主文例からみた請求の趣旨記載例集
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14 以下では,各類型に従って請求の趣旨の記載例を紹介していくが,特別な言及のない場合,各記載例に優劣関係はないので,各事案に沿って適切と思われるものを適宜参照されたい。①請求が1個の場合ⅰ 年365日の日割計算の特約がある場合第1章 給付訴訟条,77条)点で異なる。3 引換給付 同時履行の抗弁により引換給付判決が予想される場合でも,請求の趣旨としては単純な給付の請求でもよい(司法研修所編『民事弁護の手引』77頁(日本弁護士連合会,7訂版,2005)参照)。 なお,引換給付判決の主文としては,「被告は,……と引換えに,原告に対し,○○円を支払え。」となる。この場合,単純な給付の請求がそのまま認容されたのではないとの理由から,「原告のその余の請求を棄却する。」と一部棄却であることも主文に表示される(司法研修所編『民事判決起案の手引』14頁(法曹会,10訂版,2006))。また,引換給付の履行は,意思表示の擬制の場合(民執法174条2項)を除き,執行開始の要件にすぎず,執行文付与の要件ではない。バリエーション●❶原告・被告双方単独 被告は,原告に対し,○○円及びこれに対する平成○年○月○日から支払済みまで年○パーセントの割合(年365日の日割計算)による金員を支払え。 被告は,原告に対し,○○円及びこれに対する平成○年○月○日から支払済みまで年○%(年365日の日割り計算)の割合による金員を支払え。

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