砂漠に見えて、砂漠じゃない!? 鳥取砂丘と砂漠の大きな違い/すごすぎる地理の図鑑(4)

#くらし   
砂漠に見えても、砂漠じゃない

『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』4話【全10話】


普段ニュースで見聞きする政治や経済、観光地にグルメ。実はこうした様々な情報がすべて「地理」につながっているって、知っていましたか? 地理の勉強は、地名を暗記したり地図を眺めるだけじゃないんです!

地図からわかる地域の自然環境や歴史、暮らしぶりなどは、地理を学ぶとその背景や理由、意外な事実が見えてきて、ぐっと理解が深まります。地理は「地域の謎を解くカギ」と言える、とても身近で面白い学問なのです。

世界のことが今よりもっとわかるようになる、地理のネタあれこれをお届けします。

※記事の情報は2023年3月現在のものです。

※本記事は日本地理学会著の書籍『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』から一部抜粋・編集しました。


鳥取砂丘は砂漠のようで砂漠ではない!?

一面の砂地が広がる鳥取砂丘。鳥取砂丘は砂漠なのでしょうか?

砂漠は雨が少ない場所にできるものですが、鳥取は植物の成長に十分な雨が降ります。航空写真を見ると、砂丘の周辺には森林があり、砂漠ではないことがわかります。

ではなぜここに砂丘があるのでしょうか。その理由は、「川」と「風」です。鳥取砂丘の西側には、中国山地から日本海に流れる千代川の河口があります。千代川上流には、岩が風化してもろくなってできた大量の砂があり、川によって日本海まで運ばれます。

日本海では冬になると北西から季節風が吹き、千代川によって運ばれてきた砂は、季節風の強い風と波によって河口近くの海岸(鳥取砂丘)に堆積します。そこに再び強い風が吹くと砂は少しずつ移動します。このように砂が動くと植物が根を張れません。つまり砂が動くために植物が育たないだけで、降水量は全く関係ないのです。

鳥取砂丘

砂漠に見えても、砂漠じゃないワケ

鳥取砂丘と本当の砂漠の降水量はこんなにも違う!

リヤドと鳥取市の降水量

降水量はあきらかに鳥取市の方が多いことがわかる。リヤドでは雨が降らない月もあるが、鳥取市では最も降水量が少ない4月でも100mmを超えている。

鳥取砂丘はこうやってできあがった!

鳥取砂丘はこうやってできあがった

千代川によって運ばれた砂が北西季節風によって海岸に堆積して砂丘ができる。

強い季節風が砂丘をつくっている


豆知識

冬に強い北西の季節風が吹く日本海側の新潟県新潟市や山形県酒田市にも、砂が堆積してできた砂丘があります。クロマツの植林などによって、砂の移動を防止して砂丘を固定しているところも。

著=日本地理学会/『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』

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