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ライバル店から学ぶ!競合店の視察で注意すべきポイントとは

掲載日:2019年3月25日事業戦略

キービジュアル

競合店の視察というと少しうしろめたい感じがしますが、飲食店業界等においては、マーケティング策の一つとして視察を実施することはとても重要だと言われています。本稿では、競合店を視察する際に、どのようなことに注意して行なえば良いのかを紹介します。

視察するお店の選び方

視察する競合店の選び方には2つの方法があります。

まずは同系統(フレンチならフレンチ、カフェならカフェなど)で話題のお店を選ぶ方法。その場合、自分のお店のほうが味やインテリア等は上だと思ったとしても、決してそこに安心するのではなく、流行っている理由を分析して学ぶという姿勢を持つことが大切です。流行のお店には必ず、人気が出るそれなりの理由があるものです。謙虚な気持ちで視察し、いったい何がお客さまを引き付けているのかを観察します。なお、流行の店舗は、ガイドブックやネット情報等、客観的な視点から評価されているものを参考にしましょう。

もう一つは、近所にある競合店。自分のお店と比べてみて、差別化するためにはどうすればいいかを考えます。ただし、新規オープンの場合は、1ヵ月程度経過してから視察に臨みましょう。オープンしてから最初のうちは、セールや物珍しさで混んでいることが多く、お店の本質的な価値や客層の見極めが困難だからです。

一般のお客として視察する場合

最もスタンダードな視察方法です。予算の都合もあるかと思いますが、出来れば男女数人で行き、異性の意見も聞くとさらに効果的です。視察する時間帯は、そのお店の客層が一番分かる混雑帯を狙いましょう。ディナー中心の飲食店なら夜19時から21時。カフェならランチタイムの11時から13時等が良いと言われています。曜日によって客足が変わるようなら、レストラン系は金曜か土曜日の夜、カフェ系は土日・祝日がおすすめです。

視察であることを告げてしまう場合

お店によっては、あらかじめ電話で視察させてほしい旨を伝えると応じてくれるところもあります。ただし、この方法は遠方のお店の場合に限ることが多いようです。近所の競合店の場合は失礼に当たりますし、お互いに嫌な思いをしかねないので避けたほうが良いでしょう。相手のお店次第では、厨房まで見学させてもらえる等、有益な情報が得られる可能性もあります。

チェックのポイント

ライバル店の視察は、短時間で様々な要素をチェックする必要があります。そのため、あらかじめチェックポイントをリストアップしておくと効率よく観察できます。

QSC

まず、はじめにQSCをチェックします。QSCとは、クオリティ(Quality)、サービス(Service)、クリンリネス(Cleanliness)のことで、それぞれ品質、サービス、清潔感を意味します。
クオリティでしたら、料理の味や盛り付け、提供の際の温度、食器のセンス、インテリアやBGMがお店の雰囲気やコンセプトに合っているのかもチェックします。サービスは入店した時の挨拶から始まり、オーダーをとる時の態度、料理の知識の有無(オーダーの時に軽く質問してみるとよいでしょう)、料理が出てくるまでの時間など。クリンリネスはテーブルやレジ周りは当然のこと、お手洗のチェックも忘れずに行いましょう。お手洗いをキレイな状態に保っているお店は、クリンリネスに気を使っていると言われています。

料理のチェックポイント

お客として視察する場合は、料理のオーダーも行いましょう。その際、①調理の技術力が高くないと出来ない料理 ②調理に時間がかかりそうな料理 ③保存の難しい食材を使っている料理 ④なかなか手に入らない食材を使っている料理等を優先的に頼みます。その中で、調理レベルやシステム、管理方法がどうなっているかを推測出来るなら、視察としては非常に有益でしょう。

店員のチェックポイント

基本の接客サービスに加え、空いたお皿を下げるタイミングや追加オーダーの確認の有無等もチェックします。これにより、従業員への接客教育のレベルを知ることができます。

ライバル店の立地のチェックも忘れずに

お客さまがお店を選ぶ理由は、QSCや料理のよしあしだけではありません。お店がある場所も、行くかどうかを決める重要なポイントです。

人通り

例えば、ラーメン店や定食屋、テイクアウトを扱うカフェ等の客単価が低いお店では、回転率を上げることが重要です。そのため流行の店は、立地条件の中でも通行量が多い場所を優先して選んでいるということが考えられます。いつも通っている道なら、気軽に「入ってみようか」という気持ちになりますし、席が埋まっていたり、行列ができていたりするのを目にすれば、特に大きな宣伝をしなくても「おいしいに違いない」と、口コミ効果で集客につながっていることもあります。
一方、カフェやレストランでは、ゆったりとした時間、日常とは違う空間を望むお客さまが多い傾向にあるようです。こうした業態の人気店は、おおむね駅から徒歩10分程度の静かな場所、雑多な場所でも2階や地下、路地の奥等、雰囲気を重視した立地にあることが多いものです。郊外店であれば、車の通行量、駐車場の確保がどの程度出来ているかもチェックしましょう。

周辺の属性

立地条件でもう一つチェックしたいのが、お店がターゲットにしたい客層と、お店の周辺に集まる人の層がマッチしているかどうかという点です。ビジネスエリアであれば、昼間は手軽なランチ、夜は仕事帰りに1杯やりたいといったお客さまを狙うようなレストランや居酒屋がマッチしていると言えるでしょう。ショッピングモールや娯楽施設の近辺であれば、家族連れやカップルを狙う親しみやすいレストランやカフェ等が良いかもしれません。「他とはちょっと違う空間」を求める意識の高い客層を狙って、あえて高級住宅街の一角にひっそりとたたずむようにお店を構えているレストランもあります。
いずれもターゲットと立地が合っているお店ほど、安定した人気を得ているようです。同じ場所でも、平日と週末、時間帯によって、周辺環境や通行量、見込み客の層が変わる場合がありますので、気になる競合店は条件を変えて数回訪れ、チェックをしてみることをおすすめします。

顧客視点になり、飲食店需要のありなしも考える

「ランチ難民」という言葉を聞くことがありますが、飲食店が多いものの需要に供給が追い付いていないエリアがある一方、飲食店がほとんどないことで、需要に供給が追い付いていないエリアもあります。現在、流行している店舗の周辺も、何らかの理由で飲食店の需要が大きいエリアであるということが考えられます。視察の際には、他に飲食店が何件あるか、営業時間や定休日はどうなっているか、飲食店のテナントの空きの増減に変化があるかどうか等を一緒に調べてみましょう。
また、人気店の近隣には、同じターゲットを狙う異業種の店が出店していることも。買い物のついでに食事をする、食事のついでに買い物をする等、相乗効果が生まれている可能性があります。

  • *本コンテンツは株式会社USENが運営するサイト「canaeru」(https://canaeru.usen.com/)内の記事「ライバル店から学ぶ!競合店の視察で注意すべきポイントは?」(https://canaeru.usen.com/diy/p63/)を一部加筆・変更したものです。
    上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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