商店街の活性化は期待していない? 中心市街地が衰退した理由
商業施設やオフィスが集まる中心市街地に住みたいという人は6割を超えるが、活性化のために税金を投入するべきという人は2割。中心市街地の活性化に消極的なのは、大都市圏に住む人や年齢層が低い人ほど目立った。NTTデータ経営研究所の調べ。
人口が集中しているほか、商業施設や行政機能が充実している中心市街地。都市部と違って、地方では人口減やクルマでの移動が増え、中心市街地が衰退しているところが多い。
NTTデータ経営研究所の調査によると、中心市街地が衰退している理由について「商店街などの個人経営の店舗に魅力がないため」(45%)や「郊外のショッピングセンターのように大規模な無料駐車場がないため」(42%)と商店街の魅力や大規模無料駐車場が不足していることに問題があると思っている人が多いことが分かった。「この傾向は地方都市圏で住む人や高齢者ほど多く、とりわけ商店街の衰退は地方都市圏の高齢者にとっては深刻な問題」(NTTデータ経営研究所)としている。
中心市街地の活性化に必要な施設を聞いたところ、「小規模商業施設」(43%)、「飲食施設」(35%)、「大規模商業施設」(34%)などが上位にランクイン。しかし商店街などの小規模商業施設が「衰退した」と感じる人が67%にも上っているのに対し、「充実すべき」と感じている人は43%。この24ポイントの差について「衰退しているものの活性化の必要はない、という意味を示している。これまで中心市街地の商店街が担ってきた役割がショッピングセンターなどに代替され、住民はもはや商店街活性化の必要性を感じていない状況がうかがえる」(同)
インターネットによる調査で、男女1100人(男性69%、女性41%)が回答した。居住別で見ると、三大都市圏が33%、政令都市圏が34%、地方都市圏が33%。調査期間は6月23日から6月26日まで。
中心市街地に住みたい62%
中心市街地活性化のための税金投入については、どのように考えているのだろうか。「税金を投入してでも積極的な活性化を推進すべき」は20%、一方で「税金を投入してまで活性化する必要はない」が25%、「中心市街地の当事者が費用を自己負担して活性化を推進すべき」が18%。中心市街地活性化に消極的な意見は、大都市圏に住む人と若年層ほど多かった。
中心市街地活性化の費用負担については厳しい意見が目立ったが、「条件が合えば住みたい」(51%)と「積極的に住みたい」(11%)を合わせると62%。中心市街地までの所要時間が短い人や若年層では、“住みたい”という意向が強い。ただ「条件が合えば住みたい」が5割前後を占めており、「条件に対応した方策によっては、中心市街地での居住が一気に進む可能性も考えられる」(同)という。
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