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新規で取引をしようと思っている企業を調査すると、過去に行政指導や行政処分を受けた記録を目にすることがありますが、行政指導と行政処分の違いを説明できますか?一体、どのように違うのでしょうか。
「行政指導」とは、行政機関が行政目的を達成するために、個人や法人、あるいは団体に協力を求めることで、勧奨や勧告、要請、助言、指導、注意、警告、指示、斡旋などを行うことです。
しかし、行政指導には法的な強制力があるわけではありません。わかりやすくいえば、「できれば、このようにしてくれませんか」というようなお願いで、その指導の内容に納得できない場合は、必ずしも従う必要はありません。
一方で、行政処分は法律に基づき個人や法人の権利制限にかかわる処分です。そのため行政指導と違って行政処分は強制力を持ちます。
行政指導の内容は、基本的には「助言、指導、勧告」です。あくまでも“お願いベース”の「助言」より強いのが「指導」で、指導より強いのが具体的な行動を取るように勧める「勧告」ということを押さえておくといいでしょう。
しかし勧告よりも上の「警告」の内容を発せられる場合もあるため、注意が必要です。行政指導には法的な強制力はありませんが、法律に基づき発せられる行政処分の一歩手前に、「警告」が出される可能性もあります。
行政処分を行うのは、主に国土交通省や消費者庁、警察庁、金融庁など国の行政機関ですが、都道府県知事が行う行政処分もあります。
処分の内容ですが、たとえば一定期間の「入札停止」や数日間の「営業停止」、あるいは「免許のはく奪」などがあり、処分に従わずに営業を続けていると、刑事罰が問われることもありますので注意が必要です。
法的強制力のない行政指導と違って、行政処分は法律に基づき、個人や法人の権利制限にかかわる処分ですから、処分の内容に納得できない場合は「不服申し立て」(行政不服審査法)や、「抗告訴訟」(行政事件訴訟法)を行うことができます。
いずれにしても、「処分」と名がついているように、行政処分は悪質な行為を罰するためのものです。明らかに法律に違反する行為であれば、いきなり処分ということもありますが、その手前で発せられるのが行政指導と覚えておきましょう。
つまり、法律スレスレのグレーゾーンや、このまま放置しておくと行政目的の達成が難しいと判断された場合、まずは行政指導が発せられます。例えていうならば行政指導はイエローカード、そして行政処分はレッドカードということになりそうです。
行政処分は「不服申し立て」や「抗告訴訟」ができますが、行政指導は不服申し立てすることができません。しかし、行政指導によって何らかの損害を被った場合は、損害賠償請求(国家賠償法)をすることができます。
■参考サイト
フォーサイト|行政指導とは?行政処分との違いも教えます!
総務省|行政手続法の概要
AlarmboxBlog|行政処分とは?事例を交えてわかりやすく解説
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