宇宙の計り知れない謎について考えることは山ほどありますが、宇宙って一体どんな匂いがするのでしょうか?
色々と考えられますが、宇宙の驚異を調べると、すべてではないにしても、独特な匂い、つまり悪臭のようなものがあるのではないかということがわかりました。
宇宙に匂いがあるとして、それを嗅げるのは宇宙飛行士だけです。(それと、もしかしたら宇宙探索に熱心な変わり者の企業のCEOも)
宇宙に匂いはあるのか?
実際に宇宙の匂いを嗅いだ宇宙飛行士はおらず、間接的にかすかな匂いを嗅いでいるだけ、ということは特筆すべきでしょう。
宇宙服の外には酸素がないので、アロマキャンドルのように匂いを嗅ごうとすると、それすなわち死を意味することになります。
それでも、宇宙飛行士たちの間には、宇宙空間から微かに漂った匂いについて、長い間かなり一致した共通認識がありました。
去年、宇宙をテーマーにした香りをつくったNASAの宇宙飛行士のグループによると、それは「火薬のような、表面を炙ったステーキのような、ラズベリーのような、ラム酒のような」匂いだそうです。
宇宙飛行士たちがオーストラリア科学アカデミーに説明したところによると、宇宙遊泳中に出合ったのは少し不思議な匂いのようです。
やや心地よい金属的な感じの匂いで……「甘い香りの溶接煙」「燃えている金属」「独特のオゾン臭や刺激臭」「クルミとブレーキパッド」「火薬」「焦げたアーモンドクッキー」のような感じです。
また、実際の宇宙飛行士の体験として、Don Pettitは宇宙の臭いについて、「Live Science」にこのように説明しています。
私が思いつく一番近い説明は、金属のような、やや心地よい甘い香りの金属的な匂いです。
大学時代の夏休みに、小さな伐採業者の重機を修理するのに、アーク溶接トーチで何時間も作業していた時のことを思い出しました。
心地よい甘い香りのする溶接煙を思い出したのです。
なぜ宇宙はそんな匂いがするのか?
オーストラリア科学アカデミーによると、全員一致というわけではありませんが、研究者は「再加圧の際に宇宙船内で発生する化学反応」と何かしら関係があるのではないかと考えています。
原子状酸素が宇宙飛行士の宇宙服に付着し、宇宙船に侵入したのではないかというのが、研究者の推測です。宇宙船が再加圧されると、このような原子が酸素にぶつかり、オゾンとなって、得も言われぬ匂いの原因となっているのではないかということです。
実際の原因が何であれ、研究者は宇宙からの分子が酸素とぶつかることが一因ではないかと考えています。
2012年にある研究者が、その匂いは「宇宙から宇宙船内に持ち込まれた粒子と空気が混ざった際の高エネルギーの振動」によって発生している可能性が高い、と「Atlantic」誌に語っていました。
昨年、カナダ人宇宙飛行士のChris Hadfieldが少し似かよった推測をし、宇宙は実際は無臭の可能性が高い、と「Wired」誌に語っています。
「NPR」はインタビューを要約し、Hadfield曰く「宇宙船の外壁のわずかな科学物質が宇宙空間に吸い込まれ」、宇宙に燃えているような、硫黄のような匂い生まれているのではないか、と書いていますね。
本当の原因が何にしても、人間が宇宙服を着用して宇宙に飛び出している限り、宇宙はこのような変わった匂いがする可能性が高いと言えます。
Source :GIZMODO, NPR(1,2), LIVESCIENCE, Science, NASA, The Atlantic, YouTube