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「負傷者らを見捨てることできない」 警告電話の直後、病院そばに着弾―パレスチナ赤新月社から緊急メッセージ・日赤

配信
負傷者を搬送するパレスチナ赤新月社のスタッフ(c)PRCS[日本赤十字社提供]

負傷者を搬送するパレスチナ赤新月社のスタッフ(c)PRCS[日本赤十字社提供]

  • アルクッズ病院で身を寄せ合う避難者たち(c)PRCS[日本赤十字社提供]
  • 負傷した子供を搬送するパレスチナ赤新月社のスタッフ(c)PRCS[日本赤十字社提供]

 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘激化に伴い、パレスチナ自治区ガザの人道危機が深刻さを増している。病院もイスラエル軍による攻撃の対象となっており、10月末には、負傷者らの救援活動を続けるパレスチナ赤新月社から「患者や避難者らを見捨てることはできない」との悲痛な緊急メッセージが日本赤十字社などに寄せられたという。

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 多くの避難民が押し寄せているガザ北部の病院は、空爆などにより機能の多くを失いつつあるといい、関係者は危機感を募らせている。

 日本赤十字社によると、パレスチナ赤新月社が運営するガザ北部のアルクッズ病院は、警告直後に約50メートル離れた場所に着弾し、爆風で病院の窓ガラスが吹き飛んだという。

 緊急メッセージには「アルクッズ病院に対して、当局より直ちに避難するよう警告の電話があった。国際社会の皆さんに心からお願いがあります。国際人道法で医療機関は保護の対象となっていることを、皆さんからも訴えてください。病院には数百人に上る患者や、1万4000人を超える避難者がおり、彼らを見捨てることはできません」と記されていた。

 また、同病院に勤務するパレスチナ赤新月社職員は、「状況は悪化の一途をたどっています。同僚の医師が爆撃で負傷した子供の対応をしましたが、運ばれてきた負傷者が自分の子供であることを知りました。1人は既に亡くなっていて、もう1人は重体で集中治療室に入っています。こんなにつらいことがありますか。今、ガザではこの瞬間にも同様の悲劇が起こっています。安全な場所などありません」と過酷な現状を知らせてきた。

 日赤は2019年10月から、医療サービスの質の向上を図るため要員派遣を含めアルクッズ病院の技術支援を行ってきた。今も同病院と連絡を取り合っているが、天井が崩れ落ちた場所もあり、水や電気、医療資材などが枯渇し始めていることが報告されているという。

最終更新:

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