日照りと高温障害

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【種まきから100日目頃】 長い間雨が降らずに水が涸(か)れることを「日照り」と言います。なかでも、夏季の日照りは「干ばつ(かんばつ)」と言います。日照りによる水不足は、稲の生育にどのような弊害をもたらすのでしょうか?

日照りと高温障害について

水不足で割れた田んぼ

水不足は稲の生育に大きな打撃を与えます。稲はもちろん、水が無ければ田んぼは枯れてしまいます。昔の人は、日照りに対して灌漑(かんがい)によって川の流れを変えたり、溜め池に水を溜めたり、さまざまな対策を行ってきました。それでも水が不足する場合は雨乞いをするしかなかったようで、さまざまな雨乞いの伝説が残されています。

気温が日中で約35℃、夜間でも約30℃を超えると、稲に「高温障害」が発生する可能性があります。高温障害とは、稲の吸水が蒸散に追いつかず、しおれて枯れてしまう障害のことです。また、蒸散を防ぐために葉の気孔が閉じます。気孔が閉じると光合成も停止し、生育が止まってやがて枯れてしまう場合があります。

夜間の高温は、稲の呼吸作用を増加させます。日中に生産したデンプンが呼吸で消費されてしまい、穂に送り込む量が少なくなり、登熟(とうじゅく)歩合の低下、乳白米(白未熟粒)発生の原因となります。
高温障害の対策としては、水をかけ流しにして地温を下げるのが有効です。また、近年のような高温年では稲の生育が早く進んでしまいます。生育状況に注意して、水と肥料でコントロールすることが重要です。

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