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収支計算書とは何?具体的な書き方も紹介

  • 公開日:2021年12月16日

経理の書類にはさまざまな書類があります。一般的に知られているものだけでも相当数があり、さらに会社ごとにオリジナルの経理書類を作成することがよくあります。聞いただけではどんな書類かわからないことや、聞き違えてほかの書類を想像するケースもあるでしょう。そんな書類の中に「収支計算書」というものがあります。同じような言葉の経理書類もあり、言葉ではどんな場面で使う書類かピンとこないかもしれません。公益法人や宗教法人のように作成が義務付けられている場合もありますが、今回はそのような縛りのないごく一般的に使われる収支計算書について、書類の目的やメリット、書き方例を説明します。

収支計算書とは?

収支計算書とは、特定の期間内にどれだけの収入があって、どれだけの支出があったかをまとめた表です。特定の期間は一般的には1年です(以下、特定期間は1年間とします)。ただ、収支計算書は一般企業で必ず作られているものではなく、会費を集め、予算を組んで運営をおこなうような組織で作成されます。

収支計算書を作成する最も一般的な組織には宗教法人がありますが、より身近に感じる組織では、町内会やマンションの管理組合、職業別の組合などがあげられます。また、組織によって作成の趣旨が異なるため、すべて同じフォーマットで作成されるわけではありません。

収支計算書を作成するメリット

上記のような組織では、あらかじめ1年間に集まる予定の会費を見積もって、どう使っていくかを決めて運営していかなければなりません。会費収入は、1年間の支出をまかなうために集められるものであり、利益も余剰金の繰越しも前提にしていません。

1年間が終わったあとに収入と支出をまとめて収支計算書を作り、組織の運営状況を説明するとともに、予算通りに運営されたかも説明します。予算と決算を比較することで、会計面で予定通りに運営されたかを理解することができます。

貸借対照表との違い

貸借対照表は決算時における財務状況を説明するための書類です。収支計算書は期間内の合計であるのに対して、貸借対照表は決算日における現金預金や債権などの資産残高とその調達状況を記載した表です。
収支計算書では1年間で会費収入がいくらあって、支出がいくらあったかを記載しますが、貸借対照表では収入から支出した残りの現預金が決算日にいくらあったかなどを記載します。

損益計算書との違い

損益計算書は1年間の収益や費用などの合計を記載する書類で、計算期間の資金などの動きの合計に関する書類である点では収支計算書と同じです。

ただし、損益計算書は現金預金の動きだけでなく、会計原則にもとづいて収益と費用などを計上するので、入金は決算後のものであっても、収益が確定しているものについては計上し、収益に対応する費用も決算日に未払いであっても計上します。減価償却費のように過去に支出があったものでも、その支出が収益に対して長期間にわたって影響がおよぶ場合には、その影響がおよぶ期間に応じて費用として計上します。その点で損益計算書は、収支計算書のように主にその1年間の現金預金の出入りを合計する書類とは違います。

キャッシュフロー計算書との違い

キャッシュフロー計算書は1年間の現預金の出入りを集計した書類です。この面では、収支計算書により近い書類です。しかし、作成の目的が違います。

キャッシュフロー計算書は、会社の資金においてどのような内容の回収があり、どのような支払いがあったかを知るためのもので、内容別に営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローに分けて記載します。これにより、どのような内容でお金が回っていって、結果資金はプラスになったかマイナスになったかを知ることができます。

収支計算書の具体的な書き方例

収支計算書はフォーマットが決まっているわけではないので、内容がわかれば書き方は自由です。ここでは、一般的に問題のない例を紹介します。

収支計算書に記載する項目

収支計算書で必要な項目は、前年度繰越金、収入合計、支出合計、次年度繰越金です。

収入・支出の部

収入の部は前年度繰越金を最初に記載し、その年の入金になったものをおおよその内容ごとに分け、合計額を記載します。支出の部は、収入の部の次で次年度繰越金の前に記載し、その年に支出したものを内容ごとに分け、合計額を記載します。科目のくくりをあまり細かく分けすぎると科目数が多くなり、分かりにくいものになるので、金額の大小や内容の重要度を考えて分けるようにしましょう。

科目

収入・支出の部に記載する科目は、毎年同じ内容で発生するものやその年だけ金額の大きくなるものを単独の科目として記載します。また、目的のための積立金や急な支出のための予備費を計上する場合には、支出の部に記載します。金額が少ないものは雑収入や雑費などにまとめたほうが見やすいでしょう。

前年度繰越金

前年度末に記載した次年度繰越金と同額を記載します。基本的には年初の現金預金残高と同じ額になります。

本年度収入合計

本年度の収入の各項目の合計額を記載します。

本年度支出合計

本年度の支出の各項目の合計額を記載します。

次年度繰越金

前年度繰越金と本年度収入合計を足して、本年度支出合計を差引いた金額を記載します。翌年の収支計算書の前年度繰越金はこの金額と同額です。

予算額

次の年の収支を見積もった金額をいいます。予算は前年の決算の日までに決定し、総会などで承認を受けます。承認を受けた予算をもとに組織を運営していきます。

決算額

その年に実際に入金になったり、支出をしたりした1年間の結果をいいます。総会などへ提出し、会員などの承認を受けることになります。

比較差額

上の書き方例のように予算金額と決算金額と比較して記載し、予算通りに運営されてきたかの確認をすることができます。

まとめ

収支計算書は1年間の運営状況を報告するために重要な書類です。ただし、これだけですべてを説明できるわけではないので、財産目録や貸借対照表のような資産や負債が一覧表になる書類を一緒に作成することが必要です。
また、収支計算書を見やすくわかりやすい書類にするためには、重要な科目とそれ以外の科目を意識して作成するとわかりやすいものができあがります。作成する機会があれば、心がけてみてください。

執筆者プロフィール:
須栗 一浩(税理士)
税理士法人エムエスオフィス 代表。1995年に税理士登録し、これまで個人法人の関与先クライアントは500件をこえる。個人事業の開業から、法人設立、相続税まで含めたトータルのコンサルタント業務をおこなう。企業のICT化も推進し、クライアント企業への導入も進めている。ファルクラム租税法研究会研究員。

上記内容は、執筆者の見解であり、住信SBIネット銀行の見解を示しているものではございません。

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