上司から何度も、昇進できるという約束を聞かされているけれど、なかなか次のレベルに進めないでいる

こんな状況に置かれたら、誰だって、「本当はだまされているのかな」と思いはじめるかもしれませんね。

もしかするとその上司は、(ありもしない)昇進話をチラつかせて、あなたのやる気を掻き立てようとしているだけかもしれません。あるいは、実際には昇進させる権限を持っていないのに、それを認めたくないのかもしれません。

キャリアコーチのAmy Gallo氏は、「たいていは、そこに悪意はありません」と言っています。(Gallo氏は、『Getting Along: How to Work with Anyone (Even Difficult People)[うまく付き合う:(たとえ難しい相手であっても)どうやって一緒に働くか]』の著者でもあります)。

そうしたケースでは、さまざまな理由が考えられるそうです。その上司は衝突を嫌うタイプである。面倒な手続きをうまく進められないでいる。次のステップが何なのかをきちんと把握していない。昇進を実現する権限を持っていない、といった理由です。

とはいえ、たとえそこに悪意はなくとも、「そのせいで、本当は希望していない状況に、ずっと身を置くことになってしまうかもしれません」と、Gallo氏は指摘します。

では、いったいどうすれば、約束された昇進話に、実現の見込みがあるかないかを見分けられるのでしょうか

あいまいな約束と、具体的なタイムライン

昇進話の内容があいまいな場合、上司は、その実現に向けた具体的なタイムラインや計画を練っているわけではなく、あなたが聞きたがっている言葉を言っているだけの可能性が大きいです。

「結果にフォーカスしすぎていると、上司の過去の行動パターンについて知っていることに関する判断を忘れてしまうこともあります」と、Gallo氏は言っています。

あなたにどんな昇進を考えているのか、どんなステップを踏むことになるのかを上司が具体的に言わない場合は、仮に実現するとしても、おそらくは「すぐに」というわけではないでしょう。

Win When They Say You Won’t: Break Through Barriers and Keep Leveling Up Your Success[不可能と言われるなかで勝つ:バリアを突破し、成功のレベルを上げ続ける方法]』の著者であるキャリアブレークスルー・コーチのDaphne Jones氏は、「部下を昇進させるためには、上司は、それに対する犠牲を払うと腹を括らなければなりません」と指摘します。

あなたを昇進させる場合、上司は、あなたのためにたくさんのことをする必要があります。

ということは、もし上司が詳細に触れないなら、たぶんそれはただのトークであって、それ以上のものではないでしょう。たとえ悪意ではないにしても、それだけでは足りません。

上司の行動パターンを思い返してみる

上司の行動パターン全体を思い返してみましょう。Jones氏が言うように、「行動は嘘をつかない」からです。

上司が、問題にすぐに対応し、熱心に取り組むタイプであり、いつも約束を守る人である場合は、おそらくその言葉に嘘はありません。

たとえその人があなたの昇進に関する最終的な決定権を持っていなくても、何をどうすればいいのか、あなたにアドバイスを与えてくれるでしょう。

上司が、仕事が多過ぎて困っているが、ちょっとした兆しにもきちんと反応するように見える時は、自分が言ったことを実行するつもりはあるのでしょう。

ただし、昇進を現実のものにするには、もっと自分から進んで自己アピールする必要が出てくるでしょう。

場合によっては、あなたが望むキャリアの次のステップを上司に包み隠さず話して、そこに到達するための具体的なプランの提示を求めるだけでいいでしょう。

昇進に値する自分をつくり出し、自分が何を望んでいるのかをきちんと伝えることは、部下であるあなたの仕事です」と、Jones氏は言っています。

上司があなたに、あなたの現在の職域を超える仕事をやたらにすすめてくるのに、実際の昇進はいつどうなるのかについては、言葉を濁している。そんな時は要注意です。

このような場合、「その人はあなたを利用しようとしているだけです」と、Jones氏は言います。

この手の上司は、昇進させるつもりなどさらさらないのに、職責を超える仕事を背負わせて、部下をこき使うのです。

タイムリミットの設定

この停滞した状況にうまく対処する方法の1つは、タイムリミットを設定することです。タイムリミットを過ぎたら、次の手に打って出ましょう。

自分の人脈にアプローチすることや、履歴書をブラッシュアップすることもその1つですし、求職活動を正式に開始することもその1つです。

タイムリミットを設定することの大きなメリットについて、Gallo氏は、「自分が主導権を握っているという意識を取り戻すことが、この状況が生むストレスの緩和につながります」と言っています。

何をするにせよ、絶望したり、あきらめたりしてはいけません。そんなことをすれば、状況は悪くなる一方です。「冷静さを保ちつつ、実行あるのみです」と、Jones氏は言っています。「自分に問題があると思い込んではいけません。プランを練って、事に当たりましょう」。

上司をめぐるこうした体験は、それ以外は申し分のない会社の、ごく一部だけに問題があることを示す一例かもしれません。

あるいは、企業全体がブラックであることのサインかもしれません。いずれにせよ、悪い状況に追い込まれても、そこを脱して、目的を持って前に進めるようにしておきましょう

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Source: AMY E. GALLO, Amazon(1, 2), Daphne E. Jones