降りしきる雪の中、道路沿いの除雪に追われる人=22日午前9時50分、朝日町月山

  ●除雪中けが、交通乱れる

 22日の富山県内は、強い冬型の気圧配置が続き、今季一番の寒気が流れ込んで、平地を中心に広い範囲で雪が降り続いた。氷見市では午後6時までの24時間降雪量が42センチとなり、1989年の統計開始以来、12月としては最大だった。県内では同市で除雪中に1人がけがを負い、車のスリップ事故が多発するなど交通も乱れた。気象庁は県内全15市町村に大雪警報を出し、交通障害や農業施設などへの被害に警戒を呼びかけた。

 気象庁は、大規模な交通障害に警戒を呼びかける「顕著な大雪に関する気象情報」を富山、石川、福井3県で発表した。

 22日午後6時現在の積雪の深さは、朝日町46センチ、砺波市40センチ、富山市中心部と氷見市33センチ、高岡市伏木30センチ。最低気温は上市町氷点下6・2度、朝日町同3・8度など、全10観測地点で0度未満の冬日で、今季最低を更新した。

 午前8時15分ごろ、氷見市朝日丘のケアハウス万葉の杜で同施設職員の同市北大町、狩野清昌さん(53)が小型除雪機の吸い込み口に右手を挟まれ、高岡市の厚生連高岡病院に運ばれ、人さし指の骨折、中指の腱(けん)断裂などの重傷を負った。

 富山県内は22日、大雪の影響で交通網が混乱し、除雪中の事故や車のスリップで負傷者が相次いだ。

 富山地方鉄道の市内電車は終日、環状線の運行を取りやめ、富山港線を富山駅折り返し運転とした。全線で5~20分ほど遅れ、一部の列車が運休となった。

  ●あいの風31本運休

 新潟県上越市のえちごトキめき鉄道直江津駅の架線故障の影響で、あいの風とやま鉄道は泊―直江津間の上下線31本を運休した。金沢―泊駅間では複数の列車にパンタグラフへの着雪が確認され、上下線の13本に最大1時間の遅れが生じ、約3千人に影響した。

 北陸自動車道上り線の小矢部―金沢森本インターチェンジ(IC)間は降雪のため、午後1時ごろから約3時間通行止めとなった。北陸自動車道の高岡、流杉、入善と東海北陸自動車道の城端の各スマートICが雪の影響で閉鎖した。中日本高速金沢支社は午後6時4分ごろから約6分、入善スマートICの出入り口封鎖を行う際、道路情報板に誤って、通行止めではない朝日―黒部間が通行止めと表示した。

 富山県警交通企画課によると、22日午後4時までの24時間にスリップ事故113件が発生した。富山市内でスリップした車が別の車に追突し1人が負傷した。軽傷とみられる。

 滑川市の北陸自動車道上り線で午後7時半ごろ、トラック2台と乗用車1台の絡む交通事故が発生した。

  ●富山空港3便欠航

 富山空港発着便は羽田発、羽田行き、札幌行きの3便が欠航した。高速バスは富山地方鉄道が新潟線全便、名古屋線15便を運休するなど大きく乱れた。

 北陸電力送配電によると、富山、石川、福井各県で停電が相次ぎ、同社は警戒態勢本部を設置した。富山県内では氷見、小矢部市で10戸未満が停電した。

 気象庁は午前11時33分、県内全域に竜巻注意情報を出した。富山地方気象台によると、23日も冬型の気圧配置が続き、同日午後6時までに予想される24時間降雪量は、いずれも多い所で、平地40センチ、山間部50センチ。

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