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早朝出社のメリット、デメリットとは?

公開日2018/08/01 更新日2018/08/01

「働き方改革」の一環で、安倍内閣は「朝型出勤」の方針を打ち出しています。
手始めとして、2015年からは、国家公務員の夏季の始業時間を早める「ゆう活」も進められています。確かに朝早く起きれば健康的に働けるイメージはありますが、問題点はないのでしょうか。

早朝出社のメリット

「ワーク・ライフ・バランス」を実効性あるものにする

朝早くから仕事を始めて、そのぶん終業時間を早めれば、プライベートを過ごす時間を増やすことができます。つまり、夕方以降、家族とともに過ごしたり、友人らとの交流や人脈づくりなどに活用できたりする可能性があるのが、「早朝出社」最大のメリットと言えます。

特に日本では、「夜遅くまで仕事をしている人=社会人として頑張っている人」と評価されがちな風潮があります。
しかし、早朝出社に関する世間の理解が浸透すれば、そのような日常の暮らしを軽視したステレオタイプの見方にも徐々に意味がなくなるでしょう。

生物学的・脳科学的にいい傾向

なかなか仕事が終わらないとき、夜更かししてこなすよりも、思い切って寝てしまい、翌朝に早く起きてから取り組んだほうが、効率的に進んだという経験はないでしょうか。

さまざまな実験でも、「夜型」より「朝型」のライフスタイルのほうが、人間にとって良い効果が得られることがわかっています。
アメリカ合衆国のノーステキサス大学で、学生を対象に行われたアンケート調査によれば、自分を夜型だと回答した学生より、朝型を自称する学生のほうが、学業成績が大きく上回ったと言います。学生にとって学業成績の良さは、事務処理能力や論理的思考力、物事への積極性などにつながります。これらは、社会人にとっての業務上の成績にも直結する要素だと言って良いでしょう。

産業革命にたどり着くまでの長い間、人類は「日が昇ったら起き、日が沈んだら寝る」という生活を続けてきました。暗くなったら電灯の下で暮らし、テレビやスマートフォンの光を浴び続けるような「夜型生活」は、人類の歴史に比べれば、ごく最近現れたライフスタイルのため、身体は根本的な部分で対応できていないかもしれません。

朝の仕事は邪魔されにくい

よほど緊急の案件でない限り、一般的な始業時間前に、オフィスに電話がかかってきたり、来客があったりすることはめったにないでしょう。
出社している同僚や部下もほとんどいないでしょうから、集中して仕事に取り組めます。

また、地域によっては通勤ラッシュを回避できるというメリットもあります。
満員電車や交通渋滞のせいで始業前からストレスを抱えるリスクも減りますし、移動時間を減らすことができる場合もあるでしょう。

省エネにつながる可能性がある

特に日照時間の長い夏場は、朝型勤務による省エネ効果を期待できます。暗くならないうちに帰れば、オフィスの電気をつける時間を減らすことができると考えられるからです。比較的涼しいうちから仕事をすれば、クーラーをつける頻度や時間も減らせます。

緯度の高い欧米諸国では、夏季の生活時間を1時間早める「サマータイム」を導入している国も多くありますが、早起きによって部屋やオフィスの電気を消しておける時間帯が増えるために、電力消費の削減につながっているようです。

次ページ 早朝出社のデメリット

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早朝出社のデメリット

「夜型」に慣れた人にとって適応が難しい

いくら、人類が「日の出とともに起き、日が沈んだら寝る」という生活を長く続けてきたとはいえ、電化製品に囲まれた現代人にとっては、それ相応に「夜型生活」に適応した人も多いです。

「朝日を浴びれば体内時計がリセットされ、朝型に変えられる」とも言われますが、実際にはそう簡単にいくものでもありません。

そして、夜型から朝方に生活をシフトしようとするときに、相当な身体への負担がかかることもわかっています。
生活リズムをたった1時間ずらすサマータイムでも、それをきっかけにして急性心筋梗塞が増えるという研究報告もあります。

一方で、頻繁に海外へ出かけているにもかかわらず、ほとんど時差ボケにならない人がいるように、生活リズムを変えることに強い体質と弱い体質の個人差があると考えられます。

睡眠不足が深刻化しやすい

無理に朝型生活に変えようとすると、目覚まし時計のアラームで無理矢理起きるため、睡眠不足になる可能性が高まります。
疲れが取れていない状態で仕事をしても、効率は悪くなるばかりでしょう。また、睡眠不足によって、肥満や高血圧などの生活習慣病のリスクが引き上がり、健康を害するおそれがあります。

世の中が動くペースと合わない

たとえば、社外の取引先などと打ち合わせのアポイントを取ろうとしても、先方が昼の3時や4時以降しか都合が付かない場合は、結局そのために時間外労働をしなければなりません。

「子どもと一緒に過ごすので、3時で帰社します」とは、取引先や見込み客を相手にして、実際にはなかなか言えないでしょう。
たとえ1社のみが「早朝出社」を採り入れても、社会全体が「改革」されなければ、世の中の空気を読み続ける結果として、いつまでも長時間労働がなくならない危険性があります。

まとめ

以上のように、「早朝出社」は手放しで推進していいものではなく、さまざまな課題や懸念があることがわかります。
「空気を読む」ことと「働き方の多様性」とを、この日本社会でどのように両立させるかが問われるところです。

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