私がこれまで学んで一番難しかったもののひとつが、写真です。

プログラミングやうまい文章の書き方よりも難しいです。カメラを向けて、シャッターボタンを押すのは簡単なのですが、自分の思い描いた通りの写真を撮ることが難しいのです。

自分がいいと思える写真を撮るまで1年以上かかりました。その日まで100枚撮ったうちの99枚は気に入らなかったのです。趣味としてやるには大変ですし、仕事として追求するのはもっと大変です。

しかし、そんなことで写真を学ぶのはやめられません!

私は、誰もが写真を学んだほうがいいと信じています。写真を学ぶことで人生が豊かになったり幸せを感じられたりするからです。

今回は、完全な写真初心者のために、私が最初に学ぶべきだと思っている写真のTIPSを少しご紹介します。

1. 露出トライアングル

写真というのは、光をいかにとらえるかです。

ほとんどの初心者は、写真の魔法はカメラ本体の中で起こっていると思っていますが、魔法の本当の正体は光です。明るい被写体はうまく写りませんが、暗い被写体は決してよく写りません。

また、光を十分とらえるには、露出トライアングルについて理解しなければなりません。

写真を撮る時、カメラはシャッターを開き、レンズに取り込みはじめます。この光がカメラのセンサーに当たり、画像として処理されます。

次の3つの要素は、光をいかにとらえ、最終的な写真をどのように写すかに影響を与えます。

  1. 絞り:レンズをどれくらい大きく開くかを、Fストップで測ります(f/2、f/5、f/11など)。数字が小さければ、それだけ絞りは大きく開き、絞りが大きく開けば、それだけ光がたくさん取り込めます。また、絞り値は被写体深度にも影響します。(写真の被写体深度についてもっと学びたい場合はこちら
  2. シャッタースピード:どれくらいの時間シャッターを開いたままにするかを、秒で測ります(1/200秒、1/60秒、5秒など)。シャッタースピードが遅ければ、それだけ光が多く取り込めます。またシャッタースピードは動きの感度にも影響します(たとえば、シャッタースピードが遅いと動きはブレるが、シャッタースピードが速いと動きが止まって写る)。
  3. ISO感度:光に対してセンサーの感度をどれくらいにするか、ISOの単位で測ります(100 ISO、400 ISO、6400 ISOなど)。ISO感度の数値が高いと、暗い状況でも写真を撮ることができますが、写真のノイズ(粒子)と引き換えです。暗いところで撮った写真に独特な点がよくあるのはこのためです。

露出トライアングルについては、すべてのコースで教えられているので、簡単な概要以上のものだと考えてください。

ここで学ぶべきことは、思った通りの写真を撮るには、3つの要素(絞り、シャッタースピード、ISO感度)すべてをマスターしなければならないということです。

2. カメラの正しいホールドの仕方

写真初心者が次に学ぶべきことは、カメラの正しいホールドの仕方です。“正しい”と言うのは、単に「カメラのぶれを最小限にする方法」という意味です。

思い出してほしいのは、カメラで写真を撮る時、シャッターは開き、センサーには光がいっぱいです。シャッターが開いている間に動いたら、光はセンサーを横切り、ブレた写真になります。「動かない」イコール「カメラがぶれない」ということです。

Video: Brent Mail/YouTube

上の動画では、特にカメラ(デジタル一眼レフ、ミラーレス、オートフォーカスなど)向きのものですが、スマホにも当てはまります。

大事なのは、腕を胴体に近づけ、体の芯で安定させることです。こうすることで、カメラのぶれが最小限に押さえられ、手持ちカメラでもできるだけシャープな写真を撮ることができます。

低照度撮影や長時間露光、望遠レンズでの撮影の場合は、三脚を使ったほうがいいでしょう。高品質の三脚を使えば、ブレずに安定した撮影ができるのは間違いありません。

3. 三分割法

ほとんどの場合、素人が撮った写真に見えるか、もっと経験豊かなプロのような人が撮ったかはわかります。一番大きな違いは構図です。素人は、構図についてあまり考えていませんが、すばらしい写真の核となるのは優れた構図です。

構図とは、写真の中のすべての要素の配置のことです。

意図的に写真をどのように構成するかを表しています。

構図のことをまったく考えずに、たまたまいい写真が撮れることもあります。しかし、構図について本当に理解できたら、どんな被写体、場所、状況でもすばらしい写真を撮ることができるでしょう。

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Image: Moondigger/Wikipedia

構図に関するもっとも簡単な学ぶべきガイドラインは、三分割法です。

写真を撮る時に、頭の中で縦2本、横2本の線を引き、それからその4本線の交差するところに、興味を引かせたい要素を配置します。

どんな写真家もこのテクニックを使っています。

補助的に使う人もいれば、他の構図テクニックがうまくいかない時の頼みの綱として使う人もいます。いずれにしても、間違いなく三分割法を覚えておくべきで、これほど役に立つTIPSはありません。

写真の構図に関する他のルールについて学びたい場合はこちらをどうぞ。

4. 視点を変える

目線の高さそのままに被写体を写したスナップは、確実につまらない写真になります。毎日自分の目線で世界と接しているので、誰もがその視点はすでに知っています。平凡、退屈、凡庸です。

しかし、これは修正するのも簡単です。違う視点から撮影すればいいのです!

変えられる視点というのはいくつかあります。

  • 高さを変える(例:地面に近づいて撮る)
  • 角度を変える(例:見上げる、横から斜めに見る)
  • 距離を変える(例:近づく、もしくは離れる)

3つすべてを組み合わせてみましょう。この3つを変えることでどれほど写真が変わるか、ということに驚くはずです。たとえば、下の2つの写真を比べてみてください。

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Image: MakeUseOf
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Image: MakeUseOf

カメラは高さを変え(地面に近づく)、距離を変え(被写体に近づく)ています。上の写真は通常の人間から見た写真です。まったくおもしろみがないですよね。

しかし、下の写真は毎日見ている犬の顔とは違うので、より魅力的です。

5. 撮影後の補正は不可欠

撮影後の補正は「効果の高いフィルターやエフェクトを使って、元の写真を根本的に変えること」と思われていることも多いです。

この誤解によって、写真の補正をまったくやらないと心に決め、“自然な”写真だけに制限している写真家もいます。その意志は高潔だと思いますが、カメラがどのように機能しているのかを誤解しています。

好むと好まざるとに関わらず、カメラは撮影後の補正をしています。実際のセンサーのデータはRAWファイルに残されていますが、カメラ(スマホ)の液晶画面上で見ているものは、カメラがRAWデータを解釈したものです。

カメラは撮影者のクリエイティブな意図については何も知りません。だったら自分でやったほうがいいですよね?

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Image: MakeUseOf

また、撮影後の補正すべてが“フォトショップ的”に見えるものとは限りません。化粧を例に考えてみましょう。

  • 知らず知らずのうちに口紅やチークをやり過ぎる人もいる。
  • 自己表現のあらわれとして大胆に化粧をする人もいる。
  • 自分の特徴を微妙に補完するために化粧を使う人もいる。

同じように、撮影後の補正もやり過ぎたり激しくなることもあれば、意図的にスタイリッシュにしたり、すでに写っているものを微妙に強調するためだけに使ったりすることができます。

写真は撮影後に補正する必要があります。この重要なスキルを見逃さないでください。写真を補正しなければ、結局すべての写真で何かが不足しているような気分になります。その何かというのは、撮影後の補正に対するちょっとした理解です。

6. いつでも何でも撮る

練習すれば進歩します。それ以外の方法はありません。どれだけ多くのYouTubeの動画を見ても、どれだけ多くの写真に関する記事を読んでも、どれだけ多くのInstagramの写真を分析しても、写真を撮らなければ上達しません。

1回の経験は10の理論と同じ価値があります。外に出て、写真を撮りましょう!

初めて撮った写真はひどいものだと思います。気に入った写真が撮れるまで、何千回も撮らなければならないかもしれません。

しかし、どんなにひどい写真でも、その一枚一枚がいい写真家になるための一歩になります。

実践は、学んだ理論を利用できるだけでなく、自分のカメラに慣れたり、設定が最終的な写真にどのような影響を与えるのかわかるようになります。

自由な実践よりも、決められた練習の方が好きな人は、この写真スキル向上練習や、初心者のためのクリエイティブな写真のアイデアをチェックしてみてください。

7. カメラのせいにしない

写真家にとってカメラは重要ですが、思っているほどではありません。

腕のいい写真家は、ひどいカメラでもすばらしい写真を撮ります。腕のよくない写真家は、ハイエンドな高級カメラでも駄作を撮り続けます。

結局、上記で述べたように、光、露出、構図、アングル、視点、撮影後の補正に尽きます。このすべてをマスターできれば、どんなカメラでも(スマホでも)素晴らしい写真を撮ることができるのです。

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Image: MakeUseOf

もちろん、カメラにも限界があり、カメラ本体、レンズ、スピードライト、アクセサリーをいいものにすることはできます。しかし、ここで言いたいのは、カメラをアップグレードしても、写真の腕は上がらないということです。このことを受け入れられれば、それだけ早く写真は上達します。

デジタル一眼レフカメラを買う前に、スマホやオートフォーカスのカメラで写真の腕を磨きましょう。

写真を学ぶためのその他のTIPS

初心者のためのその他のTIPSとしては、ホワイトバランスの入門もチェックしてみてくだしあ。

また、この写真のYouTubeチャンネルもかなりおすすめです。無料で、正しくカメラの練習が始められるような、参考になる動画ばかりです。

それから、写真家のよくある法的問題についても気をつけたほうがいいでしょう。写真でお金を稼ぎたいとか、趣味以上に追求していきたいと思っているかどうかに関わらず、知っておいて損はありません。

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Image: Aris Suwanmalee/Shutterstock.com

Source: YouTube, Wikipedia

Original Article: The Top 7 Photography Tips for Absolute Beginners by MakeUseOf