「太巻き男子」の名を欲しいままに!

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もともと太巻きはお祭りとか集会とか、人が集まる晴れの場所と共にありました。にぎわいの場所に太巻きあり。まさにお祭り男ならぬ、お祭り料理です。

 

その太巻きを自分で作るという発想は……ないですよね。太巻きはおばあちゃんかおかんか親戚のおばちゃんが作るもの、あるいは買うもの。そんな感じでしょうか。

 

でも考えてみてください。おにぎりを自分で作ると自分の好きな具を好きなだけ入れられるように、太巻きだって自分で作れば「肉バージョン」「海鮮バージョン」「受け狙いバージョン」「チープバージョン」など、やりたい放題

もとい、自分好みの「マイ太巻き」が作れます。手巻き寿司では自分の好きな具をくるっと巻いて食べますよね。あれの「もっとかっちり版」です。

 

想像してみてください。屋外の飲み食いするイベントにもしもあなたが太巻きを持参したら。しかも「俺が作った」と言ったら、

 

ウケます。

 

おにぎりでもサンドイッチでもなく、太巻きですから。いきなり話題の中心人物になります。しかもそれがおいしかったら、女子からの称賛が降り注ぐこと間違いなしです。チャレンジする価値、あります。作ってみようじゃありませんか。

 

作ってはみたいけど巻くのが難しそうと思う方、動画サイトで「太巻き」「恵方巻」で検索してみてください。出るわ出るわ太巻きの作り方の動画。もうそのURLをここに貼り付ければ記事が終わってしまうくらいです。

 

でもそれじゃあんまりなので、そして実は私自身が太巻きを作るのが大変不得手でありまして、「初心者は大体こんな感じ」「でもちゃんと作れるよ」というのを実践してみたいと思います。

 

巻きすは100円ショップで買えるので調達しましょう。

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巻く際は平らなほうが上、

 

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丸みのあるほうが下です。

 

太巻きは個人的には酢飯でなくてもOKでそこにこだわりはありませんが、屋外で食べることも想定して、酢飯にしましょう。

 

作るのが面倒だったら「すし酢」という市販されているものを使ってください。こうして手を抜けるところは抜きましょう、これ大事。

 

酢飯は酢・塩・砂糖を混ぜて作りますが、そのレシピはあまりに膨大なので、今回は割愛します(私のイチオシお気に入りの酢飯レシピは人様のレシピなので紹介できないのです)。

 

さて今回は、男はやっぱり肉だろうということで肉バージョンと、予算を抑えたいリーズナブルバージョンの2種類の太巻きを作ってみようと思います。

 

でも実はこれ、いずれもコンビニのおにぎりコーナーで売られている手巻き寿司の具材なんですよね。カルビ焼肉とかサラダ巻きとか。さすがコンビニ……。

 

太巻きレシピ①:肉バージョン

肉バージョンで用意した食材はこれ。すべて全型のり1枚分の分量です。

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【材料】(太巻き1本分)

  • 和牛こま切れ肉 50~100g お好みの量で
  • きゅうり 1/4本
  • 厚焼き玉子 きゅうりと同じ太さに切ったもの
  • かに風味かまぼこ 3~4切れ
  • 酢飯 230~260gくらい
  • 全型のり 1枚

 

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巻く前の準備として、肉は少量のサラダ油で炒め、最後に焼肉のたれを絡めるだけ。簡単ですね。

 

きゅうりは水分が出ないよう、塩もみしておきます。ここは太巻きの仕上がりに左右するところなので、手を抜かずにかならずやりましょう。


厚焼き玉子が好きで好きでたまらない人は、きゅうりの倍の太さにカットしてもOKです。マイ太巻きですからね、その辺はフリーダムにいきましょう。

 

かに風味かまぼこは肉の味に負けてしまい食べると存在感皆無なのですが、太巻きは色合いも大事なので入れてみましたよ。

 

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のりに酢飯を敷きます。両端は1センチほど酢飯を敷かずに残しておくと、巻きやすいです。

酢飯の量は全型のり1枚に対して酢飯230~260gくらいでしょうか。少なすぎると太巻きでなく中巻になってしまうし、多すぎると巻くのが難しくなります。

 

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ちょっと面倒ですがここは慎重に、酢飯の厚みが均一になるよう丁寧に広げましょう。ここ大事!

 

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具を並べていきます。置く場所もいろいろあるようですが、今回は、というか初心者はこの辺に置くのが比較的巻く際のハードルが低そうな感じがするので、こんな感じにしました。

 

いよいよ巻きますよ。ひとりで作ってひとりで撮影するもんで、肝心の「まさに巻いている」写真がなくてすみません。


巻く際のコツはこの2点。

 

★一番奥に具を置いた場所が、巻いたときに一番手前(端)の着地点になる
★具を押さえながら巻く

 

上の写真の場合、一番奥の具はきゅうりですね。


「具を押さえながら巻くってどうやるの?」と思われるかもしれませんが、両手の親指と人差し指で手前の端の巻きすとのりを持ち、残りの指できゅうりや厚焼き玉子やかに風味かまぼこがずれないように押さえるのです。押さえつつ巻く、これがポイントです。


くるりと巻いたらセンターから両端に向けてぎゅぎゅっと押して、形を整えましょう。これをしないとゆるゆるの太巻きになってしまいます。考えただけで最悪ですね、1口食べるごとに端から酢飯がぼろぼろ落ちる太巻き。

 

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巻いたものの、これで終わりではありません。
恵方巻ではないのですから、一口サイズに切り分ける必要があります。

 

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ここでも決して手抜きしてはいけない工程があります。どれほどきれいに巻けても、切るのを失敗したらこれまでの労力がすべて水の泡です。手抜きダメ絶対。


湿らせた包丁で最初の一切れを切ったら、汚れた包丁を洗うかふきんで丁寧に拭ってきれいにして、また湿らせて次の一切れを切ります。

包丁が常に湿っていること、汚れていないことが、太巻きをきれいに切る絶対条件です。

面倒でも決してこの工程は省かないようにしてください。

 

できました!

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うまそうじゃないですか! やればできる。太巻き初心者だって作れるよ!

 

太巻きレシピ②:サラダ巻きバージョン

続いてリーズナブルな食材で作る太巻きです。いわゆるサラダ巻き、こんな具を用意しました。色合いを考えて肉バージョンとかぶる具もあります。
分量はすべて全型のり1枚分です。

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【材料】(太巻き1本分)

  • ツナ缶 1缶
  • きゅうり 1/4本
  • 厚焼き玉子 きゅうりと同じ太さに切ったもの
  • かに風味かまぼこ 3~4切れ
  • レタス 大きな葉1枚
  • 酢飯 230~260gくらい
  • 全型のり 1枚

 

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下ごしらえとしては、ツナ缶はある程度油を切っておくことと、マヨネーズ(材料外)であえておくこと、小さじ1/2の醤油(材料外)も加えることでしょうか。

この醤油がいい仕事するので、ぜひマヨ&醤油でツナをあえてみてください。ツナ缶の中でマヨと醤油をあえると、食器を汚さずに済むのでおすすめ。

 

きゅうりの塩もみは肉バージョンと同じです。レタスは適当な大きなにちぎり、巻く際に邪魔にならないようにしてください。

 

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さて、こちらも巻いてみます。

 

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端っこのビジュアルがそそります……!

 

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こんな感じなりました!


こちらは色合いがきれいですね。コンビニがいち早く「サラダ巻き」を取り入れたのも納得です。

 

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きれいきれい。

 

太巻きレシピ③:缶詰巻きバージョン

なお、究極のチープ太巻きとしては、さんま&いわしのかば焼きの缶詰を使ったものもおすすめです。

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あのコテコテの味が酢飯によく合うのですよ。

しょうがの千切りを一緒に巻くとベストなのですが、自宅にしょうがを常備している男性は決して多いとは思えないので、チューブのしょうがをちょっとだけかば焼きに絡めてください。うまさ倍増です。

 

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ま、見た目的にあまりイベント仕様とはいえませんが……

 

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屋外に持参する時は長い形状のままラップに包み、現地で切れば形が崩れるのを防げます。

 

いかがですか。「俺にも作れそうだ!」という気持ちになっていただけたでしょうか。

難しそうに見えながら意外にハードルが低い太巻き、これは作らない手はありません。

 

ぜひお気に入りの具材の太巻きを次の屋外イベントに持参して、「太巻き男子」の名を欲しいままにしてください。そして願わくば人生最高の夏を過ごされることを祈念いたします。

 

※この記事は2017年5月の情報です。

 

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。

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