「職場を辞めたい」と感じる医療従事者が増加─衛生医療評議会が調査結果を公表─

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「職場を辞めたい」と感じる医療従事者が増加─衛生医療評議会が調査結果を公表─

2024/03/05

自治労本部・衛生医療評議会は3月5日、厚生労働省内で「医療従事者の意識・影響調査結果」について記者発表を行った。新型コロナの分類は5類に移行したものの、医療現場の働く環境は改善しておらず、職場を辞めたいと思う人の割合は前年よりも悪化した。

調査では、「現在の職場を辞めたい」と思う人の割合は、常に思う・しばしば思う・たまに思うを合わせて79%に上り、前年の72%から7ポイント増加した。その理由としては、業務の多忙や人員不足、賃金への不満が上位3つを占めている。
始業前の業務(前残業)が「ある」と答えた人の割合は全体の72%に上るが、そのうち89%が時間外申請をしていないことも分かった。
休憩については、すべてを取得できず、一部の時間を業務に割いているという人が76%に上った。
残業については、52%が不払い残業があると答えている。背景には、時間外を申請しにくい風潮や環境、時間外労働は自己研鑽扱い、などの理由がある。
人員配置については、72%の人が「少ない」(かなり少ない、やや少ないの合計)と回答しており、とりわけ看護師では79%が人員配置を「少ない」と感じている。
収入への満足度については、「不満」(不満、やや不満の合計)と感じている人が全体の64%、中でも看護補助者と助産師については70%の人が、薬剤師と看護師では67%の人が「不満」と回答した。
うつ的な症状のある人の割合は、前年の27%から9ポイントも悪化し、36%となった。
うつ的症状がある人のうち93%が離職を検討しているという結果も明らかになった。
これらの背景には、コロナ5類移行後も多忙や人員不足が改善されていないこと、仕事に見合わない賃金への不満などが考えられる。また、各地で起こっている公立病院の再編・統合や経営形態の見直し議論も、職員の不安へとつながっている可能性がある。
地域医療を守るためには、医療従事者の人員確保が必要であり、そのためには賃金・労働環境の改善は不可欠だ。医療従事者が安心して働き続けるために、医療職場における労基法の遵守、メンタルヘルス対策など対応をはかっていくことが重要となってくる。また、今回の診療報酬改定の内容を受け、公立・公的病院でも確実な賃上げにつなげていくことが必要だ。

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