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2023.11.14

年越しそばの意味と由来や食べるタイミングをご紹介!地方での具などの違いも

大晦日に食べる年越しそばの意味や由来って?食べるタイミングは何時ごろ?レシピや具に決まりはある?
そんなふうに思ったことはないでしょうか。

この記事では、年越しそばの意味や由来、食べるタイミング、地方による違いなどご紹介します。
この記事を読んだら、きっと近所のおそば屋さんでおそばが食べたくなるはず!

記事配信:じゃらんニュース

●年越しそばの由来

年越しそば

年越しそばがどんな由来で始まったのかは諸説ありますが、ともかくも手軽でおいしくて、縁起がいいからが理由のようです。
始まったのは江戸時代中期ごろ。

古くから救荒作物として育てられていたそばですが、同時に、縁起物としてハレの日に食べるものでもありました。
例えば、戸隠そばや山形そば、わんこそばなど、特別な日にふるまうものとして発達したご当地そばはたくさんあります。

江戸時代中期の「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」には、そばが体に良いことが書かれていて、健康食であることもよく知られていたようです。

年越しそば

縁起物で健康にもいいそばが、「みそかそば」「節分そば」と呼ばれて、毎月月末や季節の変わり目に食べられるようになったのは江戸時代中期。

「みそか」とは月末のことで、「節分」とは、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日を指します。

年越しそば

中でも立春の前日は、旧暦の12月末日(大みそか)と数日しか離れていないこともあり、この一年の最後あたりに食べるそばが、だんだんと年越しそばになっていったと考えられています。

「年越しそば」という呼び名が全国的に広まったのは明治以降らしく、江戸時代は「運そば」「年取りそば」(数え年で歳を取るから)とも呼ばれていたとか。

●年越しにそばを食べる意味

年越しそば

なぜそばなの?という由来に関しては、以下がよく知られています。

・そばは細く長く伸びるので、寿命を延ばし、家運を伸ばすという願いを込めた説。

・そばは切れやすいので、一年の苦労や厄災をさっぱり断ち切って新年を迎えるという説。

・金銀細工師が、散らばった金粉を集めるのにそば粉を使っていたことから、金運を呼ぶという説。

・鎌倉時代、九州・博多の承天寺で、年を越せない町人に「世直しそば」と称してそば餅をふるまったところ、翌年から運が向いてきたので、「運そば」と呼ばれて大晦日に食べるようになったという説。

なかなかこれと断定できませんが、どれも願掛け、験担ぎと言えそうです。
おせち料理にも一品一品意味があるように、昔の人は一杯のそばを食べるのにも、これだけの願いを込めていたのですね。

●年越しそばを食べるタイミング

年越しそば

年をまたがない

一年の厄災を断ち切る…という意味では、翌年に持ち越さないようにしましょう。
除夜の鐘が鳴り始めるまでには食べ終わった方がいいかも。

食べる時間にはとくに決まりはありませんが、大晦日の夕食で食べる派と、23時過ぎに食べる派に分かれるようです。

縁起物ですから、残さずきれいにいただきましょう!

年越しそば

ところでかけそばやおろしそばのカロリーは、約320kcal程度。ローカロリーなので夜遅くに食べても安心ですね。
天ぷらや鴨肉をのせれば、600~700kcalと、通常の1食分ぐらいです。

●各地方の年越しそばの違いとは?

北海道・京都府のにしんそば

北海道・京都府のにしんそば

江戸時代から北海道でニシンの豊漁が続き、干物の「身欠きニシン」が北前船(きたまえぶね)などで全国各地に運ばれていました。
京都では明治時代、その身欠きニシンを使った「にしんそば」が名物になり、現在でも年越しそばとしてよく食べられています。

産地である北海道でも、明治時代には地元の「小樽新聞」などでニシンの料理方法が紹介され、にしんそばは庶民の味として定着したのだとか。

京都が淡い色の薄口ダシなのに対し、北海道は濃口醤油を使った関東風が主流です。

岩手県のわんこそば

岩手県のわんこそば

お殿様をもてなす料理だったという説もある「わんこそば」。
1人前は、わんこ(椀コ)7杯とも、15杯ともいわれます。

小分けにしたときにツルッと食べられるよう、麺が通常より長く切ってあるなど、たくさん食べられる工夫がしてあります。
かつては、年齢の数と同じ杯数のわんこそばを食べる「年越しわんこ」の習慣があったとか!

福井県の越前おろしそば

福井県の越前おろしそば

お殿様が栽培を奨励し、名家老が食べ方を広めたと伝わるのが越前そば。
食べるときは辛味大根をおろしたものが必須で、「越前おろしそば」とも呼ばれます。

「冷やがけ」に大根おろしをのせるほか、大根のおろし汁と生醤油で味わうスタイルもあります。

島根県の釜揚げそば

島根県の釜揚げそば

島根のそばといえば、3段重ねの「割子(わりご)そば」。
しかし地元の人の年越しそばの食べ方としては、「釜揚げ」が多いのだそうです。

そばを、茹で汁ごとお椀によそいます。薄めません。そば湯状態ですね。
そこにカツオ節、ネギ、特産の十六島(うっぷるい)ノリをのせ、出雲そば独特の甘辛~いつゆを回しがけして熱々をいただきます。

地元では釜揚げ1杯に、冷たい割子を1~2枚ほど追加して食べるのがツウだそうです。

まとめ

年越しそばは、元気ですこやかに新年を迎えたい…という、庶民のささやかな願いや現世利益の思いが込められた縁起物と言えそうです。
この記事を読んだら、大みそかを待たずにそばが食べたくなってきたのでは?
折に触れて、近所のおそば屋さんでおいしいそばを楽しみたいものですね。

【記事監修】
◇(一社)日本麺類業団体連合会
「そばの散歩道」

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※この記事は2023年11月時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性がありますので、事前に公式ホームページなどで最新の情報をご確認ください。
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