特集「緊迫!朝鮮半島」

北朝鮮、黄海へ砲撃130発

 【ソウル時事】韓国国防省によると、北朝鮮は2010年8月9日夕、同国西岸から黄海に向けて砲撃を行った。聯合ニュースによると、砲撃は約130発に達した。韓国側に被害はなかったが、同国軍は警戒態勢を強化している
 韓国軍は5日から9日まで、哨戒艦沈没事件を受けた対抗措置として、黄海で北朝鮮の潜水艦侵入などを想定した大規模な軍事訓練を実施。これに対し、北朝鮮軍は「強力な物理的打撃で鎮圧する」などと警告していた。北朝鮮による砲撃は韓国軍の訓練終了直後に行われており、訓練に反発したものとみられる。
 砲撃は、韓国が黄海の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)に向けて行われた。韓国軍関係者は「午後5時半から3分間に白※(※=令の右に羽)島沖へ約10発、同52分から6時14分の間に延坪島沖へ約120発が撃ち込まれ、一部はNLLの南側海域に落ちた」と説明した。
 北朝鮮は今年1月末にも黄海のNLL付近で砲撃を行っている。
 一方、韓国軍の訓練には陸海空軍と海兵隊などの約4500人、艦船約30隻、航空機約50機が参加。NLL近海などで艦砲射撃や魚雷発射、爆雷投下などの訓練を行い、哨戒艦事件の現場周辺海域で北朝鮮に軍事的圧力を掛けていた。
 韓国軍は日本海に続き、黄海でも米軍との合同軍事演習を実施する計画で、米国防総省は原子力空母を黄海にも派遣すると表明。北朝鮮の砲撃には米韓をけん制する狙いもありそうだ。

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