「これ」を手に入れたことで、自宅のキッチンがいきなりグレードアップした感じで気分も盛り上がる。
そんな調理器具、欲しくありませんか?
タイトルでも上の写真でもバレバレですが、そうです、せいろです。
ああ、憧れのせいろ。これがあるとどえらくテンション上がります。
せいろって中華料理店で小籠包とか頼んだ時しか見かけないし。自分ちで使う物とかじゃないし……
そう思ったあなた。せいろのポテンシャルを甘く見ています。
- 「蒸している間は放置」という、料理ド素人にも使いこなせる手軽さ
- キッチンにあるだけでやたら玄人っぽさを醸し出すハッタリ感
- 蒸し料理全般はすべてお任せあれという万能感
- なのに500円から1,000円前後で買えてしまうリースナブルさ
いい点を挙げればこんなところでしょうか。
想像してみてください。自宅のキッチンの一角に「いつでも出番をお待ちしています」と言わんばかりに鎮座しているせいろの姿を。
肉まんだって電子レンジで温めるよりふかふかだし、豚ばらと白菜のミルフィーユ(よく鍋を使ったレシピがありますね)だってお手の物。海産物や野菜を蒸せば、いきなり自宅にいながらにして「別府温泉地獄蒸しキター!」ですよ。
冬の季節にいたっては、もう毎日でも使い倒したい調理器具。「湯気」とか「ほかほか」とかって、間違いなく人を幸せにする要素ですよね。
まずはせいろの使い方から
最初に、「せいろ」をどうやって使うのか問題。
とりあえず道具はこれだけあればOK。
せいろ用の鍋もありますが、普通の鍋でも代用できます。
まず100均で売っている蒸し器を鍋に敷き、それより水位が上にならない量の熱湯を入れます。
で、そこにせいろをオン。
こんな感じ。あとはせいろの中に蒸したいものを入れて、点火するだけ。
蒸し時間の目安はこんな感じでしょうか。
- ジャガイモなどのイモ類……10〜15分
- にんじん、大根など根菜類、肉や魚類……5〜10分
- キャベツなどの葉物野菜、キノコ類など……約5分
- 冷やご飯……2〜3分
※すでにお湯が沸騰している状態で。あくまで目安で素材の大きさや厚みによって多少異なります。
ちなみにメシ通編集部のムナカタ氏は、蒸し器を使わず、フツーの鍋にそのまませいろを置いて使用している模様。鍋にお湯を入れ(ただし鍋のフタは外す)、そこにせいろをちょこんと乗せて蒸しているそうです。鍋のくぼみ部分にちょうどせいろがすぽっとハマるのだとか。手軽ですよね。
この湯気、幸せじゃないですか?
本人は、せいろを買ったことで苦手な冬も楽しくなったそうです。
蒸したいのはやっぱり中華の点心
せいろでまず蒸したいものはナニか? と問われれば、筆者は間違いなくこう答えます。
そりゃ「点心」ですよ、と。
てんしん【点心】中国料理の軽食。甘い「甜点心(ティエンティエンシン)」と甘くない「(鹹点心(シエンティエンシン)」があり、甜点心にはごまだんご・月餅・杏仁豆腐など、鹹点心には、餃子・焼売・小籠包(ショーロンポー)などがある。〜「和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典」(講談社)より〜
もとは中華の調理器具なので、やっぱり中華の王道を試してみたい。そんなわけでまずは極上の点心を探しに東京・銀座へ。
ここは「飛雁閣」という高級中華料理店。
▲これだけで威厳どーん
▲店内もこの通り、セレブ感どーん
「いやいやいや、自分関係ねえし」と思わないでください。
この飛雁閣がオンラインショップで販売している冷凍点心があるんです。香港一流店の料理長として活躍した「点心のマイスター」を中心に手作りする点心は、いずれも化学調味料を一切使用しないこだわりの逸品です。
もちろんレンジでチンしたりシリコンスチーマーで調理したりといった方法でも冷凍点心を調理することはできます。
けど、ここはやっぱりせいろを使いたいじゃないですか。実際、せいろは水分を無駄にため込まないので水滴となった湯気が点心に落ちてしまうというようなこともありません。天然素材ってすごいの。
ではさっそくスタートしましょう。
せいろでぶたまんを蒸してみる
てなわけで、飛雁閣オンラインショップで扱っている商品の中でもとりわけおすすめの、せいろを使って調理する点心を選りすぐりご紹介します。
飛雁閣のオンラインショップご担当者(顔出し名前出しNGでした、残念!)から各点心への一言コメントもいただきました!
飛雁閣の冷凍点心、こんな感じで届きます。
うわ~蒸したい~食べたい~。
蒸す際は解凍せず、冷凍状態のまませいろに入れます。
まずは「ザーサイ入りぶたまんの王様」と、「角煮ぶたまんの女王様」です。(蒸し時間いずれも18~20分)
基本的にせいろと点心の間にクッキングシートやレタスを敷いて、皮とせいろがくっつくのを防ぎます。
肉まん系の場合は食品そのものにすでにシートが付いているので不要ですが、見本として敷いてみました。
▲ザーサイ入りぶたまんの王様(3個入り 1,200円)
写真はちょっとおとなしめですけども、ホックホクでしたよ!
飛雁閣さん:「ぶたまんの王様」は通常の肉まんに比べて具材の量が多いのが特徴です。ザーサイを使うことで食感がよく、食べ応えもあります。最初のひとつはぜひ醤油やたれなどは一切つけず、そのまま頬張って慈愛に満ちた点心の味わいを堪能するのがおすすめです。2個目からは酢やしょうが、ラー油など、お好みで味変を楽しむのもアリです。
小籠包、餃子、焼売←蒸しまくり
続いてはみんな大好きなこれ、小籠包(10個入り 1,600円)。
蒸し時間は7分。一瞬ですね。
▲冷凍状態のときはこれよりもっと小さいです。それを踏まえた上でせいろに適切な配置を
飛雁閣さん:作るときのポイントは、せいろに入れるときに小籠包を離して配置することです。蒸し上がりは思った以上に大きくなるので、くっついてしまうと皮がやぶけて肝心のスープがあふれ出てしまいます。また、蒸し上がってから時間がたつと皮が固くなり、蒸し器の底面にくっついてこれまた破れやすくなりますので、蒸し上がったらアツアツを食べてください(やけどにご注意ください)。
クッキングシートからはがすのを失敗するとこうなりますよ。合掌。
こうなったらスープは皿ごと飲み干します。これはこれで肉汁感あってヨシ。
飛雁閣さん:最初のひとつはぜひ醤油やたれなどは一切つけず、そのまま頬張って慈愛に満ちた点心の味わいを堪能するのがおすすめです。2個目からは酢やしょうが、ラー油など、お好みで味変を楽しむのもアリです。
そしてこれまた大好評、エビ蒸し餃子(10個入り 2,300円)。蒸し時間6分半~7分。
飛雁閣さん:はじめは何もつけずにそのまま召し上がっていただくのがおすすめです。後半はごま油にブラックペッパーの組み合わせで食べていただくと、ビールやお酒に合うおつまみになりますよ。
自宅で飲茶気分に
蒸し時間は点心によって異なりますが、ひとつのせいろで数種類の点心を同時に調理することも可能です。たとえばこんな風に。
しいたけ入り焼売、海鮮ちまき、エビ蒸し餃子、フカヒレ入り蒸し餃子を同じセイロにイン。
蒸し上がり!!!
入れるタイミングをずらせば、同時に仕上がって飲茶気分が盛り上がります。
せいろがあれば人生、なんぼか潤います。
カッサカサの食生活も、しっとりなるはず。
ただし、料理研究家の方によるとせいろは「しまいこんではだめ」だそうです。風通しのよい場所が理想なのと、存在を忘れて使わなくなってしまうから、台所の目につくところに置いておかないとだめだと。
筆者はしまう収納派なんですが、せいろについてはこの意見に従っています。目に見える場所にせいろがあるキッチンって、2割増しです。いきなりかっこいい。まじです。これはもう、せいろ買って点心蒸すしかないですよ!
お店情報
銀座 飛雁閣
住所:東京都中央区銀座8-9-15 JEWEL BOX GINZA 9F
電話番号:03-3572-7111
営業時間:11:30~15:00(LO 14:00)、18:00~22:00(LO 21:00)
定休日:無休(年末年始をのぞく)