臨床のための解剖学 第3版

世界で一番使われている解剖学テキスト、待望の改訂

「臨床に直結し応用できる解剖学」のコンセプトはそのままに、人体解剖の手技に対応した章立てへの変更、2500を超える豊富な図・写真の刷新、クリニカルボックスの集約など、より見やすく使いやすくアップデート。臨床に関するトピック動画も収載。卒前から卒後、さらにはベテランまで常に参照できる「一生もの」の解剖学書。



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¥15,950 税込
原著タイトル
Moore’s Clinically Oriented Anatomy, 9th ed.
原著者
Arthur F. Dalley II・ Anne M. R. Agur
監訳:佐藤 達夫(東京医科歯科大学 名誉教授/東京有明医療大学 名誉学長)・坂井 建雄(順天堂大学保健医療学部 特任教授/順天堂大学大学院医学研究科解剖学・生体構造科学 特任教授)
ISBN
978-4-8157-3095-6
判型/ページ数/図・写真
A4変 頁1168 図2092 写真508 表110
刊行年月
2024年3月
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1章 解剖学の概要と基本概念
解剖学をどのように学ぶか
局所解剖学
系統解剖学
臨床解剖学
性とジェンダー
解剖医学用語
解剖学的正位
解剖学的平面
相対的な位置関係を示す用語
側性に関する用語
運動の用語
解剖学的変異
外皮系
筋膜,筋膜による区画,滑液包と漿膜腔,潜在的な空間
骨格系
軟骨と骨
骨の分類
骨の目印となる構造物
骨の発生
骨の血管系と神経支配
連結
筋組織と筋系
筋の分類(筋組織)
骨格筋
心筋(心横紋筋)
平滑筋
心血管系
血液循環路
血管
リンパ系
神経系
中枢神経系
末梢神経系
体性神経系
自律神経系
医用画像技術
単純X線撮影
CT
超音波画像
MRI
核医学画像

2章 背部
背部と脊柱の概要
脊椎
脊椎の構造と機能
脊椎の部位別の特徴
脊椎の骨化
脊椎の変異
脊柱
脊柱の連結
脊柱の運動
脊柱の弯曲
脊柱の血管
脊柱の神経
背部の筋
外部背筋
固有背筋
背部の筋の体表解剖
後頭下と深頸部の筋
脊柱管の内容物
脊髄
脊髄神経と神経根
脊髄膜と脳脊髄液
脊髄と脊髄神経根の血管

3章 上肢
上肢の概要
上肢と下肢の比較
上肢骨
鎖骨
肩甲骨
上腕骨
前腕の骨
手の骨
上肢骨の体表解剖
上肢の筋膜
上肢の血管と神経
上肢の血管分布の概要
上肢の静脈路
上肢のリンパの流れ
上肢の皮膚と運動性の神経支配
上肢の末梢神経のまとめ
胸部および肩甲部
前体幹上肢筋群
後体幹上肢筋群および肩甲上腕筋群
胸部,肩甲部,三角筋部の体表解剖
腋窩
腋窩動脈
腋窩静脈
腋窩リンパ節
腕神経叢
上腕
上腕の筋群
上腕の動脈
上腕の静脈
上腕の神経
肘窩
上腕および肘窩の体表解剖
前腕
前腕の区画
前腕の筋
前腕の動脈
前腕の静脈
前腕の神経
前腕の体表解剖

手掌の筋膜と区画
手の筋
浅・深指屈筋の腱と腱鞘
手の動脈
手の静脈
手の神経
手の体表解剖
上肢の関節
胸鎖関節
肩鎖関節
肩関節
肘関節
上橈尺関節
下橈尺関節
手根関節
手根間関節
手根中手関節と中手間関節
中手指節関節と指節間関節

4章 胸部
胸部の概要
胸壁
胸壁の骨格
胸郭口
胸壁の関節
胸壁の動き
胸壁の筋
胸壁の筋膜
胸壁の神経
胸壁の血管系
乳房
胸壁の体表解剖
胸腔の臓器
胸膜,肺,気管気管支樹
縦隔の概要
心膜
心臓
上縦隔と大血管
後縦隔
前縦隔

5章 腹部
概要:腹壁,腹腔,領域,平面 
前外側腹壁
前外側腹壁の筋膜
前外側腹壁の筋
前外側腹壁の神経血管系
前外側腹壁の内面
鼡径部
精索,陰嚢,精巣
前外側腹壁の体表解剖
腹膜と腹膜腔
腹膜腔の発生学
腹膜形成
腹膜腔の亜区分
腹部内臓
腹部内臓と消化管の概要
食道

小腸
大腸
脾臓
膵臓
肝臓
胆道と胆嚢
腎臓,尿管,副腎
腹部内臓の神経分布
横隔膜
横隔膜の血管と神経
横隔膜孔
横隔膜の運動
後腹壁
後腹壁の筋膜
後腹壁の筋
後腹壁の神経
後腹壁の血管
腹部断面の医用画像

6章 骨盤と会陰
骨盤と会陰の概要
下肢帯
下肢帯の骨と特徴
下肢帯の位置関係
下肢帯の性差
下肢帯の関節と靱帯
骨盤腔
骨盤腔の壁と底
骨盤の腹膜と腹膜腔
骨盤筋膜
骨盤の神経血管
骨盤の動脈
骨盤の静脈
骨盤のリンパ節
骨盤の神経
骨盤内臓
泌尿器
直腸
男性の内生殖器
女性の内生殖器
骨盤内臓のリンパ路
会陰
尿生殖三角の会陰筋膜と会陰隙
肛門三角の構造
男性の尿生殖三角
女性の尿生殖三角
骨盤と会陰の断面像
MRI

7章 下肢
下肢の概要
下肢の発生
下肢の骨格
下肢の骨の配列
寛骨
大腿骨
膝蓋骨
脛骨と腓骨
足の骨
下肢の筋膜
皮下組織
深筋膜
下肢の血管と神経の概要
下肢の動脈供給
下肢の静脈路
下肢のリンパ路
下肢の皮神経支配
下肢の運動神経支配
下肢の末梢神経
姿勢と歩行
安静姿勢
歩行:歩行周期
大腿の前内側部
近位下肢の構成
前大腿筋群
内側大腿筋群
神経血管の構造と前内側大腿の関連
大腿の前内側部の体表解剖
殿部と大腿後部
殿部と寛骨部
殿部の筋
大腿後部
殿部と大腿後部の神経血管構造
殿部と大腿後部の体表解剖
膝窩と下腿
膝窩部
下腿の前区画
下腿の外側区画
下腿の後区画
下腿の体表解剖

足の皮膚と筋膜
足の筋
足の神経血管構造と関連した構造
足部と足根部の体表解剖
下肢の関節
股関節
膝関節
脛骨と腓骨の関節
足根関節
足の関節
膝関節,足根関節,足根の体表解剖

8章 頭部
頭(頭部)の概要
頭蓋
頭蓋の前面
頭蓋の外側面
頭蓋の後面
頭蓋の上面
外頭蓋底
内頭蓋底
頭蓋腔の壁
頭部の部位
顔面と頭皮
顔面(顔)
頭皮
顔面と頭皮の筋
顔面と頭皮の神経
顔面と頭皮の血管
顔面の体表解剖
脳の髄膜
硬膜
クモ膜と軟膜
髄膜腔

脳の区分
脳室系
脳への血液供給
脳の静脈還流
眼窩,眼球,副眼器
眼窩
前部の副眼器
眼球
眼窩の外眼筋
眼窩の神経
眼窩の血管
眼と涙器の体表解剖
耳下腺咬筋部と側頭部,側頭下窩,顎関節
耳下腺咬筋部
側頭部
側頭下窩

口腔
口唇,頬,歯肉

口蓋

唾液腺
翼口蓋窩
顎動脈の翼口蓋部
上顎神経

外鼻
鼻腔
鼻の血管構造と神経支配
副鼻腔

外耳
中耳
内耳

9章 頸部
概要
頸の骨
頸椎
舌骨
頸の筋膜
頸の皮下組織と広頸筋
深頸筋膜
頸の浅部の構造:頸の部位
胸鎖乳突筋部
後頸部
外側頸三角部
前頸部
頸の部位や三角の体表解剖
頸の深部の構造
椎前筋
頸根
頸の内臓
頸部内臓の内分泌腺層
頸部内臓の呼吸器層
頸部内臓の消化器層
頸部内臓の内分泌腺層と呼吸器層の体表解剖
頸のリンパ管

10章 脳神経
概要
嗅神経(脳神経I)
視神経(脳神経II)
動眼神経(脳神経III)
滑車神経(脳神経IV)
三叉神経(脳神経V)
眼神経(脳神経V1)
上顎神経(脳神経V2)
下顎神経(脳神経V3)
外転神経(脳神経VI)
顔面神経(脳神経VII)
体性(鰓弓性)運動
内臓性(副交感神経性)運動
体性(一般)感覚
特殊感覚(味覚)
内耳神経(脳神経VIII)
舌咽神経(脳神経IX)
体性(鰓弓性)運動
内臓性(副交感神経性)運動
体性(一般)感覚
特殊感覚(味覚)
内臓性感覚
迷走神経(脳神経X)
副神経(脳神経XI)
舌下神経(脳神経XII)

本書はA. F. Dalley,A. M. R. Agurによる“Moore’s ClinicallyOriented Anatomy”第9版の日本語訳である。原著は,現在世界中で最もよく使われている解剖学の教科書である。2010 年の第6版はアラビア語,韓国語,ギリシア語,スペイン語,トルコ語,フランス語,ポルトガル語,ルーマニア語に訳されており,2014年の第7版はイタリア語,スペイン語,中国語(簡体),フランス語,ポーランド語,ポルトガル語,日本語に訳されている。2018年の第8版ではギリシア語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,スペイン語,トルコ語が出されている。日本語訳の前回の第2版は2014年の第7版をもとにして2016年に刊行されているので,今回の第3版は8年ぶりの改訂ということになる。
 前版と比べていただくと,局所解剖学の骨組みの上に臨床に役立つ情報を満載した本書の基本的な特徴を保持しながら,学習者にとっての使いやすさへの配慮がさらに強化されている。大きく変わったのは章立ての配列で,前回までは序論に続いて①~④が体幹(胸部,腹部,骨盤と会陰,背部),⑤・⑥が体肢(上肢,下肢),⑦~⑨が頭頸部(頭部,頸部,脳神経)であったのに対し,今回は人体解剖の手技との対応に配慮して①総論,②背部に続いて,③~⑤が身体上部(上肢,胸部,腹部),⑥・⑦が身体下部(骨盤と会陰,下肢),⑧~⑩が頭頸部(頭部,頸部,脳神経)に変わっている。また容易に目に付くこととして,古典的な解剖図が新しいものに差し替えられて,図版の統一感が向上したこと,細かく散在していた臨床関連事項の黄色コラム(クリニカルボックス)が,集約されて大きなまとまりになったこと,体表解剖のコラムと医用画像のコラムも本文に統合されたことなどが挙げられる。本書の初版は1980年にMooreの単独の著作として編まれ,Grant’s Atlas of Anatomyの図を多く用い,臨床解剖学という新しい領域を切り開く教科書として当初から高い評価を得ていた。版を重ねるごとに,新しい図版と素材を加えて内容を強化し,現在では解剖学の標準的な教科書として評価を高めている。
 人体解剖実習を含む解剖学は,16世紀のヴェサリウス,さらに古代ローマのガレノスに遡る長い歴史を有しており,医学の教育・研究における最重要の基礎であり続けてきた。医学の進歩に伴って医学教育の限られた時間数の中で教えるべき情報量が爆発的に増大し,また近年のコンピュータ情報技術の進歩による社会状況の変革に伴って,解剖学教育のあり方も変わりつつある。人体の構造についての必要な知識を効率的に伝えること,臨床への応用という目的を意識させて学習の動機付けを行うことが求められている。人体解剖実習を通して,人体という素材を体験して学ぶことは解剖学の学習の根幹であり,限られた授業時間の中で,精選した内容を効率的に教えることが重要な課題となっている。自己学習の可能な魅力的な解剖学教材が求められるゆえんである。本書は現代の解剖学教育が直面する困難な課題に,答えを与える有力なツールである。
 本書の翻訳は前版と同様に,力量ある解剖学の専門家の方々に担当していただいた。用語とスタイルの統一,問題となる個所の調整などを,監訳者が協力して行った。訳文については,原書の内容を忠実に反映するように心がけつつ,読みやすい文章になるように努めた。本書によって医学生たちが解剖学と医学の学習に喜びを見出し,日本の医学の将来にささやかでも寄与することができれば,このうえない幸いである。
2024年1月5日
訳者を代表して
佐藤 達夫
坂井 建雄

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