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2023.02.11 08:45

卒業式、マスクどうする? 高知県内の中3生に本音聞きました 着用派「いまさら恥ずかしい」、外す派「最後ぐらいは素顔で」

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昨年3月に開かれた高知市内の中学校の卒業式。全員がマスクを着用していた

昨年3月に開かれた高知市内の中学校の卒業式。全員がマスクを着用していた

 「卒業式はマスクを着用しないことを基本に」―。10日、岸田文雄首相はそう表明し、政府は3月13日からマスク着用を「個人の判断に委ねる」と決めた。県内の当事者たちは何を思うのか。本紙が無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて、中学3年生に卒業式のマスクについて尋ねたところ、「着用したい」が多数となった。目立ったのは「いまさら顔を見せるのは恥ずかしい」「まだコロナにかかる可能性がある」の声。入学から3年間、ずっとマスクが当たり前という環境で過ごしてきた生徒たちの本音が垣間見えた。

 県内の公立中学校は3月10~18日に卒業式を開催。高知市では14日に開かれる。本紙は9日、中学生向けに運営している公式ラインでマスクを着用したいか、外したいか、その理由について、3年生に尋ねたところ、44人が回答を寄せてくれた。

■「もう慣れた」

 「着用したい」派の多くが理由に挙げたのは「恥ずかしい」だった。

 「マスク美人だったと思われそうで…不安」(宿毛市の女子)、「みんなの想像と違って、マスク詐欺とがっかりされそう」(四万十市の女子)、「着用が日常的になっていて、顔を見せるのに抵抗がある」(津野町の女子)、「3年間みんな着けてきた。思春期でもあるし、どことなく抵抗感がある」(高知市の男子)

 土佐市や高知市の女子からは「(卒業式で)泣き顔を見られたくない」との回答もあり、「当日だけ外すと、誰が誰だか分からなくなる」(香美市の女子)という声もあった。

 感染対策として着用を続けるという声も多々。

 コロナに加え「インフルエンザもはやっている。受験生なのでかかりたくない」と高知市の生徒。仁淀川町の女子も「感染者が少なくなったとはいえ、完全になくなっているわけではない」と慎重だ。

 昨夏、コロナに感染したという南国市の男子は「40度の高熱やせき、喉の痛みに味覚、嗅覚の障害が出てつらかった」と振り返り、「政府がOKにしても、外さない人も多いので意味がないかな」と投げ掛けた。

 「感染が一気に広がったらどうするんだろう」とつづったのは、高知市の女子。マスクで顔の半分が隠されるため、新しい仲間の「名前を覚えるのも苦労した」「表情も見えないし、話しにくくて外したいと思ったこともある」と振り返り「マスク生活は正直嫌でした」。それでも「今はもう慣れた。逆に自分の表情をあまり他人に見せたくなくなった」とし、「慣れって怖いです」と記した。

■「一生に一度のこと」

 「外したい」派は10人ほど。高知市の女子は「3年間、相手の表情がうまく読み取れないこと」がつらかったと振り返り、「最後ぐらい外して、笑顔で終わりたい」。香南市の男子も一言、「最後ぐらい、外させてくださーい」と訴えた。

 高知市の女子は、マスク姿では、卒業式で離れた場所にいる親が子どもを特定できないこともあり「親が見て分かるように」「一生に一度のこと。ほんの数時間ぐらい外したい」とつづり「みんなの顔をきちんと見たい」。

 同市の別の女子も「マスクがない方が相手の感情や表情が分かる。みんなの自然な姿を記憶や写真に残したい」と書いた。

 着用派で紹介した高知市の女子は、こんな声も届けてくれていた。

 「『外せてうれしい!』という人がいれば、『外したくない』という人もいると思う。私みたいに、どっちとも言いがたい人もいると思う」

 近づく春。県内の卒業式はどんなルールで行われるのか。県教委は「国の通知を見てから対応を考えたい」としている。(新田祐也)

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