して紹介する一幕もあった。

  ●愛子さま初出席

 今春に学習院大学を卒業した愛子さまも、秋篠宮ご夫妻や次女佳子さまらと一緒に会場を巡り、出席者とにこやかに懇談された。

 淡いピンク色のスカート姿の愛子さまは「就職おめでとうございます」と出席者に声を掛けられると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。北大路さんとはこれまでに見た映画に関して会話が弾んだ。

 宮内庁は令和に入ってからの園遊会では初めて参列者にマスク着用を求めず、サンドイッチなどの軽食も振る舞われた。

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