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デジタル人材が求められる背景と育成する方法について解説

デジタル人材が求められる背景と育成する方法について解説

デジタル人材とは、最先端のデジタルテクノロジーに詳しく、これらを使いこなして自組織を成功に導けるスキルを有する人材のことです。
デジタル人材を育成するには、社内で資格取得を支援するなど学習環境を整えるほか、外部の研修へ送り出すなどの方法があります。

経済産業省によるDX推進や、さまざまなデジタルテクノロジーがビジネスや暮らしを変化させていることから、デジタル人材が求められるようになってきました。

本コラムでは、デジタル人材の概要や求められるスキル、育成方法などをご紹介いたします。

デジタル人材とは

デジタル人材とは、最先端のデジタルテクノロジーに詳しく、これらを使いこなして自組織を成功に導けるスキルを有する人材のことをいいます。
ただ、明確な定義が存在するというわけではありません。

デジタル人材とIT人材の違い

「デジタル人材」という言葉が今ほど使われるようになる以前は、「IT人材」と呼ばれる存在がありました。
IT人材とは、2000年前後に登場した言葉で、組織内の情報資産の管理やIT(情報技術)活用を行うために必要なスキルを有した人材のことです。

なお、中小企業庁によれば、

ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材のこと

(引用元:2013年版「中小企業白書」

と定義されています。

IT人材に対して、デジタル人材は組織の経営課題の企画など、デジタルテクノロジーをより戦略的に活用するための、より上流から参画できるスキルや、より幅広いデジタルテクノロジーへの知見が求められます。

デジタル人材が求められる背景

では、どうして、IT人材ではなくデジタル人材が求められるようになってきたのでしょうか?
その背景には、経済産業省によるDX推進があります。経済産業省は、2018年9月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を発表して、DX推進を本格的にスタートさせました。その後も、2020年12月に「DXレポート2(中間取りまとめ)」を発表し、日本のDX推進を継続しています。

各組織でDXを実践するには、プロジェクトリーダーとして、デジタルテクノロジーを活用できる人材が必要になります。

DXについては、下記の記事もご覧ください。

【関連記事】
デジタルトランスフォーメーションとは?DXのキホンのキ
2025年の崖を乗り越える
DXに取り組みあぐねている方へ DXの進め方基本ガイド

日本国内のデジタル人材の状況

では、実際にデジタル人材と呼べるスキルを持つ人材は日本にどのくらいいるのでしょうか?
前出の「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」では、2018年時点での不足人数が約17万人と記載されていますが、2025年には約43万人まで拡大するとの推測が示されています。

片や、経済産業省が2019年3月に発表した「IT人材需給に関する調査」によれば、AIやビッグデータ、IoTなど、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できる先端人材は55万人足りなくなる一方で、受託開発や保守運用を担う従来型IT人材は10万人余ると予測されています。

つまり、従来のIT人材はスキルアップしなければ仕事がなくなり、いわゆるデジタル人材は不足するということです。

デジタル人材に必要なスキル

将来的な需要が高いと見込まれるデジタル人材になるためには、具体的にどのようなスキルを身に付ければ良いのでしょうか?
大きく「ソフトスキル」と「ハードスキル」の2つに分けて考えましょう。

ソフトスキル

ソフトスキルとは、仕事の進め方などに影響する、個人がもともと持っている習慣や特性のことです。

デジタル人材に必要なソフトスキルには、組織の課題を、デジタルテクノロジーを活用して解決に導くための「問題解決能力(発想力)」や、企画した内容を上層部をはじめとする社内に説明したり説得したりするのに必要な「コミュニケーション能力」、それを実際にチームメンバーと一緒に実行するための「チームワーク」、新たなデジタルテクノロジーに関する情報収集やスキルアップのために必要な「学習意欲」などがあります。

ハードスキル

ハードスキルとは、研修などを通して身に付けられる知識などを指します。
デジタル人材に必要なハードスキルには、「ビジネススキル」「IT・システム開発の基礎知識」「データの活用スキル」などがあります。

ビジネスに関する基礎知識

デジタルテクノロジーを、戦略的に活用するためには、一般的なビジネススキルに加え、自社の所属業界に関する基本的な知識や動向、自社の商材知識、強みや弱みなどを把握しておく必要があります。

IT・システム開発の基礎知識

デジタルテクノロジー活用の土台となるIT全般の知識も必要です。前出の「IT人材」に求められるような知識は身に付けておく必要があるでしょう。

また、新たなデジタルテクノロジーの導入や、これに伴う既存のシステム変更が起こった際などにシステム開発を伴う可能性があります。このため、システム開発に関する基礎知識も備えておくべきです。

データの活用スキル

デジタルテクノロジーの導入・活用によって、社内外のデータを収集・蓄積できるようになります。データは21世紀の石油とも呼ばれるほど、価値を生み出してくれる存在ですから、活用しない手はありません。

可能であれば、データベースやデータ処理、ビッグデータなど、データサイエンティストに求められる一通りのスキルを持っていると良いでしょう。

デジタル人材を育成する方法

このようなデジタル人材は、需要が高く、引く手あまたであるため、外部から採用しようとすれば金銭コストも時間コストもかかります。

そこで検討したいのが、社内の人材を育成してデジタル人材を確保する方法です。
具体的には、以下の4つの方法があります。

研修を活用する

社外の研修制度を活用して、従業員に受講してもらい、デジタル人材に必要なスキルを身に付けてもらう方法です。
DX推進を受け、デジタル人材を育成するためのさまざまな研修が提供されています。こうした研修の受講者に対し、手当を支給するなどの支援を行い、受講を促進します。
また、講師を招き、社内で受講できるようにするのも良いでしょう。

学習環境を整備する

前項とも関連しますが、デジタル人材になるためのスキルアップに活用できるオンライン教材なども増えています。経済産業省も、デジタル人材育成プラットフォーム ポータルサイト「マナビDX(デラックス)」を開設し、基本的には無料で受講できるようになっています(一部、有料のものもありますが、受講費用などの補助が受けられるものも用意されています)。
また、知識を体系的に身に付けるという意味では書籍も有効です。

意欲を持った従業員が、こうしたツールを活用しやすいよう、費用の一部または全額を補助したり就業時間内に受講できるルールを整えたりなど、学習環境を整備しましょう。

資格取得を支援する

デジタル人材に求められるスキルに関連した資格の取得者に報奨金を出すなど、資格取得を支援することでデジタル人材を育成する方法です。
受験費用の補助や、学習に必要な教材を支給するなど、金銭面でのサポートが有効でしょう。

デジタル人材につながる資格には、たとえば以下のようなものがあります。

・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・情報処理安全確保支援士
・ITストラテジスト
・プロジェクトマネージャ試験
・データ解析士
・データベーススペシャリスト試験
・Python3エンジニア認定試験

 

OJT

デジタル人材に必要なスキル」でご紹介したようなスキルの多くを持っている人材を、デジタルテクノロジーの導入プロジェクトチームやDX推進チームへ異動してもらい、デジタル人材が実際に行う業務を通して経験を積ませ、足りないスキルを習得してもらうという方法です。必要に迫られた従業員が上記3つの方法でスキルアップしてくれることも期待できます。

まとめ

デジタル人材は、従来のIT人材とは異なり、最新のデジタルテクノロジーを活用して自社の課題解決や競争力強化など、経営戦略とも深く関わる施策に企画から携わることを期待される存在です。

DXが推進され、さまざまな業界でデジタルディスラプションが起きている今、デジタル人材の確保は喫緊の課題といえるでしょう。しかし、デジタル人材に当たるような高度なスキルを持つ先端人材は不足しています。
自組織にいる従業員を育成するのが近道です。

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