iyomemo(いよめも)
見つかる、つながる。伊予銀行のWebメディア

土地探しのコツ
理想の土地を見極める10のチェックポイント

2023/08/03
土地探しのコツ

注文住宅を建てる場合は、土地探しから始めることになります。しかし土地の探し方がわからないまま、漠然と進めてしまっている方も多いのではないでしょうか。理想の土地を見つけるためには、事前準備や土地探しのコツを押さえておくことが肝心です。今回はマイホームを建てるための土地探しのコツについて解説します。

事前準備

事前準備

事前準備をしておくと、土地探しをスムーズに進められます。必要な事前準備は、以下の通りです。

  • エリアと予算を決めておく
  • 希望条件に優先順位を付ける
  • 土地探しから購入までの流れを知る

次の項目からは、事前準備のポイントについて詳しく解説します。

エリアと予算を決めておく

土地探しの重要な軸となるのが、エリアと予算です。注文住宅を建てたいエリアと、土地にかけられる予算を最初に決めておけば、迷わずに理想の土地を探すことができます。

エリアを決める際は、通勤・通学利便性の良いエリアを探し、複数の候補をピックアップするのがおすすめです。予算は土地にかかる費用だけでなく、注文住宅の建築費や手数料、税金なども考慮する必要があります。エリアと予算を決めたら、設定した予算が希望するエリアに見合っているか検証することも大切です。

希望条件に優先順位を付ける

土地に求める希望条件を考えることも重要です。立地や周辺環境の希望条件だけでなく、注文住宅で実現したい暮らしも含めて、具体的に考えましょう。希望条件の例は、以下の通りです。

  • 最寄り駅から徒歩10分圏内
  • 土地の面積は50坪以上
  • 日当たりの良いリビング
  • 在宅ワークのための書斎

ただ、すべての希望条件を満たす土地は簡単に見つからないため、優先順位を付けましょう。希望条件を事前に整理しておけば、候補の土地が出てきたときに判断しやすくなります。

土地探しから購入までの流れを知る

全体の流れについて知っておきましょう。土地探しから購入までは、以下の流れで進みます。

  • 土地探し
  • 買付証明書の提出
  • 住宅ローンの事前審査
  • 土地の売買契約締結
  • 住宅ローンの本審査
  • 金銭消費貸借契約締結
  • 土地の引き渡し・所有権移転登記

土地探しにかかる期間は、3か月〜1年程度です。希望の土地が見つかったら買付証明書を提出します。買付証明書とは土地の所有者に対して購入の意思表示をするための書類です。住宅ローンを借りて土地を購入する場合は、住宅ローンの事前審査を申し込みます。事前審査に通ったら、いよいよ不動産売買契約の締結です。契約締結後に住宅ローンの本審査に進み、通過すれば金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。最後に土地の引き渡しを受け、所有権移転登記をおこない、土地購入が完了する流れです。

土地探しのコツ

土地探しのコツ

注文住宅を建てようと思っても、土地探しが長期化してしまうケースは少なくありません。短期間で土地探しを成功させるコツは、以下の通りです。

  • 理想の暮らしをイメージする
  • 自分の目で現地を確かめる
  • 早めに決断する

次の項目からは、土地探しのコツについて詳しく解説します。

理想の暮らしをイメージする

具体的なイメージがないまま漠然と土地探しをしても、自分に合った土地は見つかりません。土地探しのゴールは土地を買うことではなく、その土地に建てた家で理想の暮らしを送ることです。

理想の暮らしをイメージして、それを実現できる土地を探すことが成功につながります。10年後、20年後、30年後と長期的な視点で理想の暮らしを考えることも大切です。将来の家族構成やライフスタイルをイメージして土地を選ぶと、快適に住み続けられるでしょう。

自分の目で現地を確かめる

候補の土地が見つかったら、必ず自分の目で現地を確かめましょう。実際に現地を見てみると、物件概要には載っていないことまでわかります。たとえば駅から近くて立地が良くても、騒音が気になったり日当たりが悪かったりする可能性があります。机上で判断せず、自分の目で体感することが大切です。

曜日や時間帯、天候が変わると、雰囲気が変わる街もあります。できれば1度きりではなく、複数回足を運んで、現地調査するのがおすすめです。

早めに決断する

条件が良い土地ほど、すぐに買い手が付いてしまいます。じっくり吟味することも大切ですが、できるだけ早めに決断するようにしましょう。

コツは希望をすべて満たしていなくても、70〜80%満たしていれば良いと考えることです。100%希望通りの物件にこだわりすぎると、いつまで経っても購入する土地を決められません。

土地探しの方法

土地探しの方法

土地探しの方法は、以下の5つです。

  • インターネットで探す
  • 自分の足で探す
  • 不動産会社に依頼する
  • ハウスメーカーに依頼する
  • 銀行に相談する

次の項目からは、土地探しの方法について詳しく解説します。

インターネットで探す

不動産情報サイトや不動産会社のホームページにアクセスして、土地を探します。インターネットで探す方法は、情報量が多く手軽に調べられるのがメリットです。エリアや価格、土地面積、駅徒歩など、さまざまな条件で絞り込むことができます。

ただし、最新の情報かどうかは確認が必要です。インターネットに掲載されていても、問い合わせてみると既に契約済みということもあります。インターネットに載っていない非公開物件もあるため、ほかの方法と組み合わせて探すのがおすすめです。

自分の足で探す

自分の足で現地を歩いてみて、売地を探す方法です。気になる売地を見つけたら、看板に記載されている連絡先や、近くにある不動産会社に問い合わせてみましょう。

土地探しをしながら、エリアの雰囲気や利便性を体感できるというメリットもあります。一方で、歩いても必ず売地が見つかるとは限りません。希望エリアを決める際の下見ついでに探してみると良いでしょう。

不動産会社に依頼する

不動産会社に売買仲介を依頼して土地を探してもらう方法です。エリアを熟知している不動産会社に依頼すれば、街の雰囲気や最新情報まで詳しく教えてもらうことができます。まだ市場に出回っていない非公開物件を紹介してもらえることもあるでしょう。

ただし、不動産会社によって得意分野が異なります。土地の売買仲介の実績がない不動産会社もあるため、不動産会社の実績をよく調べてから依頼するのがポイントです。

ハウスメーカーに依頼する

建築を依頼したいハウスメーカーが決まっている場合は、同じハウスメーカーに土地探しを依頼する方法があります。注文住宅の建築まで一貫して依頼できるため、希望の間取りやプランを実現できる土地を探してもらうことができます。土地と建物を合わせた総予算のバランスもとりやすいです。

土地探しを依頼したハウスメーカーには、注文住宅の建築まで依頼することが前提になっている場合が多いです。建築条件付き土地の場合は、決められた期間内に指定のハウスメーカーで家を建てる条件が付いています。

銀行に相談する

銀行に相談する方法も有効です。銀行は担保物件の売り出し情報など、数多くの土地情報を持っています。

住宅ローンを借りて土地を購入する場合は、「住宅ローンを組めるか」「借入可能金額はいくらか」相談できる点もメリットです。

土地探しのチェックポイント10選

土地探しのチェックポイント10選

理想の土地を見極めるチェックポイントは、以下の通りです。

  • 周辺環境
  • 面積・形状
  • 高低差
  • 境界線
  • 災害リスク
  • 道路
  • 地盤
  • インフラ
  • 法規制
  • 建築・生活の障害になりそうなもの

次の項目からは、各チェックポイントについて詳しく解説します。

周辺環境

周辺環境は住みやすさに直結する重要なチェックポイントです。チェックする際は、必ず現地に行きましょう。お買い物施設・公共施設との位置関係や、騒音・匂い・治安を中心にチェックします。

お買い物施設は日常的な買い物ができるスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどです。公共施設は病院や銀行、郵便局などをチェックします。子どもがいる場合は、小学校や中学校までの距離も忘れずに確認しましょう。

騒音・匂い・治安は、現地で体感するのが一番です。近くに交通量の多い道路やパチンコ店、駐車場がある物件は、騒音に悩まされる可能性があるため要注意です。ゴミの集積場から近い場所は、ゴミ収集日に嫌な匂いがすることも考えられます。治安を見極める際は、街灯が整備されているか、落書きや放置自転車がないかを確認しておくと良いです。

面積・形状

土地の面積や形状によって、建てられる家の規模や間取りが変わります。土地の形状は大きく整形地と不整形地に分かれます。整形地は正方形・長方形の土地で、設計上の制約が少なく自由に建てられる点が魅力です。しかし多くの方が整形地を狙っているため、価格が高くなる点やすぐに売れてしまう点に注意しなければなりません。

不整形地は三角や台形のほか、旗竿地などがあります。特殊な間取りにしなければならず、デッドスペースが生まれやすいのが難点です。一方で、日当たりが良い土地や価格が安い土地が見つかる可能性もあります。両方のメリット・デメリットを知ったうえで、自分に合った形状の土地を選びましょう。

高低差

高低差が激しい土地は、家を建てるために盛土工事や擁壁工事が必要になる場合があります。低い土地は大雨による浸水を防ぐために、道路と同じ高さにする盛土工事が必要です。反対に高い土地は、崩れないように斜面を安定させる擁壁工事をおこないます。

現地に行く際は、土地周辺の高低差も確認しておきましょう。崖崩れや土砂災害が起きそうな場所がないかをチェックします。

境界線

隣地との境界線が曖昧な土地は、購入してから近隣住民とトラブルになることがあります。チェックポイントは境界が確定しているかどうかです。まずは登記簿の情報を確認し、次に確定測量図や境界標の有無を確認することが必要になります。

もし境界が確定していない場合は、売主に境界確定測量を依頼しましょう。境界線は一般の方にはわかりにくい点も多いため、不安な点があれば仲介業者や専門家に相談します。境界線のほかにも、塀や垣根など越境物がないかどうかもチェックポイントです。

災害リスク

安全に暮らすためには、災害リスクについてもチェックしなければなりません。過去に起きた災害についてもチェックしておきたいところです。市区町村の窓口やホームページで公開されているハザードマップを見れば、災害リスクを確認できます。

ハザードマップとは、自然災害の被害を予測して被害範囲を色分けした地図です。洪水・地震・津波・高潮・内水・土砂災害の災害リスクを確認できます。売買契約締結時にも重要事項説明でハザードマップの説明がありますが、土地探しの段階で確認しておくようにしましょう。

道路

土地に面する道路も、注文住宅の建築に影響を及ぼす重要なチェックポイントです。まず建物を建てる際は、建築基準法で定められた道路に2m以上接していなければなりません。そして前面道路の幅員が4m未満の場合は、建物をセットバックさせる必要があります。

前面道路が公道か私道かどうかも確認しておきましょう。私道に面している土地は、新築工事をおこなう際に近隣住民の許可が必要になる場合があります。

地盤

建物を安全に建てるためには地盤の強さを確認する必要があります。もし地盤が軟弱な場合は、地盤改良のために50〜200万円前後の高額な費用がかかるため注意が必要です。

地盤の強さを確認する方法は、地盤調査をおこなうことです。売主の承諾を得られれば、土地を購入する前に、地盤調査を実施できる可能性があります。もし売主の承諾が得られない場合は、ハザードマップや古地図などを頼りに、土地の状況を調べておきましょう。

インフラ

上下水道・ガス・電気のインフラが敷地内に引き込みされているかチェックします。インフラが整備されていない場合は、引き込み工事の費用負担が発生します。

もともと家が建っていた土地では、インフラが引き込みされている場合が多いです。しかし郊外の土地は整備されていない可能性があります。またオール電化の住宅だと、ガス管が引き込まれていないこともあります。

法規制

土地探しのチェックポイントとして、法規制も挙げられます。土地を購入して家を建てる場合は、建築基準法や都市計画法の制限を受けます。せっかく土地を購入しても希望条件を叶えられなければ意味がありません。

法規制には用途地域、建ぺい率・容積率、斜線制限など、さまざまな項目があります。土地にかかる法規制は市町村の役所で調べることができるため、しっかりと確認しておきましょう。

建築・生活の障害になりそうなもの

現地を見るときに、建築・生活の障害になりそうなものがないか確認するようにしましょう。とくに樹木、電柱、ガードレール、縁石などは工事や車両の出入りの妨げになるため、要注意です。

もし障害になりそうなものがあれば、コストと手間を費やさなければなりません。樹木の伐採費用は数十万円、縁石の切り下げは30万円程度かかります。ガードレール・電柱の撤去は行政協議が必要です。

土地探しで役立つ基礎知識

土地探しで役立つ基礎知識

土地を利用する際は、法律でさまざまなルールが定められています。以下の基礎知識を知っておくと、土地探しに役立つでしょう。

  • 用途地域
  • 建ぺい率・容積率
  • 建築制限
  • 角地・中間画地

次の項目からは、土地探しで役立つ基礎知識について解説します。

用途地域

用途地域とは用途によって分けられた13地域です。用途地域を見れば、どのような住環境なのか、ある程度想像することができます。たとえば住居系の用途地域は8地域ありますが、住環境が優先されているため、落ち着いた環境で暮らせるのが魅力です。

商業系の用途地域は、大規模な商業施設が多くて利便性が高く、賑やかな雰囲気になります。工業系の用途地域は、工場や店舗と混在することが多いです。商業系と工業系は住環境が優先されるわけではないため、振動や騒音などをよく確認する必要があります。

建ぺい率・容積率

土地に建てられる建物の規模を制限するのが、建ぺい率と容積率です。

建ぺい率は土地の面積に対する建築面積の割合で、以下の通り計算します。
 建ぺい率(%)=建築面積÷土地の面積×100

容積率は土地の面積に対する延べ床面積の割合で、以下の通り計算します。
 容積率(%)=延べ床面積÷土地の面積×100

広い土地が見つかっても、建ぺい率・容積率によっては希望通りの建物が建てられないことがあります。

建築制限

斜線制限などの建築制限についても押さえておきましょう。建てられる家の高さや形状を知ることができます。

斜線制限は道路や隣地の採光・通風を確保するための制限で、道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限の3種類があります。斜線制限を受けると、希望の階数の家が建てられなくなったり、建物の上の部分が削られたりする可能性があるため注意が必要です。

角地・中間画地

土地の区画は角地と中間画地の2種類に分けられます。角地と中間画地それぞれのメリット・デメリットを知っておくと、土地を選びやすいでしょう。

角地は2つの道路が交差する角にある土地を指します。開放感があり、間取りの自由度が高い点がメリットですが、価格が高くなりやすい点とプライバシーや騒音が気になる点がデメリットです。

中間画地は3方が囲まれた土地です。角地に比べて価格を抑えることができ、プライバシーが守られます。ただ、開放感や間取りの自由度に不満を感じることも多いです。

土地が見つからないときの対処法

土地が見つからないときの対処法

事前準備やコツを押さえて土地探しをしても、なかなか土地が見つからない場合は、以下の対処法を試してみてください。

  • エリアを広げる
  • 形状・方角の条件を緩和する
  • 建築条件付き土地・古家付き土地も含めて探す

次の項目からは、土地が見つからないときの対処法について詳しく解説します。

エリアを広げる

土地探しをしても希望する物件情報が集まらない場合は、エリアを絞り込みすぎている可能性があります。また、人気エリアの土地はすぐに売れてしまうため、なかなか候補地が出てきません。希望するエリアを広げたり、新たなエリアを探したりする対処法が有効です。

形状・方角の条件を緩和する

多くの方々は整形地や南向きの土地を希望しています。一方で狭小地、旗竿地、北向きの土地などはあまり人気がありません。しかし不人気な土地は価格が抑えられるなどメリットがあります。形状や方角の条件を緩和すれば、穴場物件に出会える可能性があるでしょう。

建築条件付き土地・古家付き土地も含めて探す

更地が見つからない場合は、建築条件付き土地や古家付き土地も選択肢を広げてみるのも手です。ただし、建築条件付き土地と古家付き土地の注意点を理解することが必須です。建築条件付き土地はハウスメーカーを自由に選ぶことができません。古家付き土地は建物が残っている状態のため、解体のための費用と時間がかかります。

まとめ

事前準備とコツを押さえておくと、理想の土地を見つけやすくなります。理想の暮らしをイメージしたうえで、候補地が見つかったら現地で確認し、早めの決断を心がけましょう。決断する際は、土地探しのチェックポイントを参考にしてください。

住まいに関する相談所は、土地の探し方やハウスメーカーの選び方、予算の立て方など、家づくりに関するお悩みをサポート・解決します。マイホームの土地探しを始めようとしている方は、お気軽にご相談ください。



住まいに関する相談所


著者プロフィール

監修:三輪歩己

不動産鑑定士 不動産パートナーズ株式会社 代表取締役

https://www.realestatepartners.co.jp/
大手不動産会社や外資系不動産ファンド等にて約20年間鑑定・宅地建物取引業を経験し、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立。不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として活動。地元の高円寺では地域貢献活動を行い、高円寺氷川神社氏子青年会の副会長を務める。

RECOMMENDATION

RANKING

TAG LIST

    • Digital-Human-Digital
    • 地元愛
    • LIFE PALETTE
    • IYOCA